ふと考えてみたら、東宝版と宝塚月組版の『1789 バスティーユの恋人たち』は観たことあったけど、オリジナルのフランス版って観たことないな、と気づき、、、
少し時間ができたので、本家フランスの作品をネットで観てみることにしました。
もちろんフランス語はわかりませんので、字幕機能をフル活用。
字幕の活用方法はこちらの記事をどうぞ
ほんと便利な時代になりましたね。
因みに、sora が観た映像は、ご丁寧に英語の字幕を付けてくれていたのですが、いかんせん切り替わるスピードが速すぎて、さすがに未熟な英語力ではついて行くのが厳しかったわ~><
最近はすっかり英語から離れちゃっているので、お勉強がてらと思いましたが、、、しっかり日本語字幕に切り替えて観劇。(苦笑)
はじめて見る作品みたいに別もの
宝塚版も、東宝版もほぼ1回見ただけな感じなので、細部をまったく覚えていない前提ですが、、、
なんだかまったく別物、新しい作品を観ているかのごとく、オリジナルは違いました。
いやもちろん、あぁこの場面は一緒だな、とか、同じように流れていくところも多いですが、全体的に別物。
宝塚版に至っては、やはり迫力が違いましたね。
そして劇場もかなり大きなところで上演していて、演出も素晴らしかったです!
普段は宝塚の劇場もかなり大きい部類だと思っていますが、フランスの劇場はそれよりも相当大きく感じました。
迫力満点!ダンスがすごい
フランスのミュージカルって、いつもちょっと「重~い、暗ーい」×「底抜けに明るい」って感じですよね。(苦笑)
これは好き嫌いが分かれるだろうな。
sora さん、正直言ってこのパターンは苦手です。
でも、この作品、ホンモノって感じがすごかた。
まずダンスがね。
メインキャストが踊りまくるわけじゃなく、アンサンブルの人たちのダンスが素晴らしい!
迫力満点、ときとして「曲芸」レベルの難易度!
圧倒されました。
ただ、舞台がず~っと薄暗い演出が多いため、ちょっと残念でした。
実のところ「すごい!」と色々感動しながらも、「この作品を宝塚でやろうと思ったのはなんでだろう?」なんて思ったりも。
「すごい!」と「好き!」はまったく別物であることを実感しました。(笑)
大人っぽいロナンとオランプ
幕開きから、父親を殺されロナンの熱い歌と叫びが印象的。
でもぱっと見、青年っぽくないんですけど。
こっちゃん(礼真琴)のロナン青年を見せられた後なもんだから、なおのこと・・・勝ったな、と。(笑)
こっちゃん、最強だわ~と妄想がまた膨らんだ。www
オランプはきれいな女優さんでしたが、こちらもすでになこちゃん(舞空瞳)の可愛すぎるビジュアルが脳裏に焼き付いてしまっているため、受け入れられず。(笑)
なんだろ、フランス版が「大人な二人」なのか、こっちゃんとなこちゃんが「可愛すぎる」のか。
あの3音ハモリのデュエットも、聴きごたえはありましたが、やっぱりこっちゃんの声のが良かったな。
ロナンさんの独特な高音の出し方がちょっと聞きづらかったです。
もうダメだわ、すべてが「礼真琴・至上主義」に偏っていく・・・(笑)
アントワネットの光と影
アントワネットが登場すると見事なまでの華やかさ。
あ~フレンチ・ミュージカルね~な感じ。
そしてロック。
衣装がとにかく華やか!
ブルジョアの贅沢な暮らしを見事に象徴していますね。
みほちゃんアントワネット様(有沙瞳)思いっきり弾けちゃって下さい!(笑)
でも、後半。
一瞬にして華やかな衣装を剝ぎ取られ、かつらをもぎ取られ、すべてを失って断頭台へ消えていく様は強烈な印象を残しました。
前半にこれでもかというくらいの華やかさを見せられたあとだけに、彼女の人生がむなしく響いてきます。
みほちゃんなら見事にその人生を演じ切ってくれることでしょうね。
ますます楽しみになりました。
ソレーヌはやっぱり超重要
宝塚版ではソレーヌの位置づけが少し下がっていた印象がありますが、東宝版ではソニンちゃんの熱演が素晴らしかったこの役。
ぜひみほちゃんで観てみたい!と思っていた役です。
でもオリジナル版を観ていたら、ほのかちゃんソレーヌ(小桜ほのか)が自然にイメージでき、あらためてこの役は実力のある娘役でよかったな~と思いました。
ほのかちゃん(小桜ほのか)の代表作となるのではないかと思います。
オリジナルからどの程度変更されるのかわかりませんが、できればこのままの出番と歌唱シーンを残してほしい!
余談ですが、、、
ソニンちゃんも迫力ある、素晴らしいソレーヌを演じていて強烈な印象を残しましたが、フランス版のソレーヌさんも、なかなかの迫力でした。(笑)
いろんな意味で。
興味のある方はぜひご覧ください。(笑)
そのほか色々感じたこと
フランスのアルトワ伯爵、意外に普通だった。
っていうか、あまり印象に残らなかったな~。
どちらかと言うとラマールのほうが出番も多いし、目立っていましたね。
この辺りは小池演出で、宝塚の2番手クラス向けにがっつり役を盛っていたんだな、と。
みやちゃん(美弥るりか)も個性的で強烈な印象を残しましたが、なおちゃんにも期待大!です。
あと、ダントン、デムーラン、ロベスピエール。
それぞれに見せ場があって、ぜひこのままの演出でお願いしたいな。
役の比重的には最終的にデムーランが一番大きいから、これをありちゃん(暁千星)に持ってくるのは妥当な選択だな~とあらためて納得。
ダントンもがっつりソロナンバーがあるし、ぴーちゃん(天華えま)には活躍してもらいたい!
ロベスピエールは初演で「影の2番手」と言われていただけあって、というより、イケコがのちにさらりと「ロベスピエールが準主役」的な発言してましたよね。
たしかにオリジナルではとっても目立ちます。
歌うだけでなく、ダンスシーンもあったりして。
きわみくん(極美慎)向けに、どのあたりまで見せ場を残すのかが興味深いです。
あ、フランスのシャーロットちゃん、意外と大きい子が演じていました。
中学生くらいですかね?
東宝版は完全に「子役」って感じの小さな女の子のイメージだったので、ちょっと意外でした。
これなら宝塚版で娘役さんが演じても違和感ないかも。
革命の国の、現代へ続くリアルな物語
先日の制作発表会の席で小池先生が、「世界情勢が安定していない昨今、この物語になっている時代と自分たちの今生きている時代を比べながら、何か感じてくれるといいな」と話していましたが、ほんとうにそうだな、と。
バスティーユ陥落後、物語の最後に出演者たちが口々にフランスの「人権宣言」を読み上げる場面があります。
この場面をじーっと見ながら、聞きながら、いろいろなことを考えさせられました。
sora は昔からヨーロッパの歴史に関心があって、これまでにも色々な歴史に関わる作品を読んだり、観たり、何十か国もの旅をしてきましたが、このフランス革命が現代にもたらした意味は本当に大きなものだったのだと、改めて思います。
フランス革命をもっと知りたい方は、下記の記事を参照してくださいね。
公演を観る前に、あの時代に何が起きていたのかを知っておくだけで、作品への没入感が違ってくると思います。
最後に民衆たちが声高に唱える「人権宣言」には、自由のために立ち上がったフランスの人々の、はかり知れない深い思いが込められているんですよね。
歴史は何を語るのか。
語られた歴史をどう受け止めるのか。
フランスの歴史ミュージカルを、フランスのオリジナル版で観たことによって、あらためてこの作品を観る楽しみ、そして課題がひとつ、増えた気がします。
まとめ
宝塚の舞台を観る楽しみのひとつに、たぶん、宝塚に出会っていなければ知ることのない「歴史」に触れることができること、というのがあります。
様々なかたちで宝塚の舞台に登場する世界の歴史。
演出家の先生たちの、幅広い世界に張り巡らされたアンテナに、いつも尊敬の念を抱いています。
最近で言えば『ディミトリ』もそうでしたね。
歴史の教科書には出てこないような歴史を知るのは本当に楽しいです。
そしてフランス革命のような誰もが一度は学んだことがある歴史でも、こうして出会うたびにまた何かを感じ、その歴史に触れてみたくなります。
皆さまもぜひ、歴史の旅を楽しんでみてくださいね!
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初舞台から現在まで『礼真琴の舞台を振り返る』シリーズ