花組公演『二人だけの戦場』のライブ配信を観ました。
久し振りにこの作品を観ましたが、やっぱり好きだな、これ。
重たさとサラッとした笑いとのバランスも絶妙な正塚ワールドですよね。
懐かしの『二人だけの戦場』
雪組公演、一路真輝&花總まり主演の初演が1994年なので、もうあれから29年の時が過ぎたんですね。
それだけの時が過ぎても色あせない名作。
いっちゃん(一路真輝)の相手役だった紫ともちゃんの退団に伴い、はなちゃん(花總まり)が新嫁に決まって星組から雪組に組替えになった最初の公演だったと記憶しています。
紫ともちゃんがまだ在任中で正式なトップ娘への就任はまだ少し後でしたが、なぜだかすでに劇団からは相手役としての立ち位置を与えられていました。(苦笑)
紫ともちゃんのサヨナラ公演では、ともちゃんが気の毒なくらい「一路&花總」が前面に押し出されていましたっけね。
いつものごとく余談ですが、当時、いわば「救済措置」で前任トップスター杜けあきの後妻に座ったともちゃん。
かりんちょさん(杜けあき)からいっちゃんに代替わりの際、新人時代を一緒に過ごした1期違いで仲の良かったいっちゃんと組みたくて、そのまま「居残った」と言われていたものです。
そのため、劇団はサヨナラ公演でともちゃんを冷遇して「一路&花總」を前面に押し出した、と。
それは、それは、気の毒なサヨナラ公演でした。
でも、それ以上にハナちゃんの存在感ったら。
当時はまだ研3の終わりごろでしたが、やっぱり異次元の光を放っていましたし、絵に描いたような可愛らしい「宝塚の王道」をいく娘役でしたからね~。
この作品でも、いっちゃんとの並びは最高にお似合いで。
え、
そうかっ
はなちゃん、考えてみたらまだ研3だったんだ、、、ライラを演じた時。
やっぱりスゴイな。(笑)
まどかちゃんのライラも可愛らしくて、お芝居にもハートがこもっていて素晴らしいな~と思いましたが、学年を考えると・・・そっか。
でも、逆に考えると、研10のまどかちゃんがあそこまで可愛らしくライラを魅せられるってすごいわ。
れいちゃん(柚香光)のシンクレアも、心のこもったお芝居に感動!
久し振りに、懐かしい初演も見返してみたくなっちゃっいましたね~。
でも、家探ししないとたぶん、見つからないな。(苦笑)
出演者それぞれの印象と感想
とにかく全体的に素晴らしかった!
作品の土台がしっかりしているので、そこに出演者がどこまで息を吹き込めるのか、、、
初演の印象を頭の中で引きずりつつ、不安半分、期待半分の観劇でしたが、れいまどコンビのお芝居の素晴らしさに感服!
シンクレア:柚香光
裁判の場面でたびたび出てくる、中央の回転盤に立つ柚香シンクレア。
あれって、フィギュアですか?(笑)
なにあれ?
カッコ良すぎ。
黒髪に軍服姿が似合いすぎて、のっけから「やだ、好きになっちゃう」って思いました。(笑)
基本「美しいもの」が大好物なのでね。www
士官学校を卒業したての白い軍服がこれまたマブシイ。
そして、訓練の様子をちゃんと「訓練しているみたいに」ダンスで表現するって、やっぱりミュージカルってすごいな~と感心。(笑)
れいちゃんの自然なお芝居がいいですよね。
前半の明るい好青年っぷりが特に似合ってました。
ただ、お歌になると・・・。(苦笑)
声質の問題ではあると思いますが、高音の出し方が「出ない人の出すための技術」を使った歌唱になっていて、聞いていてちょっと苦しいな、と。
お芝居が素晴らしかっただけに、その流れを破壊しかねないお歌が気になりました。
もっとれいちゃんの声にあったキーで歌わせてあげて欲しかった。
特に、ひとこちゃん(永久輝せあ)とのハーモニーが不協和音と化していて、残念。
音を外しているとかではなく、二人の声が重なり合った時の違和感がすごかったんですよね。
あまり感じたことのない感覚。。。
お歌以外はほんとーーーに素晴らしく、正直、れいちゃんでここまでのお芝居を見れると思っていなかったので、びっくりしました。(失礼…)
可愛らしい青年の茶目っ気、士官として理想の世界を思い描く強さ、ライラをへの深い愛情、希望から絶望を経てそれでも進み続ける信念、、、
いろいろなシンクレアのハートがビシバシ伝わってきて、どんどんお芝居に引き込まれました。
どうしよう・・・
こっちゃん(礼真琴)、れいこちゃん(月城かなと)に続き、れいちゃんにまで堕とされるという緊急事態。(笑)
今回のれいちゃんはカッコ良すぎましたぁーーー。
ライラ:星風まどか
ハナちゃんのライラが鮮烈に印象に残っていたので、まどかちゃんにはちょっと「辛口」になるかも~なんて思って見始めましたが、、、
まどかちゃん、れいちゃんに負けず劣らず、素晴らしかったです!
研10で、まだあのキュートさを持ち合わせているというのも、謎レベルなんですけど。(笑)
シンクレアじゃなくても惚れちゃうでしょ、あれは。www
でも可愛らしさだけじゃなく、ロマとして懸命に生きているという強さや、人を愛することの切なさや戸惑い、そして喜び、感情の表現が素晴らしかったな~と。
童顔なので役の幅がどうしても狭くなりがちですが、、、今回はしっかりとキャリアを重ねた芝居心と、元来の可愛らしい雰囲気の相乗効果が功を奏した感じですね。
そして、花組コンビ、れいまど、、、いいですね~♡
前回の本公演『うたかたの恋』のときは、ありがたいことに2列目でナマ観劇しました。

でも、このコンビにま~ったく萌えることはなかったのに、おかしいな。(笑)
作品の力もあったりするんですかね、こういうのって。
クリフォード:永久輝せあ
なんだか、とても「おとな」な印象。
正直いってちょっと違和感感じるくらいのオトナ感。
なんだろう?この感覚。
顔立ちのせい?
それとも彼女の持ち味なの?
れいちゃんの横に並んでお芝居していると、れいちゃんの圧倒的なオーラの陰にスッポリと嵌っちゃっているような印象。
「ひとこちゃん、もっと光を放って!!」って心の中でつぶやいた。(笑)
そして、ちょっ気になったのは裁判の証言台に立っているときのセリフ回し。
「○○ます」って、言葉を締めくくるときの最後の「す」の付け方。
これは演出なのかな?
ちょっとスタッカート入ってるみたいな、、、なんていうの、、、文章では伝えきれないんですけど。
初日映像を見た時から気になっていて。
裁判の場面、全編通してこの言い方だったから演出なのか、癖なのか、どっちだろう?と思いまして。
正塚先生のこだわり演出だったりするのかな?って気もするし。
あと、、、もう少し表情の工夫がほしかったかな。
ときどき人相が「悪いこと考えてる人」みたいに見える瞬間があって、クリフォードの持ち味がうまく表現されてないな~と。
なんか急にひとこちゃんには辛口。(笑)
あ!
でも後半の酒場で下級軍人たちとけんかになって、手元くるった店の女の人からクリフォードがぶったたかれる場面、面白かった♡
誰にも相手にされないひとこちゃんクリフォード、可愛かったです。
あそこ、みんな楽しそうでしたね~。
ノヴァロ:綺城ひか理
sora はかつての花組にいた頃のあかちゃん(綺城ひか理)を意識して見たことがなく、星組への組替えでちゃんと認識した人なので、「帰ってきたんだね~」というよりは「あ~花組にいる~~~」って感じでした。(笑)
でも、ちょっともったいない使い方でしたね。
さすがの存在感で、いや~な奴(!)を演じきってくれましたが、、、
ま、現状のポジション的にはこの配役なんでしょうけれども、アルヴァ辺りであかちゃんを見てみたかったな、と。
希波らいとくんと逆の配役のほうが、個人的にはしっくりきましたね。
なにはともあれ、星組で出会ったあかちゃん、花組での活躍を見守っていきたいと思います!
アルヴァ:希波らいと
あかちゃんと逆のほうが、とは書きましたが、らいとくん個人としての印象は、、、
「シンクレアよりも、クリフォードよりも、うた、うまいじゃん」でしあ。(笑)
まだまだ上級生に比べ、放つ光は弱いですが、声がいいですね!
いま、研7?
歌える男役さんは貴重な存在。
これからが楽しみ。
まとめ
正塚作品と言えば、言葉のチョイスや軽快な言葉のキャッチボールが秀逸ですよね。
ときどき「ん?ちょっとそのセリフはどうなの?」とキワドさに戸惑ったり、「それはちょっと男目線すぎやしませんか?」と反論したくなったり、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、、、(笑)
sora さんは、基本、正塚ワールド嫌いじゃないです。
ここ数年は別箱での再演が続いていますが、そろそろ久し振りに大劇場で新作を見てみたいな~と思う今日この頃。
正塚先生も外部で講師をしたり、いろいろ忙しいのかな。(笑)
