4月25日に宝塚公式ホームページに、掲載された「トップスター礼真琴の休養」のお知らせ。
いや、お知らせなんてものではなかったですね。
博多座公演の案内のボトムに「あ、そういえば、礼真琴は休むからよろしくね」ぐらいな軽さを感じてしまうくらいの、取ってつけたような但し書きでした。
現時点ではもう掲載情報は消えているので、そのときの掲載内容を見たい方は、↓の記事をどうぞ。

そして、5月15日。
本公演『1789-バスティーユの恋人たち-』の取材会と称した場で、こっちゃん(礼真琴)自らのことばで「休養」について語られたわけですが、、、
礼真琴の退団時期は延びたのか?
そもそも劇団が、礼真琴という逸材を短期で手放すわけはない。
これまでにも、110周年前後の集客を見据え、こっちゃんといろんな話し合いを重ねてきてはいるでしょう。
今回の休養については本当に色々な憶測が飛び交っています。
憶測。
そう、すべては憶測。
ただそれらの憶測を、ひとくくりにして「ないわーーー」「ない、ない」と言い切れない自分もいるのは事実かも。
こっちゃんにできる限り長く宝塚にいて欲しいという思いからの邪推。
そして物理的に疑わざるを得ない状況もあったり、ね。
ただ、それ以上でもそれ以下でもない、、、
というか、その部分をどれだけ考えてみたって、当事者が語らない限り答えは永遠にわからないわけで。
いきさつがどうとかの話をしたいわけじゃなく、で、結局この「休養期間」を挟むことで任期は延びたの?ってことが大事。
あとどれくらい宝塚で礼真琴の舞台を楽しむことができるの?って。
sora さんは、この休養が「長期トップ」への覚悟に見えます。
ようやく苦しかったコロナ禍の出口が見えて、これから心機一転、後半戦を戦い抜くための「コンディション作り」かな、と。
なので、やはり早くても2025年以降までは退団しない気がします。
そして、
この異例である「トップスターの休養」ということの持つ意味を、頭の良いこっちゃんなら「必要以上に」理解しているはず。
こっちゃん自身のためだけではなく、自分の後に続くトップさんたちにとって「異例」は「前例」になり、やがて「当たり前」になっていく、とね。
もちろん、スターとして劇団に「必要とされる」存在になること、それは本人の努力次第ですが。
礼真琴を支えてきた人々の退団と異動
長期トップとして約6年間のトップ生活を全うした、こっちゃん憧れのレジェンド柚希礼音でも、任期途中ではかなり「キケン」な時期がありましたよね。
のちにちえちゃん自身の口からも、当時のいろいろな苦しみが語られていましたが、、、はたから見ていて思ったのは、やっぱり「身近で支えてくれる人」の大切さ。
心のよりどころ、相談できる上級生、気を許せる同期生が身近にいてくれることのありがたさ、だよね、と。
頼れる2番手、1期下の凰稀かなめが宙組に異動し、今度は下級生時代から頼りにしてきた上級生、とよこちゃん(涼紫央)が卒業し、、、
ちえちゃんにとっては相当きつかったと思います。
とよこちゃんの卒業に合わせるかのように、宙組から仲良し同期生まーちゃん(十輝いりす)が星組にやってきて、少しずつメンタルも復活していきました。
かつて、相手役の夢咲ねねちゃんが語っていたことばが印象的でした。
ナポレオンを演じているちえちゃんを舞台袖から毎日見ていて、
「トップスターとしてのちえさんの姿が、孤独を背負って戦うナポレオンとオーバーラップしてしまい、背中を見ながら泣きそうになった」と。
先日のなこちゃん(舞空瞳)とこっちゃんのトークを見ながら、もしかしたら、いま、なこちゃんもこっちゃんに対してそんな思いになっているのかも知れないな … とふと、思いました。
この1年で、こっちゃんを取り巻く環境も大きく変わりましたね。
天寿光希・音波みのり の退団
この上級生二人の退団は、こっちゃんにとってはショックが大きかったことと思います。
同時だったのもキツかったですね。
先日も、偶然みつけたネットラジオでこっちゃんについて語っていた元星組の上級生、天寿光希さんのお話を記事にしました。
そして、あらためて、こっちゃんが上級生の優しさに包まれて育ってきたんだな~と温かい気持ちになったのでした。
そして昨日、いまさらではありますが、みっきー(天寿光希)が退団間もない時に出演した日テレ「アプレジェンヌ」の番外編を見てみました。
千秋楽でのこっちゃんからのお花渡しのエピソードを楽しそうに話してくれる一方で、涙を浮かべながらこっちゃんのことを語っているみっきーがいて。
千秋楽の幕が下り、みっきーが化粧前にもどるときにこっちゃんが待っていて、「二人で心行くまでハグしたまま泣きました」と。
後輩であるこっちゃんのことを「ほんとーーーに頼もしかった!」と力強く語るみっきー。
上級生、下級生としてではなく「ひとりの人として尊敬している」とね。
そして「なんでもできるんです」
「でも、それまでには並々ならぬ努力をしていて、それを背中で見せて、ついてこいっ!一緒にやるよっ!って。その指示してくれる道が的確なので・・・」
上級生にこんな風に思ってもらえるって、素敵ですよね。
何よりも、みっきーが目に涙を溜めて語っているのが、こっちゃんとの関係性を表しているような気がします。
みっきーも、こっちゃんも「首席」入団。
みっきーは音楽学校も首席入学という、ほんとーに先頭を走り続けてきた人なので、こっちゃんの気持ちも手に取るようにわかるんでしょうね。
ゆえに、こっちゃんにとってみっきーの存在というのはとてつもなく大きかったと思います。
まさに、ちえちゃんがとよこちゃんを慕っていたのと、同じ環境。
そしてみっきーと同期で、同時退団したはるこちゃん(音波みのり)も、こっちゃんとは下級生時代からほんとーにご縁のある上級生娘役さんでした。
本公演で組むことも多かったですし、別箱でもたくさん共演しました。
そんな二人が同時に卒業してしまったことは、少なからずとも、こっちゃんの心理的バランスに影響を及ぼしていたのではないかと推察します。
頼れる同期・瀬央ゆりあ の専科異動
そして、ここへきて瀬央ゆりあ、専科へ。
なおちゃん(瀬央ゆりあ)が異動になっても、星組にはまだ「ひろ香祐・紫りら」二人の同期生がいるのは幸いでしたが、やはり、ずっと一緒に走り続けてきたなおちゃんの異動は、打撃が大きいのではないでしょうか。
なおちゃん自身もきっとたくさん悩んで異動を受け入れたと思いますし、おそらく、こっちゃんにも相談したんだろうと思います。
これが Best ではなくとも、better であると判断してのことでしょうから、我々としてはこれからのそれぞれの活躍を見守り応援していくことに変わりはないのですが、、、
こっちゃんにとって、振り向けばそこにいた存在がいなくなるのは、本当にキツイことだと思います。
トップスターとしての重責を担うことになって以降、真ん中で一緒に舞台を作ってきた存在であるがゆえに、その「空虚」感はいかばかりかと。
特に、なおちゃんは「太陽」のような人だからねぇ、、、
星組になおちゃんがいないって、どんな感じなの?
まったく想像つかないけど。(笑)
重責の中での「ひと」環境の変化はキツイ
頼れる上級生や当たり前に隣にいてくれた同期生が近くにいなくなることで、気持ちのバランスがうまくコントロールできなくなっちゃってるかも、、、と心配しています。
そういうときって、いつもは何でもなかったことに「ポキッ」と心が折れちゃうことがある、うん。
もちろん、プロとして「セルフ・メンタル・マネージメント」は必要なことですが、そこはやはり生身の人間なのでね。
実は sora さんも、企業で数十人の上に立つ管理職を10年ほど経験しています。
宝塚でいえば組長さんやトップさんみたいな立ち位置。
もちろん宝塚のトップスターのように存在自体が「商品」であるわけではありませんが、、、
業界・業種は違っても、上に立つ者の「孤独」は同じです。
二人三脚で頑張ってきた一番身近な存在が、あるとき突然配置換えでいなくなったことがありました。
その現実を受け入れるまでに数か月はかかったことを覚えています。
組織にとってのいち大事。
だからと言って仕事は止められません。
やるしかない。
やれるか、やれないか、ではなく、、、
やるしかない、のです。
誰も自分の代わりに「やってくれる人」はいないから。
そこには組織の長として「責任」の二文字が重~くのしかかっていました、、、。
そして気持ちのコントロールがうまくできなくなり、とってもしんどかったという経験があります。
でも、
今ならわかるんです。
「声をあげること」の大切さ。
目の前の忙しさに追われて、自分らしさを見失ってはだめ。
あきらめずに「声をあげること」こそが、責任ある働き方なんじゃないかな、と。
だから、こっちゃんが「異例」と言われながらも今回のように「休養」をとることができ、本当に良かったです。
かつて、天海祐希が多くの「悪しき習慣」「不要な伝統」に物申して内部改革をしたように、(いきさつはどうであれ)今回のこっちゃんの休養宣言が、宝塚のこれまでの「トップスターを酷使する」スター制度に一石を投じる結果となればいいですね。
まとめ
きょうは少々まじめに語ってみましたが、、、
要するに、
こっちゃんは、ようやく「折り返し地点だよね」ってことです。(笑)
いろいろな思いを抱えながら「休養」することを決意したのだろうと思いますが、それがポジティブな「覚悟」なのではないかということ。
そして、この「異例」が近いうちに「前例」になり、時間をかけて「当たり前」になっていくであろうということ。
さて、そろそろムラ遠征の準備でも始めるとするかな。♡

