全国各地で連日のように、新型コロナウィルス感染者数が過去最高を記録し続けています。
東京都の感染者数の推移を見てみると、2022年1月1日には79人であったにもかかわらず、3日後の1月4日にはほぼ倍数の151人、7日に922人、12日には一気に2,000人を超え、その後1日ごとに3,000人、4,000人とけた外れに増加し続け、この記事を書いている15日は、4,561人の感染者が確認されています。

海外でオミクロン株が猛威を振るい始めていた当初から、その感染力の強さについては多く語られていましたが、なぜ、ここまで急激に拡大しているのでしょうか。
日本人は、感染者数が一桁に落ち着いていた時期ですら全国的にマスクを装着し、手洗いや消毒を神経質なくらいに行っている国民性。
それでもいま、倍々に増え続けている感染者数が確認されているのにはどんな原因が考えられるのか?それは、やはりオミクロン株特有の症状にあるように思います。
オミクロン株の初期症状はインフルエンザに似ている?
オミクロン株は、これまでのデルタ株などの他株より感染してから発症するまでの潜伏期間が短いと言われており、そのため感染者増加のスピードも、より速まっているのではないかという推察がされています。
オミクロン株の潜伏期間については、沖縄県で行われた積極的疫学調査の暫定的データによると3日程度であるそうです。
オミクロン株以外ではおおよそ4.8日と言われているので、より短くなっているのがわかりますね。
そして、沖縄県で医療に従事している医師の見解がテレビで紹介されていましたが、オミクロン株はインフルエンザの症状に近く、区別するのは非常に難しいとのことです。
風邪の症状に似ているということもよく言われていますよね。
この医師によると、同じ新型コロナのデルタ株とインフルエンザのいずれかとオミクロンを比較した場合、どちらかというとインフルエンザの症状のほうに酷似しているとのことで、ほとんどの感染患者さんが軽症、人工呼吸器を装着するような重症患者は今のところ発生していないそうです。(※あくまでもこの医師の知る範囲という意味です)
そして、このオミクロン株の症状の特徴として、このところよく言われているのが「のどの痛み」「のどのかすれ」です。
38度を超える高熱に加えて咽頭痛を訴える患者さんが多いということです。これまでの新型コロナウィルスの特徴では「味覚・嗅覚」の異常を訴える方が多かったのに比べ、オミクロンではこの「のどの痛み」が主流となっている印象があります。
テレビの報道でも、入院患者さんが「のどが痛い」と訴えるのに対し、医師が「今回のオミクロンではのどが痛くなるのが特徴なんですよ」「のどが痛くて食事できないと入院される方も多いんですよ」と話していました。
のどの痛みを感じたら、勇気を持ってPCR検査を!
これらの話を裏付けるようなリアルな話がCKの周りでも実際に起こりました。
その人は、これといった体調不良は感じていなかったものの、ある朝なんとなく「声が出し辛い」と感じたそうです。
そのままいつもと変わらない1日を過ごしていたものの、夕方になって発熱、このような時期ですので念のためその日の夜に受診しました。
診察結果は「急性咽頭炎」。そしてその際に医師に言われたのが「明日以降も熱が下がらないようだったら、インフルエンザの検査をしてみたほうがいいかも」ということでした。
インフルエンザも症状が出てすぐには反応がでないことが多いので、一日様子を見て検査をしましょうということだったのでしょうね。
翌日は解熱剤を服用しながら1日過ごしましたが、一時的に薬で熱は下がるものの、薬が切れるとまた38度まで上がるということを繰り返し、喉の痛みも悪化していました。
急性咽頭炎と診断されてから2日後の朝、さらに尋常ではないのどの痛みを感じ、これはただの急性咽頭炎ではないと強い不安を感じたその人は、自身の判断でPCR検査をしてくれる医療機関に予約を入れ、その日の午後に検査を受けたところ陽性となり、その場で新型コロナウィルスへの感染が確認されたのです。
身近でこのようなリアルな事例が起こっているので、ここ最近のオミクロンに関するニュースを目にするたび、軽い症状でも「甘く見てはいけない!」と自分に言い聞かせています。
特に、のどの痛みはなんとなく「大きな声を出しすぎたかな?」とか「乾燥してるからかな?」と軽く考えてスルーしてしまいがちです。
でも、オミクロン株は喉の症状を発症するケースが多いことをしっかり理解しておきましょう。
3回目のワクチン接種はオミクロン株に有効なのか?

海外では既に進んでいる3回目のワクチン接種。果たして追加のワクチン接種によってオミクロン株への感染は防げるのでしょうか?現在、拡大し続けている感染者の中でも2回接種済みの人(ブレークスルー)の人の割合が高くなっています。
これだけブレイクスルーが起こっていると、「ワクチンには効果がないのでは?」「受けても意味がないのでは?」とつい考えてしまいますよね。
もちろんワクチンを接種したからと言って100%の発症予防効果があるわけではありませんし、ウィルスの変異によって効果は限定的になっていきます。
また、時間経過によってその効果が下降していくことも報告されています。
実はCKも、頑張って2回のワクチン接種をクリアしたのに、え、また3回目打つの?な気持ちでいる一人。
副作用の恐怖が先に立ってしまい、知り合いの医師に思わず「打つ意味ある?」とか聞いてしまいましたが(笑)、即答で 「打ったほうがいい」と言われました。
では、3回目のワクチン接種を受けることでどんな効果があるのでしょうか?オミクロン株への感染を回避することができるのでしょうか?
ワクチンを開発したアメリカのモデルナ社は、2021年12月に、自社製の新型コロナウイルスワクチンがオミクロン株に対しどの程度の効果があるのかについて、初期的な実験結果を公表しました。
それによると、ワクチンを2回接種した人の血液の中では、これまでの変異株に比べオミクロン株に対してはウィルスの働きを弱める中和抗体の効果が低下していたとのこと。
しかしながら、3回目の追加接種を行った後では中和抗体の効果が大幅に上昇したと言います。
日本で3回目の接種に使われる50マイクログラムの接種では約37倍、初回と2回目の接種で使用された100マイクログラムであれば約83倍の効果が確認されたということです。
また、アメリカのファイザー社とドイツのビオンテック社も、共同で開発したオミクロン株に対するワクチンの効果について実験結果を発表し、ワクチンを2回接種済みの人が3回目の接種を受けたことで、血液中にある中和抗体の効果は、従来のウイルスに対する場合と比べ25倍になったとしています。
これらの数字を見る限りでは、やはり積極的に3回目の接種を受ける必要性を感じますね。
まとめ
オミクロン株について全く未知であったときには、ただただ恐怖を感じていましたが、少しずつ研究が進み様々なことがわかってきました。
特に、感染していたとしても無症状であったり、風邪やインフルエンザに似た症状が多いことで見逃されている可能性が高かったりすることで、気づかないうちに他人にも感染させてしまっているかも知れないという怖さを強く懸念します。
自分が「感染してもどうせ軽症だから」「風邪とかわらないよね」と言ってこの新型コロナウィルス感染症を恐れないというのは間違いだと思います。
世の中には様々な病気で戦っていたり、高齢の人だったり、ひとたび感染してしまうと重症化するリスクの高い人もいます。
また、マスクの装着などの感染症予防が体質的に難しい人もいます。
このまま感染が拡がり続ければ、いつか自分も周りの他人に「うつしてしまうかも知れない」、もっと言えば他人の「人生を奪ってしまうかも知れない」という怖さを一人ひとりが想像しながら、自覚を持った行動をしていきたいものですね。
あわせて読みたい『新型コロナウィルス感染症』