リスボンから始まったポルトガルの旅シリーズも10回目、今回のコインブラで最終回を迎えます。
足かけ8日間のポルトガルの旅でしたが、雨に降られまくりつつも、行きたかった場所は網羅し、充実した旅立ったな~と改めて振り返りながら感じています。
今回ご紹介するコインブラは、2日目に訪れたアルコバサで紹介した『ペドロ王とイネスの悲恋物語』の舞台となった場所。
そして、ポルトガル最古の大学があることでも知られています。
その大学を中心に広がる小さな町ですが、歴史を肌で感じることのできる魅力的な町です。
悲恋物語の舞台、コインブラへ
ポルトで2泊を過ごし、ついに最終目的地へ出発します。
コインブラへは列車のダイヤの都合上、最速のALFAではなく、ワンランク下のICを利用します。
ポルトのカンパニャン駅からコインブラまでの所要時間にはさほど差はなく、ICでもおおよそ1時間程度で到着します。
いわば、名古屋↔大阪 程度の距離を新幹線こだま号で移動するイメージですかね。
5つ星ホテルの朝食
この日の電車は朝9時少し前だったので、ホテルの出発は8時の予定。
昨日は食べられなかった5つ星ホテルの朝食ですが、今日はなんとか食べられます!
荷物を全部持ってロビーへ降り、荷物はレストランの脇に置いて朝食へ。
とっても期待していた朝食でしたが …
たいしたことなくで、ちょっとがっかり。(笑)
リスボンのホテルの方が充実した内容でした。
期待が過ぎたようですね。www
英語が通じた!喜びの朝
カンパニャン駅までは、地下鉄を乗り継いで向かいますが、最寄り駅には多くの鉄道がの入り入れていて、どの電車に乗ればよいのかわからない!
駅に着いたときに、ちょうど電車が入ってきたものの、乗っていいの?ダメなの?
カンパニャン駅からのICは座席指定の予約列車のため、遅れては大変と、気持ちだけが焦ります。
で、とにかくその場にいた地元の人らしき女性に英語で話しかけてみました。
「この電車って、カンパニャンに行きますか?」
これまでの英語通じる度が低かったこの国なので、とりあえずのチャレンジでしたが、若い人をつかまえたのが良かったのか、通じたのです!
一発で回答が返ってきて、感動。(笑)
目の前の電車に乗って大丈夫とのこと。
「でも、カンパニャンが終着じゃないから気を付けてね」
と親切なひと言までもらい、彼女が女神に見えました。www
sora たちは慌てて電車に飛び乗って、そのアドバイスを胸に、社内の路線図とにらめっこ。
そうこうしている間に、さきほどホームで教えてくれた女性が同じ電車に乗っていたようで、近づいてきました。
sora たちが頼りなさげに路線図を見上げていて、心配してくれたのでしょうね。
わざわざ横に来て、路線図を指差して一緒に確認してくれたのです。
なんと親切な!まさに女神!
ポルトの地下鉄も、とってもきれいでした。
乗り降りするときは、自分でこの黄色いボタンを押します。
この写真は列車の内側のボタンで、外側にも同じようにボタンが付いています。
日本でもたまにありますね、こういうボタン式。
でも、sora の地元では見かけない電車タイプで、その昔、関西で初めてこのタイプの電車に出くわしたときには戸惑いました。
ホームに止まってるのに扉が開いてない!!!って。(笑)
それはさておき、ホテルを出たときにはお天気が良かったのに、カンパニャン駅に到着したらまさかのこの濃霧。
駅がハッキリ見えないくらいの霧で、お天気は不安ですがとっても神秘的な雰囲気で、時間のない中、思わず立ち止まって撮った1枚です。
ポルトのカンパニャン駅から乗ったICでは、出発のアナウンスもないまま静か~に動き出し、車内でも停車駅等の案内もごくたま~にあるくらい。
目的地のコインブラは終着駅でなく、電車はリスボン行きの長距離ICだったので、うっかり降り損ねては大変!
けっこうな緊張感の中、「1時間」という所要時間と「到着予定時刻」を目安に、停車駅を確認しつつと言った感じです。
こうした所要時間と到着時刻を目安に、降車駅を確認するという鉄道利用の仕方は、sora がイギリス留学中にもよくしていましたし、ヨーロッパで鉄道を利用するときはマスト。
英語が聞き取れなかったり、アナウンスが無かったり、そんなことは茶飯事なので、自己責任で必死です!
ま、時間通りじゃないことも多いので、けっこうスリリングなこともありますが。(笑)
ポルトガル最古の大学と共に発展した「コインブラ」
政治のリスボン、商業のポルト、そしてこのコインブラは文化の中心であると言われています。
丘の上のコインブラ大学を中心に広がり、半日もあれば回れてしまうような小さな町ですが、ポルトガルの歴史の中では大きな役割を果たしてきたといいます。
特に、多くの政治家や文化人を輩出してきたコインブラ大学は、リスボン大学が設立される以前は国内最高峰、学術の中心地でした。
そして、何度もこの旅行記でも紹介している「ペデロ王と侍女イネスの悲恋物語」も、この町が舞台となっています。
宿泊先は歴史あるマナーハウス
ICは10時ごろ、コインブラB駅に到着。
ここから町の中心部までは電車で5分くらいの距離です。
とりあえず切符を購入するため駅の窓口へ行き、「コインブラ駅まで」と伝えると、ICからの乗り継ぎであればそのまま乗り継ぎOKとのこと。
新幹線の都内とか市内乗り継ぎOKと一緒ですね。
ガラーンとしたホームで待つこと約10分、やって来たローカル線に乗ってコインブラ駅へ向かいました。
コインブラ駅までは5分でしたが、その駅から宿泊先のホテルまでは徒歩20分。
場所は事前に Google earth で予習していたので、迷うことなく行くことはできたのですが、道がよろしくない。
ガラガラとスーツケースを転がしながら、駅からサンタ・クララ橋を渡り、途中から歩道がボコボコの悪道に。
しかも秋の終わりで歩道は一面落ち葉が敷き詰められ、それが雨で湿っているものだから、スーツケースのタイヤに絡まりまくって、超絶イライラ!
何度も立ち止まって葉っぱを払い、二人はもう無言。(笑)
でもなんとか予定の時間にホテルの門に到着でしました。
立派な門構え、なにやら素敵な雰囲気です。
ゲートの向こうのこの門、普段は閉まっていて、外からはドアフォンでフロントに知らせて開けてもらい、内側からは門に近づくと自動で開くようになっていました。
このときはたまたま中から車が出てきたので、そのスキに一緒に入り込みました。www
門から長いアプローチを、ふたつのスーツケースを転がす大騒音を奏でながら進んでいると、中からボーイさんが出てきて、荷物を運んでくれました。
フロントまで騒音が響き渡ってたんですね、きっと。(笑)
上の写真の左側は、ホテルの建物を背にして見たアプローチで、突き当りが門です。
今日のホテルは『QUINTA DAS LAGRIMAS』です。
当時は4つ星 ホテルでしたが、現在は5つ星 に格上げされているようです。
このホテルは、ペデロ王とイネスの悲恋物語の舞台となった、とてもロマンチックな雰囲気のマナーハウス。
植物園のような広大な園庭に囲まれていて、庭園には悲恋物語ゆかりの恋人たちの泉や、涙の泉があります。
ホテルに到着したのは午前中だったので、荷物だけ預かってもらって観光に出かけようと思っていたのですが、ここのサービスは最高でしたね~。
チェックイン時間のずいぶん前の到着にもかかわらず、当たり前のようにチェックインの手続きを進めてくれたのはもちろんのこと、なんと、部屋まで選んでいいよ、と。
サイトを通じて予約していたのですが、フロントのお姉さんが「予約が入っている部屋はココなんだけど、こちらの部屋も用意できるので、両方見てから好きな部屋を選んでもいいわよ」と。
そして sora たちは親切なボーイさんに案内され、ふたつの部屋を見学。
その結果、テラスに面していて、ダブルシンクのあるお部屋に決めました。
ヨーロッパでは珍しい、トイレも独立型だったのもポイント!
マナーハウスなだけに、廊下にアンティークなミシンが置いてあったり、インテリアはそこもかしこもクラシック。
中庭を囲むように客室があり、向かって右側の真ん中あたりが sora たちのお部屋でした。
これは宿泊していたホテル(マナーハウス)の廊下です。
コインブラの悲恋物語は世界中で舞台やドラマ、ポエムや歌の題材として使われているようで、そのポスターや案内のチラシ等が廊下にズラリと飾られていました。
そして、なんとここには 宝塚歌劇『コインブラ物語』のポスターも。
sora がこの悲恋物語を知ったきっかけとなったのが、宝塚歌劇のこの作品だったこともあり、なんだか感慨深かったです。
ペドロ王とイネス、ゆかりの場所を訪ねて
コインブラの滞在はこの1日のみで、明日にはリスボンへ戻ってそのままフライトです。
部屋に荷物を置いたら、さっそく観光開始!
まずは、念願であった悲恋物語の舞台巡りからスタートしました。
と言っても、このマナーハウス自体が、イネスが住んでいたとされる「涙の館」。
ポルトガルの旅を計画した時に、ぜったいここに泊まりたい!!と、sora の譲れない「こだわり」だったのです。(少々値は張りますが…)
そして、このマナーハウスの広大な庭園にゆかりの場所があるので、観光はこの庭園の散策から始まります。
とにかく、ゴルフ場ですか!?なくらい、だだっ広いお庭です。
因みに写真の丸いのは池?みたいな感じでしたが、決してゴルフ場ではありません。
正しくは「でした」と過去形かも知れません。
というのも、今のホテルのHPにはなんとゴルフコースの案内がある。(笑)
わずか10年の間に、かなり色々整備されたんですね。
恋人たちの泉
かつてペドロ王とイネスが愛を語り合ったという、恋人たちの泉。
今はご覧のように廃墟となっていて、ひっそりと森の中に壁一枚だけが残っています。
どこに泉があったんでしょうね?
跡形もなく、といった感じですが、このアーチが中世の雰囲気を思い起こさせます。
涙の泉
イネスがの喉を切られ、殺されたと伝えられる場所がここ。
この泉の底にある赤い石は、そのときのイネスの血で染まったとの言い伝えがあります。
泉の脇の石碑には、詩人カモンイスの「ウズ・ル・ジアダス」の一節が刻まれています。
モンテゴの妖精たちは涙を流し続け
彼女の悲しい死を記憶に刻み込んだ
そして永遠の記憶を求めて
流された涙は美しい泉となった
あの処刑の場所にできた泉に
妖精たちは
イネスの愛という名を付けた
泉はいまでも湧き続けている
見よ、なんと清らかな泉が
花々に水を与えていることか
愛という名の泉から流れる涙の水を
今回の旅のテーマ、メインはいくつかありましたが、このコインブラ悲恋物語の舞台を訪れることがその一つ、大きなテーマだったので、とにかくこの場に自分が立っていることに感動でした!
ただ、やはり、いまも二人が向かい合って眠るアルコバサ修道院で、二人の棺に対面することができなかったのが悔やまれます。
何度も気軽に来られる場所ではないので、あらかじめ日曜ミサがわかっていれば…。
もう二度と訪れることがない確率の方が高いので、いまだにこのことを思い出すと残念な思いがよみがえってきます。
コインブラ市内へ
ホテルの庭園をじっくりと見学しすぎたため、予定より30分おしでやっと町へ。
最後まで、毎日の心配の種だったお天気は幸い快晴!!
sora たちはご機嫌で傘持たず。
ま、ポルトではこれと同じ状況で、見事に雨に降られたわけですが。(笑)
とにもかくにも、スーツケースと格闘しながら来た同じ道を、今度は再び町へと向けて進みます。
旧サンタ・クララ修道院
1286年に建立され、かつてはコインブラの守護聖人となったイザベル王妃の棺が納められていたと言います。
しかしながら度重なるモンデゴ川の洪水によって17世紀に修道院は閉鎖に追い込まれました。
その後はすっかり荒れ果ててしまいましたが、長い時間をかけて改修工事が行われ、2009年に修復が終わりました。
また、悲恋物語の主人公イネスの遺体は、アルコバサ修道院に移されるまではこの修道院に安置されていたといいます。
見どころは旧市街に集中
サンタ・クララ橋を渡った向こう側に、見どころが集中している旧市街があります。
橋の手前からは、川を隔てて美しいコインブラの旧市街の町並みが一望できます。
とにかく眺めが最高です!!
橋の真ん中からはこんな風景が望めます。
旧市街側から橋の向こう岸を見ると、こんな感じです。
穏やかな川面が鏡のようです。
コインブラの観光は実質半日もありませんでしたが、それでも時間がたっぷり余るくらいこじんまりしています。
あっちフラフラ、こっちフラフラ、それでも、もう時間潰しの限界!!って感じになってしまい、結局は日没前にホテルに戻ってましたね。(笑)
サンタ・クルス修道院
1131年に、アフォンソ・エンリケスによって建てられ、16世紀にマヌエル1世が大規模な改築を行いました。
sora たちは中に入りませんでしたが、本堂の左側にある説教壇は、ニコラ・シャンテレーネという芸術家によるもので、ポルトガル・ルネッサンス彫刻の傑作と言われています。
そして祭壇の両側にはアルフォンソ王と、息子のサンショ1世の墓があります。
サンタ・ルクス修道院の隣にあるカフェで、1530年に建てられた教会が利用されています。
重厚な石造りの店内はとても雰囲気があり、つい長居したくなります。
ここで、リスボンで食べた以来の「エッグタルト」と、ポルトガル式の濃~いコーヒーをいただきました。
美味!!♡
サンタ・ルクス修道院の周辺は少々雑然としていて、なんだか妙に「ポルトガルに来たな~」と思わせてくれます。(笑)
次の目的地、コインブラ大学へ向かうために教会から離れると、町の風景もまた少し表情を変えます。
町はすっかり色づいて、紅葉真っ盛り。
コインブラ大学
コインブラに初めて大学が設置されたのは1308年。
1290年にデニス王によってリスボンに設立された大学が、ここコインブラに移転されたことが始まります。
この長い長い階段を上ると、コインブラ大学です。
上りきったところで振り返ると、かなりの高さがあるので怖いくらい。
ちょうどお昼時だったせいか、キャンパス内の階段でくつろいでいる学生さんたちが大勢いました。
現在の大学は新・旧に分かれていて、みどころは旧大学。
鉄の門(無情の門)をくぐると、中庭を囲むようにして旧大学の建物が並んでおり、内部にも入ることができ、ラテン回廊、図書館、時計塔などを見学することができます。
(左)鉄の門(中)コインブラの町を見下ろすデニス王(右)回廊
旧大学と言ってもまだ現役。
各教室では講義の開始を待つ学生たちが、カフェでは友人とおしゃべりを楽しむ学生たちが、それぞれの時間を過ごしていました。
中庭はとにかく、だだっ広いです。
中庭を端から端まで歩くだけでもけっこうな時間がかかります。
中庭の突き当りからは、コインブラの町に流れる美しい川の風景を望むこともできます。
大学から下りながら旧市街の散策
大学から急な坂を下って来ると、周辺一帯に旧市街が広がっています。
印象としては、とにかく「古い町」です。
旧市街なので、古いのが当たり前ですが、にしてもときにはボロボロと言った表現がピッタリの建物に出くわします。
廃墟のようになっている建物も少なくなく、夜間にここを歩くとスリル満点でしょうね。
新カテドラル
イエズス会のコレジオ付属教会として、1598年に建設が開始され、完成するまでには1世紀もの時間を費やしたといいます。
旧カテドラル
アフォンソ・エンリケスによって1162年に建立されたロマネスク様式の教会。
かつて内部はスペインのセビリアから運ばれたイスバノ・アラブのタイルで覆われていたといいますが、今はわずかに一部が残っているだけです。
また、このカテドラルはポルトガルで最も古いとされる、13世紀建造のゴシック様式の回廊を持っています。
アルメディーナ門
中世のコインブラは、貴族と聖職者が住むアルタ・アルメディーナ地区と、川沿いの商工業者が多く住むバイシャ地区のふたつの地域に分かれていました。
その二つの地区を区切っていたのが、現在「アルメディーナ門」として残るこの城壁です。
時間を持て余す …
ひと通りの見学、散策を終え、コインブラのメインストリートに戻ってきましたが、まだ日も高く、時間はたっぷり。
さて、どうしましょうか。
ひとまず近隣をブラブラ。
そして、コインブラ大学へ向かう途中に見えていた市場のようなところを見に行ってみようということになり、ゆるい坂を少し上った先のマーケットへ。
中へ入ってみると、人もいなくて閑散としていました。
市場なので、この時間ではやってないのは仕方がないですね。
でもせっかくなので、往生際悪く、ひと回り。(笑)
ものすごく、魚臭かったです!!
並んでいたお店の様子から、魚、肉、野菜、果物、衣類、なんでも何でも揃いそうな市場でした。
このままホテルに戻るのももったいないとは思いましたが、翌日はリスボンへ戻りそのまま日本への長距離フライト。
旧市街の小さなお店で夕食用のお惣菜を買い、ぼちぼちホテルへ帰ることにしました。
せっかくなので、来た道とは違う道を通ってみたら、旧市街の歴史以外にも、いろんな自然の風景に出会いました。
そうそう、川辺ではガァコちゃんたちの大群に遭遇。
最初はかわいいね~なんて眺めていたら、実はヤツら、クセモノだったんです!
このガァコちゃんたちの大群を抜けて向こう側へ進みたい sora たちが、群れに近づいたその瞬間、一斉に sora をめがけて寄ってきたのです。
ぎゃぁーーーっ!
どうやら sora が、手に持っていたお惣菜から食べ物の匂いをまき散らしていたようです。
これだけのガァコの大群に寄って来られると結構な迫力で、しかもガァガァ騒ぎながら迫って来るから、さすがに恐怖です …
でも、その後ろの川面に光る夕陽がとても美しかったです♡
この川沿いに広がる公園からは、高台にあるコインブラ大学が望めます。
向かって左側が旧大学、右側が新大学の校舎です。
こうして見るとやっぱり大きいですね。
そして、川を渡った向こう岸から最後にもう一枚。
いざ、日本へ
あっという間にポルトガルの旅も終わりを迎えようとしています。出発の朝は、気持~ちゆっくりめの朝。
この1週間は毎日、毎日、朝早くホテルを出ての観光だったので、最後はゆったりと朝食をいただきました。
このホテル(マナーハウス)は雰囲気もサービスも最高で、1泊しかできなかったのが残念。
バラエティに富んだおいしいパンを沢山食べたら、さあ、現実という名の日本へ向けて、長い旅路の始まりです。
コインブラからリスボンへ
コインブラ駅までの道のりを、来た時と同じようにガラガラとスーツケースをひいて歩くわけですが …
ちょっと忘れかけてました。
sora が伝説の「雨女」だということを。
道すがら、やっぱり雨が降り出しました。(笑)
結局、途中から右手にスーツケースを、左手に傘を握りしめ、ため息交じりにとぼとぼ歩く羽目になりました。

左の写真は前日のため、快晴!
右の写真は駅舎に入る前に当日撮った写真ですが、雨が確かに降ってたのに、青空が見えているのはなぜ…。
ポルトガルでは、たびたびこういう風景を目にすることがありましたね。
さて、本日の予定は、コインブラ駅からコインブラB駅へ移動し、そこからICでリスボン・オリエンテ駅へ。
オリエンテ駅からは地下鉄に乗り換えてリスボン国際空港に向かい、数時間後にはポルトガルを後にします。
リスボンからはロンドンでトランジット、そして成田へ向かいます。
コインブラB駅からのICは、この旅はじめての1等車を利用。
車両の真ん中のシートを予約したのでテーブルは付いていましたが、感想としては … 新幹線以下かも。(笑)
たぶんALFAの1等車ならもう少し立派で納得いく車両だったのだと思います。
ま、そもそもポルトガル鉄道は、1等車と言ってもそれなりに安価ではあるため、こんなもんかと諦めもつきますが。
最後の最後まで、ドタバタの旅
フライト当日に都市間移動をして空港へ向かうのは、正直、リスクがあるので避けたいところですが、効率よく観光をするにはこのルートがベスト。
今回はリスボンに滞在して近隣の町を日帰りで訪れ、その後にポルトへ一気に北上。
そこからまた近隣含め観光してからコインブラに南下、リスボンへ戻りました。
ポルトガルの東側や北端側へは行くことができませんでしたが、多くの町を訪問することができたので、大満足の旅となりました!!
リスボン空港へは、離陸の3時間前に無事到着できたので、ここも問題なし。
この3時間の待ち時間、制限エリアのショップがけっこう充実していて、じっくりショッピングを楽しめます!
本当はトランジットのロンドン・ヒースロー空港で買い物をしたかったのですが、乗り換え時間が短く、しかもターミナルの移動があるためこの時点で断念、ポルトガルの空港でのショッピングにシフトチェンジしました。
が!がっ!!ですよ。
のんきにお買い物をしていたのが運の尽き。
シェンゲン協定(The Schengen Agreement)の存在自体はもちろん理解していて、イギリスでのトランジットには出入国審査があることは承知していたのですが、これがクセモノでした。
基本的にこのシェンゲン協定によってEU間の出入国については、審査が簡素化(省略)されており、パスポートコントロールがありません。
そのため、ポルトガルからEU各国へのフライトの場合、荷物検査を通るとそこにパスポートコントロールのブースはなく、そのまま免税品売り場です。
つまり、国際線でありながらも国内線のような扱いなのです。
これが落とし穴でした。
この当時のイギリスはまだEU加盟国でしたが、もともとこのシェンゲン協定には署名していなかったため、出入国審査は普通に行われます。
が、sora たちが利用したこのときのターミナルは、近距離フライト、つまりほとんどがEU行きの飛行機が利用しているターミナルだったため、イギリス行きの便を利用する場合も、荷物検査を通ったら、目の前に免税品エリアが広がっているのです。
あれ?
出国の時はパスポートコントロールはなかったんだっけ??
このときは深く考えもせず、搭乗時間に特に余裕を持たせることもなく、呑気にショッピングしてから搭乗口のあるゲートへ向かいました。
そしたら、あったんですよ、目の前に突然のパスポートコントロールが!!!
しかも大行列のオマケ付き。
絶望感が漂う二人…。
搭乗にあわせてゲート前で、とかじゃなく、ゲートにも辿り着いていない場所で突然パスポートコントロールのブースが現れるという…ね。(苦笑)
も~ソワソワ、ドキドキ、心臓バクバクさせながら大行列に並ぶしかなく、生きた心地がしませんでしたね~。
ようやくその大行列のパスポートコントロールを抜け、出発ゲートに到着したときには既に搭乗が開始されていて、お客さんもまばらな状態。
なんとかギリギリ滑り込んでセーフ!でした。
3時間も前に空港に到着していたにもかかわらず、結局、最後は猛烈ダッシュ!で、間もなく冬だというのに、汗だくになりながらの搭乗となったのでした …。(笑)
みなさま、リスボンからロンドンへフライトする際にはご注意くださいね!
旅の終わりに
8日間のポルトガルの旅を全10回のシリーズでご紹介してきましたが、ポルトガルの魅力が伝わったでしょうか?
今回の旅で訪れた町は13か所。
- リスボン
- オドビス
- アルコバサ
- ナザレ
- バターリャ
- ファティマ
- シントラ
- ロカ岬
- カスカイス
- ポルト
- アマランテ
- ギマランイス
- コインブラ
もっと行きたい場所はありましたが、6泊8日の旅ではこのくらいが限界だと思います。
でも、複数の国をツアーリングするのではなく、1か国を計画的にじっくり観光することの楽しさを改めて実感した旅となりました!
なかなか自分で計画を立てて個人旅行をするのは、ことばの問題、経験値、それなりにハードルが高いかも知れませんが、みなさまもぜひ、機会があればゆっくりポルトガルを旅してみて下さい!
あ、でも、雨女がオフシーズン狙って雨季に旅すると、本当にず~っと雨が降り続けますのでご注意くださいませ。(笑)
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