2度のトランジットを経て、家を出てから24時間以上かけてたどり着いたポルトガル。
ずっと温めていた念願のポルトガルの旅は、観光初日から大雨に降られ、せっかっく朝早く出発したのに市電通行止めにあって結局時間は圧し、さらにデジカメはストライキを起こして機能せずと、幸先あまりよくないスタートとなりましたが…
おいしい「エッグタルト(Pastel de Nata)」も食べたことですし、気を取り直して旅の続きをお届けします。
最も古い町並みが残るアルファマ地区へ
リスボンの中心街の東側に広がるアルファマ地区には、リスボンで最も古い町並みが今も残されています。
丘の上には城跡、そのふもとには迷路のように広がる路地が入り組み、「リスボンの下町」とよばれているそうです。
坂・坂・坂、リスボンは坂と階段の町
sora たちはひとまず、ベレンから市電に乗ってリスボン観光の出発地点フィゲイラ広場に戻り、そこから市バスに乗り換え丘の上のサン・ジョルジェ城へ向かうことにしました。
急な坂の続くリスボンの町をグイグイと上がって行く小型バス。
これを歩いて上るのは「ヘビーウォーカー」の私でも、さすがにカンベンというレベル。
このサン・ジョルジェ城へ向かう道だけでなく、リスボンは町全体がこんな感じなので、なるほど名物のケーブルカーは必要だよね … と納得です。
城の見学後は徒歩で旧市街を散策しながら下ってきましたが、この生活道にも急勾配の坂や長い階段がい~っぱい。
ずっとここで生活している人たちは、買い物ひとつ行くにも大変なんだろうな~と想像しながら歩いたのを思い出します。
サン・ジョルジェ城
このサン・ジョルジェ城は、ユリウス・カエサルの時代、ローマ人によって要塞として建設されたお城です。
最初に要塞化されたのは、紀元前2世紀頃であると言われていますが、考古学の調査によれば、少なくとも紀元前6世紀までにはフェニキア人、古代ギリシャ人、カルタゴ人の影響をうけて、ケルト人とイベリア人が占領していたようです。
のちに、古代ローマ帝国、スエビ族、西ゴート王国、ムーア人など、次々に支配者が変わったといいます。
かなりの高台に位置していますので、ここから見下ろすリスボンの町並みは絶景です!
… と言いたいところですが、ご覧の通りの雨模様。
目下は一面の霧。
残念ながらこの日はこんな、どよ~~~~んとした風景しか観られませんでした。
晴れていれば、ここからリスボンの町並みとテージョ川が見渡せるとの前情報でしたが、え~っとテージョ川、どこでしょう!?(笑)
たぶん真っ白な霧のかかったところが川ですかね?
空も川も見分けがつかない、残念なお天気でした。
旧市街を散策してふもとへ
アルファマ地区の旧市街は、どこもかしこも風情ある石畳の路地が続いています。
この旧市街には、ロマネスク様式の大聖堂カテドラルをはじめとするいくつかの教会や、リスボン市内を見渡せるポルタス・ド・ソル広場、サンタ・ルジア展望台などがあります。
予定としては、展望台をまわるつもりだったのですが、何と言ってもこの天気。
お城からの景観ですでに何も見えないことが分かっていたので、展望台はスキップして、そのままふもとまで歩いて下りてきました。
そして、リスボン名物のケーブルカーを目指します。
リスボンには、20世紀初頭から使われているレトロな市電が今も現役として走り続けています。
車内も木製で、風情たっぷり。
ただし、運転手さんたちは少々、気性の荒い人が多かったような印象が。
そういえば、バスの運転手さんやタクシーの運転手さんも同じく荒々しくて、よく路上で窓を開けて、何やらよく叫び合っていました。
でも、もしかしたらこれが彼らのスタンダードな意思疎通手段なだけで、別にケンカしてるとかではないのかもしれません。
慣れていない sora と友人は、その度にビクビクでしたが。(笑)
バイシャ地区からシアード地区、バイロ・アルト地区へ
バイシャとは、低い土地という意味です。
アルファマ地区と、これから向かうバイロ・アルト地区という、ふたつの丘に挟まれたバイシャ地区。
このエリアは、デパートやレストラン、カフェ、ギフトショップなどが立ち並び、昼夜を通してもっとも賑やかな、リスボンの繁華街です。
写真からは繁華街である雰囲気がまったく伝わらないと思いますが。(笑)
ケーブルカーの乗り場はいずこ!?
このバイシャ地区からリスボン名物の「ケーブルカー」に乗って、そしてさらにバイロ・アルト地区へ向かうわけですが、この乗り場がわかりにくい!
ここでもまた、大幅に時間をロスしてしまうことに…。
アルファマ地区からバイシャのケーブルカー乗り場までは、歩いて約20分ほどの距離で、位置的にも「真っすぐ行って右」くらいの単純な場所。
なのに、歩いても歩いても辿り着かないのはな~ぜ~。
止まない雨にイライラしながら傘をさし、狭い歩道を一列になってひたすら無言で進む sora と友人。
30分近く歩いても辿り着かないので、立ち止まって地図を見返してみます。
「通過してる!?」
引き返し、そしてまた地図を見る。
それを3回ほど繰り返し、ヘロヘロになりながらようやく乗り場を発見!!
BICAのケーブルカー
リスボン市内にある3つのケーブルカーのうち、最も有名なのがこのBICA線です。
こんな入り口、想像してなかった。(笑)
なんだかフラット(アパート)の入り口みたいじゃないですか!?
立ち並ぶ古いビルの一角に、しら~っと入り口がありました。
傘さしてトボトボと歩いていたら、そりゃ、見つからないですわ。www
このフラットの入り口のような扉を入っていくと、目の前にケーブルカーが止まっていました。
チケットを購入して、何人かのお客さんと一緒にケーブルカーに乗り込むと、ここから一気に終着点まで上っていきます。
天気さえ良ければ、終着点側からは正面にテージョ川が見えるはずなのですが … もちろん、そんなもの見えません!!!(笑)
うっすら水平線らしきものが見えるかな~。
青空が恋しい。
ケーブルカーを上ると、そこは少々賑やかな商業エリア。
町の移動にエレベーター!?
ケーブルカーの次は、町の中にエレベーターです。
バイロ・アルト地区へ向かうには、このエレベーターを使ってさらに上へと上っていくわけです。
リスボン市内にどれだけの高低差があるのか、ということですね。
低地バイシャ地区と、高地シアード地区をこのエレベーターが結び、その終着点にバイロ・アルト地区へ続く連絡橋があります。
サンタ・ジェスタのエレベーター
パリのエッフェル塔を設計したエッフェル氏の弟子であるフランス人建築家によって、20世紀初めに造られたエレベーターです。

高さ45mの鉄塔の中に設置されていて、とってもクラシカル。
エレベーターの内部は木製で、ベンチも設置されていました。

そして頂上が展望台になっており、リスボンの町並みやサン・ジョルジェ城を一望することができます。
バイロ・アルト地区を散策のはずが …
エレベーターの頂上から連絡橋を渡り、カルモ教会の裏からそのままサン・ロケ教会へ向かいましたが、正直、教会はもう見飽きているので(笑)、内部見学は割愛。
しかも、このとき降り続いていた雨がさらに激しくなってきて、もう観光どころではない心境に陥っていました。
雨の中をめちゃめちゃたくさん歩いた1日だったので、疲れていたんでしょうね~。
予定していた展望台や、もう2つあるケーブルカー乗車も、日本にもゆかりのある作家ヴィンセスラウ・ソウザ・モラエスの生家訪問も、すべて中止!
sora のリスボン観光は、このサン・ロケ教会前で、終了となりました。
町の中に点在する銅像たち
リスボンの町の色々なところに銅像たちが設置されています。
いわゆる政治的な英雄たちの銅像ではなく、芸術家だったり、地元の人にしかわからないような人だったりの銅像。

たとえば左側の写真。
これはエレベーターを上がったシアード地区の、カモンイス広場とカルモ通りを結ぶショッピングストリート、ガレット通りにある老舗カフェ「カフェ・ア・ブラジレイラ」の前にある、ポルトガル詩人、フェルナンド・ペアソ(1888~1935)の座像です。
ペアソンの隣にはもう一つ椅子が置いてあり、そこに座ってツーショット撮影するのが観光客の間で人気のようです。
もちろん sora も一緒に写真を!と意気込んでいたのですが、雨が降り続いていていたのと、予定外に歩きまくったあとだったので、すでに余力なく、断念。
そして右側の写真は、サン・ロケ教会前のトリンダーデ・エコーリョ広場にある男性の像ですが、誰だろう?(笑)
駅員のような、郵便配達のような、よくわからないな~と思いながらとりあえず写真を撮って。
あとから調べてみたら、「バイロ・アルト名物の宝くじ売り」だそうです。
宝くじ売り…。
言われてみれば、そんな気もしないでもない、か。
そして結果的に、このサン・ロケ教会前の「宝くじ売り」さんが、私のリスボンのラスト・ショットとなったのでした。
次回に続く
とにかく、雨・雨・雨に悩まされたリスボン観光。
おかげで初日から、豪雨で靴はベタベタ、歩きすぎて体力消耗、予定が崩れてストレスMAX … 悲惨です。(笑)
でも、まだ滞在期間はあと6日間あります。
きっと、そのうち晴れるはず。
さて、ポルトガルの旅2日目は、より多くの町を巡りたいと思い、リスボンから5つの町を巡ってくれる現地のツアーに申し込んでみました。
現地のツアーなので全行程、英語ガイド。
こういうときに躊躇なく現地ツアーに参加できることが、留学して英語をそれなりに学んだ唯一の「お役立ち」かも知れません。
よかった、留学した意味があって。(笑)
次回は、
- ポルトガル西部にある中世の面影を残すオビドス
- 悲恋物語の主人公ペドロ1世とイネスが眠ることで有名な修道院があるアルコバサ
- 美しい白浜の海岸が続く素朴な漁師町ナザレ
- 「戦い」という名を持つ町バターリャ
- 世界的に有名な「聖母マリアの奇跡」にまつわる伝説の地ファティマ
この5つの町を巡ります。
長くなりそうなので、もしかしたら途中で区切るかも知れませんが。
ポルトガルを旅する【1】大航海時代を巡る&銘菓エッグタルトを食すの巻
ポルトガルを旅する【3】コインブラ物語~ペドロとイネスが眠る教会の巻
ポルトガルを旅する【4】聖母マリアの奇跡-伝説の地ファティマへの巻
ポルトガルを旅する【5】ヨーロッパ西の果てを目指し一路シントラへの巻
ポルトガルを旅する【6】ロカ岬~ユーラシア大陸最西端の地に到達の巻
ポルトガルを旅する【7】第2の都市「ポルト」世界遺産の町を歩くの巻
ポルトガルを旅する【8】縁結びの神様に出会うためにアマランテへの巻
ポルトガルを旅する【9】ここにポルトガル誕生す 初代国王生誕の地の巻
ポルトガル「ファティマの奇跡」詳しく解説~3人の子どもの前に聖母現る
宝塚歌劇『コインブラ物語』のモデルになったペデロとイネスの悲恋物語