リスボン4泊の滞在では毎日なんだかんだ雨に降られながらも、行きたかったロカ岬やファティマなど、多くの町を訪ねることができました。
ポルトガル5日目は、いよいよリスボンを出てポルトガル第2の都市ポルトへ向かいます。
ポルトの歴史地区は世界遺産に登録されており、昔ながらの町並みが今も変わらず残されており、散策が楽しみな町です。
ポルト近隣の町にもみどころがたくさんあるので何日かゆっくり滞在したいところですが、ポルトでの滞在は2泊のみ。
到着日はポルトの町を散策し、2日目に近隣の2つの町をはしごすることにしました。
ポルトガル第2の都市ポルトへ
ポルトガル北部のポルトへは、リスボン・オリエンテ駅から鉄道で約3時間の長距離移動です。
日本から出発する前にインターネットで鉄道の予約は済ませてあったので、その時間にあわせて駅へ行き、指定列車に乗車するだけではあるのですが、なんせ異国の地。
少し早めに駅へ向かうことにしました。
お天気は、相変わらずの …
毎朝楽しみだった、ホテルの種類豊富なブレッドとビーンズの朝食も、今日が最後になりました。
名残を惜しんでいる余裕はありませんでしたが、しっかり朝食を食べ、準備万端でホテルを出発です!
そして外は、雨。
というか、ホテルを出るまでは降っていなかったんですよ。
sora たちがスーツケースをガラガラ引いてホテル前の通りへ出た途端、突然に大粒の雨が降り出したという… ま、いつものパターン。
やっぱりか、の展開です。(笑)
慌てて近くのビルの軒下に駆け込み、カバンの中から折りたたみ傘を出して広げ、ドタバタ、少々大変な移動となってしまいました。
ポルトガル鉄道 ALFA でポルトへ
駅についたらすぐにホームを確認し、あとは列車が来るのを待つのみ。
駅には立派な屋根があるものの吹きっさらしだし、だだっ広いホームだし、おまけに激しい雨が降っていたので寒いのなんの。
でも、記念写真は外せません!(笑)
しっかり駅の写真を撮りつつ、列車の到着を待ちます。
写真を見ると青空だし、朝日がさしていますが…、これでもホントにすごい雨が降ってたんですが。。。
さて、列車の到着を待っている間に困った問題が発覚。
特急列車の停車位置がわからない!
何号車がどの位置に止まるとかの表示が一切なかったので、列車が入って来てからしか確認ができないというわけです。
しかもここオリエンテ駅が始発ではないので、停車時間が何分あるのかもわからない中で乗車する車両を探さなければならないスリリングな状況。
緊張感たっぷりで列車の到着を待っていましたが、幸いにも sora たちが予測して待っていた辺りにピタリと列車が止まるという奇跡!により、無事すんなりと乗車することができてホッとひと安心でした。
ポルトガル高速鉄道ALFAの車内はとってもきれいでした。
2等車を利用しましたが、十分。
座席は両側2列ずつ並んでいて、英仏間を走るユーロスターと同じで、車両の中央から向かい合いで設置されています。
事前予約時に座席指定ができたので端の方の席を予約し、移動中は、連日の観光疲れと睡眠不足のおかげで二人とも爆睡。
せっかくの車窓の風景を見逃したのはイタかったですが、おかげで3時間の長旅を感じさせる間もなく、あっという間にポルトに到着しました。
大航海時代の幕開けを見守った港町「ポルト」
ポルトの創設は5世紀より以前に遡ります。
ローマ帝国時代からの港町である Portus Cale = ポルトゥス・カーレ(カ-レの港)がその起源です。
ローマ帝国の衰退後、西ゴートの時代を経て8世紀には支配権がイスラム教徒に移りましたが、11世紀になると、ポルトガルの国土を取り戻した貴族が現れました。
その貴族の男は報酬として、ウロ川とその北のミーニョとに挟まれた地域を与えられます。
ポルトガルの国土は、彼の息子であり、初代ポルトガル国王となるアフォンソ・エンリケスの進軍によって南に広がり、現在の広さになりました。
つまり、ポルトガル発祥の地がここ、ポルトということになりますね。
現在のポルト歴史地区は、世界遺産に登録されています。
駅から市内へ
リスボン・オリエンテ駅からのALFAは、ポルトのカンパニャン駅へ到着します。
左の写真がポルトガル鉄道のカンパニャン駅。
そして右の写真の奥に映っているガラス張りの建物が地下鉄のカンパニャン駅です。
カンパニャン駅からは地下鉄で市街へ向かったのですが、てっきり複合駅だと思い込んでいた sora たちは、最初どこに地下鉄の駅があるのかサッパリわからず立ち往生。
困り果てて近くの人に尋ねると、外を指さされ「???」でした。(笑)
なんとか無事に地下鉄の駅へたどり着き、まずはそのままホテルへ直行。
今回は5つ星 ホテル「INFANTE DE SAGRES」です!
旧市街までは徒歩10分という好立地。
1951年創業、ヨーロピアンスタイルの老舗ホテルで、館内のクラシカルなインテリアやレトロなエレベーターが優雅な雰囲気を醸し出していました。
チェックイン時間にはまだ少し時間のある昼前に到着したので、とりあえず荷物だけでも預かってもらおうと思ってホテルへ直行したのですが、その場でベッドメイクの終わっている部屋を確認して、すぐにお部屋へ案内してくれました。
もちろんオプション料金なしです。
さすが5つ星。
お部屋もシックな色合いでまとまっていて、とても素敵でした。
でもとりあえず、荷物を置いたらすぐに観光に出発!
心配していたお天気は、雲は多いもののなんとか大丈夫そう … 今のところは。
まずは名物「タコ料理」のレストランへ
ポルトに着いたのがお昼少し前だったので、ホテルにチェックインして観光に出発することにはちょうどお昼時。
まずは腹ごしらえからスタートです。
あらかじめガイドブックでチェックした目的のレストランは、先ほど到着したカンパニャン駅の近くにあったので、地下鉄を利用して再びカンパニャン駅へ。
途中、通りがかったリベルダーデ広場は町の中心。
正面奥の建物が市庁舎、そして手前の像はペドロ4世です。
それにしても、見事な青空!!
残り少ないポルトガルの旅、このお天気がずっと続きますように。
カンパニャン駅に向かう前に、翌日利用する予定の長距離バスの切符を購入しておこうと、バスステーションを探しながら歩いていたのですが、それがなかなか見つからない。
地図とにらめっこしながら行ったり来たり、無駄に時間が過ぎていきます。
なので、いったん諦めて地下鉄へ。
ポルトの地下鉄も、リスボン同様にとてもきれいでした。
設備自体がまだ新しかったのかも知れませんが、ホームもとてもキレイ!
ただ、カンパニャンの駅には5路線の地下鉄が同時に乗り入れているため、旅行者としては目的地へ向かう路線を判断して乗車するのが少々難しかったです…。
ボリュームたっぷりタコ料理
カンパニャンの駅から徒歩5分くらいの場所にあるタコ料理の有名店「Casa Aleixo」は、こじんまりとしたお店ですが、どのガイドブックにも載っているような人気店です。
普段の旅行ではあまり飲食店をチェックすることはないのですが、このお店にはぜひ行ってみたいと思って行程に組み込んでいました。
12時過ぎにレストランに到着しましたが、タイミングよくすぐに着席でき、予定していた通りの「タコの天ぷら&タコ飯」を注文。
そして出てきたのは …
巨大な皿に盛られた、4人前はあろうかと思われるタコ飯と、わらじのようなタコの天ぷら!
2人分が大皿に盛られているのですが、どう見ても4人前はあると思います。
写真では実物の衝撃が伝わりにくいのが残念。
肝心なお味はというと、う~ん、かなり塩っ辛いです。
天ぷらはまだ良かったのですが、タコ飯はかなり塩っ気が強く、飲み物なしには食べられない感じでした。
ゆえに水分を取りすぎてお腹がふくれ、食べきれなくなるという悪循環が起こります。
それでもあまり大胆に残すのも気が引けて、普段食べる量の2倍くらいは頑張って食べた気がします。
いや、でもね、正直言って限界を超えました。(笑)
ほんとヤバかった。
そんな sora をしり目に、友人がなんと完食してくれたんです!!びっくり。
すごすぎます。
sora の1.5倍以上は食べてくれたんじゃないかな。
幸い、その後もお腹を壊すこともなく、無事に過ごしましたのでご安心ください。
念のため。www
アズレージョが溢れる町

たらふくタコ料理を味わった後は、町の中心部へ戻って市内観光の始まりです。
地図を広げてみると、一見、広そうに見えるポルトの町ですが、見どころは旧市街に集中しているので、意外と時間はそうかかりません。
町のあちらこちらに自然にアズレージョがはめ込まれている町の風景は、リスボンよりも味わい深く、歴史の重みをより身近に感じさせてくれます。
特に、アズレージョに覆われた美しい外壁を持つのがアルマス教会、サント・インデフォンソ聖堂、コンゲレガドス教会と言われています。
その中でもアルマス教会は壁一面アズレージョで覆われていて、この町の風景の中でもひときわ目をひいています。
そして、ポルトの中心部には古い建物をそのまま利用した、近代的なお店が立ち並び、賑やかな雰囲気でした。
そして再び、まさかの雨…(笑)
この町にも、路面電車が張り巡らされています。
車の流れに気を取られ過ぎていると、背後から路面電車にひかれます … ご注意ください。
中心街を抜けた先にあるのが世界遺産に登録されている歴史地区。
歴史地区内の観光はまた後からするとして、まずは歴史地区の全景を眺めるためドウロ川にかかるドン・ルイス1世橋を渡ります。
ドン・ルイス1世橋
この橋は、かの有名なパリのエッフェル塔を建設した高架橋技師、エッフェル氏の弟子によって、1886年に建設されました。
リスボンでもエッフェル氏の弟子が作ったという「サンタ・ジュスタのエレベーター」がありましたが、ポルトガルには縁がある人なんですね。
橋は二重構造になっていて、上層が電車と歩道、下層が車と歩道です。
この頃から、あれほど晴れ渡っていた空が怪しい雰囲気になってきました。
橋の上からはセーラ・ド・ピラール修道院の全景を見渡せます。

橋の上からのドウロ川の眺めは最高!!
そして向こう岸にたどり着いた頃にはミスト状の雨がいよいよ本降り、気分は最悪。(笑)
でもって、澄み切った青空を信じて調子に乗った sora たちは、こともあろうにホテルに傘を置いてきてしまったものだから、さぁタイヘン。
慌てて近くのバス停に逃げ込み、雨宿りをする羽目になりました。(苦笑)
ポルトワインの試飲を目指し
少しの間バス停で待ってみましたが、いっこうに止む気配がないので、時間ももったいないことだし、ミストならなんとか行けるか~ということで、ちょっと激しめのミストの中へとくり出すことに。
激しいミストの雨に降られて向かった先は老舗ワインセラー「サンデマン」。
ここではワイナリーの見学と、ポルトワインの試飲ができるとのことで早速館内のインフォメーションへ。
で、そこで知らされたのは、自由見学はできずガイドツアーのみということと、英語のガイドツアーは1時間以上先。
いやいや、1時間後にもう一度ここまで戻って来る気力はありません。
お酒好きの友人には申し訳ないが … ばっさりとカット。(笑)
幸い、インフォメーションであーだこーだ相談している間に雨は上がってきたので良かったのですが …
にしても、わざわざ本降りミストの中を頑張ってやって来たにもかかわらず、見学できず、とはね。
なので、ワイナリーの近くをしばらく散歩してから、歴史地区へ向かいました。
世界遺産「ポルト歴史地区」
聖グレゴリウス聖堂、大聖堂、ポルサ宮、聖フランシスコ聖堂などを含む旧市街地は、1996年に「ポルト歴史地区」として世界遺産に登録されました。
ドウロ対岸から眺めるポルト歴史地区は、オレンジ色の屋根が広がる印象的な美しさ。
ケーブルカーで歴史地区へ
ドン・ルイス1世橋の下層を渡って来ると、渡り終えた場所にケーブルカーの乗り場があります。
見るからにものすごい傾斜で迫力満点。
このケーブルカーを利用して高台へ移動し、そのまま歴史地区のある旧市街へ向かいます。
グレリゴス教会
18世紀に建設された、バロック様式の教会です。
ポルトガルいちの高さを誇る76mのグレリゴスの塔からは、見事な景色を望むことができます。
でも、76mの塔を階段で上るのは、疲れた体には堪えます。(苦笑)
ほとんど誰とも遭遇することなく、自分たちのペースで上ることができたのは幸いでしたが、上ったら、必然的に下らねばならず …
下りとはいえ結構な運動量。
キツかった。
でも、景色はほんと~に絶景です!!
カテドラル
12世紀に要塞として建設されたのち、17~18世紀に改修が加えられて現在の姿となりました。
高台にあるカテドラルからは、周辺の景色が一望できます。
そして大聖堂の横には、罪人を吊るしてさらす「ペロリーニョ」という柱が立てられています。
そういえば、2日目に訪れたオビドスのサンタ・マリア教会前にもありましたね。
この柱がどんな意味を持っているのかを知らなければ、この夕陽に照らされた写真、美しい芸術なんだけどな。(苦笑)
日中に突然くずれて雨に降られましたが、夕方になるにつれすっかり回復、青空が広がり、このカテドラルから眺める夕暮れに、最高に美しかったです!!
カテドラルからもう少し旧市街を散策予定でしたが、ここで夢中になって写真を撮っている間に、どんどん日は沈んでいき、歩き始めた頃にはすっかり日没時間を迎えていました。
とりあえずは予定通りの行程をこなそうと進み始めたものの、道に迷ってウロウロしている間にすっかり辺りは闇に包まれ、疲れも手伝って二人とも戦意喪失。
本日の観光はこのカテドラルで終了することになり、帰る前に個人商店のような小さなスーパーマーケットに立ち寄り食料だけ調達したら、そのままホテルへ帰ってお疲れさまでした!
次回に続く
観光4日目は、リスボンからの長距離移動から始まり、半日でポルト市内を歩き回った1日でした。
快晴かと思えば急にミストの雨に降られ、かと思えばまた快晴!という不安定なお天気でしたが、ポルトの美しい旧市街の風景を堪能することができた1日でした。
さて、翌日はポルトから長距離バスに乗って少し遠出をします。
縁結びの神様がいるという「アマランテ」、そしてポルトガルの初代国王が生まれた町「ギマランイス」を訪ねます。
朝は早めの出発なので、この日の夜は思い出話もそこそこそこに切り上げ、早めに「おやすみなさい!」
次回へ続く。
ポルトガルを旅する【1】大航海時代を巡る&銘菓エッグタルトを食すの巻
ポルトガルを旅する【2】リスボン名物、ケーブルカーに乗ってみるの巻
ポルトガルを旅する【3】コインブラ物語~ペドロとイネスが眠る教会の巻
ポルトガルを旅する【4】聖母マリアの奇跡-伝説の地ファティマへの巻
ポルトガルを旅する【5】ヨーロッパ西の果てを目指し一路シントラへの巻
ポルトガルを旅する【6】ロカ岬~ユーラシア大陸最西端の地に到達の巻
ポルトガルを旅する【8】縁結びの神様に出会うためにアマランテへの巻
ポルトガルを旅する【9】ここにポルトガル誕生す 初代国王生誕の地の巻
宝塚歌劇『コインブラ物語』のモデルになったペデロとイネスの悲恋物語
ポルトガル「ファティマの奇跡」詳しく解説~3人の子どもの前に聖母現る