
2022年のNHK朝の連続ドラマ小説『らんまん』(主演・神木隆之介 / ヒロイン・浜辺美波)のモデルになっているのが、日本の植物学の父と言われる 牧野富太郎(まきの とみたろう)です。
NHK朝の連続テレビ小説
牧野富太郎博士は、1862年(文久2年)に高知県高岡郡佐川町で誕生しました。3歳で父親、5歳で母親、6歳で祖父を亡くし、幼い富太郎は祖母・浪子に育てられます。
自然豊かな佐川の地で、幼い頃から自然や植物に関心を持ち、独学で植物の知識を身につけたといいます。
因みに今回のNHK連続テレビ小説では、富太郎の人生そのものを描くわけではないようです。
実在の人物である牧野富太郎(1862―1957)をモデルとしますが、激動の時代の渦中で、ただひたすらに愛する草花と向き合い続けた、ある植物学者の波乱万丈の物語として大胆に再構成します。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描きます。原作はありません。
番組のキャスト情報は最後にまとめておきます。
小学校中退で東京大学理学部植物学教室へ!
さて、富太郎は少年時代から自然や植物に親しむだけでなく、小学校に入る前から寺小屋で習字を習ったり、塾などに通って漢学や西洋の諸学科を学んだりしたほか、驚きなのは、なんとこの時代にすでに英語学校で英語を学んでいたということです。
早くから富太郎の興味・関心に気づき、可能性を伸ばせる環境を与えていた祖母にも感心させられますね。
そして1874年(明治7年)、富太郎は12歳のときに(旧制)佐川小学校に入学します。ところが、小学校の授業が富太郎にはもの足らず、14歳で自主退学してしまったようです。
つまり学歴は「小学校中退」ということですね。(笑)
それにもかかわらず、富太郎は15歳で母校・佐川小学校の臨時教員を務めていいるという… どんだけ優秀な少年だったんですか?と。
1879年(明治12年)になると佐川小学校の臨時教員を退職、佐川から高知市へ出ます。そして、この頃から富太郎は自ら採取した植物の観察図や観察記録を作り始めました。
高知市へ出てから3年後の1882年(明治15年)には顕微鏡や書籍を購入するためにはじめて上京、このときは博覧会を見物したり、文部省博物局を訪ねたりしたようです。
2度目の上京は1884年(明治17年)22歳のときでした。
この2度目の上京の際に富太郎は東京大学理学部植物学教室を訪ね、出入りを許可されています。そして植物分類学の研究に打ち込むようになっていきました。
1887年(明治20年)には「植物学雑誌」の創刊にも携わっています。
上京して壽衛(すえ)と結婚、生涯を植物研究に捧げる
富太郎が25歳になったころ祖母・浪子が死去、その翌年に富太郎は上京して26歳のときに壽衛(すえ)と結婚しました。
その後、自ら創刊に携わった「植物学雑誌」に新種ヤマトグサを発表し、日本人としては国内ではじめてという「新種に学名をつける」ということを成し遂げています。
ただ、すべてが順風満帆だったわけでなく、それまで出入りしていた東京大学理学部植物学教室に出入りを禁じられ、一時期は高知へ戻って採集活動を行っていた時期もあります。
1893年(明治26年)富太郎 31歳のときに、こんどは帝国大学理科大学で嘱託(臨時雇用)の職を経て助手となります。
その後は数々の新種植物を発見したり、書籍を出版したり、多くの実績を残して65歳で理学博士の学位を得ました。
しかし学位を得た翌年、それまで40年に渡り連れ添った妻・壽衛(すえ)が亡くなります。このとき富太郎は新種のササに「スエコザサ」と命名したといいます。
牧野富太郎が遺した数々の実績

それからさらに20年、94歳で死去するまで富太郎は精力的に植物採取を続け、後進の指導・育成にも寄与しました。
94年の生涯において収集した標本は約40万枚に上ると言われており、蔵書はなんと約4万5千冊!植物の新種や新品種の命名は約1500種類以上だと言われています。
富太郎はまぎれもなく、日本における植物分類学の基礎を築いた「日本の植物学の父」と言えるでしょう。1953年には東京都名誉都民、1957年には文化勲章を受章しています。
牧野富太郎の書籍を立ち読み(著作権消滅書籍)
牧野富太郎が世に送りだした蔵書は約4万5千冊と言われていますが、ごく一部の書籍が「著作権の消滅した作品」として青空文庫で一般に開放、公開されています。
富太郎がどんな書籍を発行していたのか、どんなことを語っていたのか、興味ある方はぜひ時間がある時にでも訪問して読んでみて下さい。
ドラマ『らんまん』キャスト紹介
春らんまんの明治の世を 天真らんまんに駆け抜けた―ある天才植物学者の物語
槙野万太郎(神木隆之介 / かみき りゅうのすけ)

高知県で酒造業を営む裕福な商家の一人息子として生まれる。幼い頃は体が弱くいじめられがちな少年であったが、自然や植物の魅力にとりつかれた万太郎少年はその分野での才能を発揮する。草木を尋ねてて毎日のようにあちらこちらと野山を歩き回り、そのおかげで、病弱であった体もいつしか健康で丈夫な体へと変わっていった。小学校中退という学歴でありながらも、努力を重ねて独学で植物学をきわめ、東京帝国大学植物学教室の門をたたくことに。のちに「日本の植物学の父」と称される。
神木隆之介プロフィール
- 本名: 神木隆之介
- 生年月日: 1993年5月19日
- 出生地: 埼玉県富士見市
- 身長: 168 cm
- 血液型: B型
- 職業: 俳優、声優、YouTuber
- デビュー: 1995年
- 事務所: Co-LaVo(2021年4月~)
- 公式サイト : 神木隆之介 OFFICIAL SITE
映画「妖怪大戦争」(2005年)で主演を務め注目を集める。本作にて日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。
その他にも、「桐島、部活やめるってよ」「るろうに剣心」シリーズ「バクマン。」など数々の話題映画に出演、劇場版アニメ「サマーウォーズ」や「君の名は。」では声優として主人公の声を担当した。
NHK大河ドラマ「義経」(2005年)で牛若を演じ、のちの大河ドラマ「平清盛」(2012年)では牛若が成長した源義経を演じて大きな話題となる。
続く2019年にも大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』に出演し、古今亭志ん生の弟子・五りんを演じている。
子供向け番組にも出演するなど、今、最も旬な若手俳優のひとり。
槙野寿恵子(浜辺美波 / はまべ みなみ)

東京の下町で母親と一緒に菓子屋を営んでいたが、槙野万太郎との運命的な出会いを果たし、結婚する。
植物研究に没頭し、それにお金をつぎ込む夫のために、あれやこれや工夫を凝らしながら苦しい家計をやりくりし、最後には誰もが驚くある方法で家族を救うことに。夫・万太郎や可愛い子どもたちと、貧しくも楽しく明るい家庭を築く。
浜辺美波プロフィール
- 本名: 浜辺 美波
- 生年月日: 2000年8月29日(21歳)
- 出身地: 石川県
- 身長: 157 cm
- 血液型: B型
- 職業: 女優
- デビュー: 2011年
- 事務所: 東宝芸能
- 公式サイト: 浜辺美波 OFFICIAL SITE
第7回「東宝シンデレラ」オーディション(2011年)にて、ニュージェネレーション賞を受賞。同じ年に公開された映画『アリと恋文』でいきなり主演で女優デビューを果たす。
映画『君の膵臓をたべたい』(2017年)の演技に対して、第41回日本アカデミー賞 新人俳優賞などを受賞。
さらに、2020年には映画『思い、思われ、ふり、ふられ』、ドラマ「アリバイ崩し承ります」(テレビ朝日)での演技に対し、第45回エランドール賞 新人賞を受賞した。
2023年に公開予定の「シン・仮面ライダー」ではヒロイン務めている。
NHKでは、2019年『ピュア! 〜一日アイドル署長の事件簿〜』、2020年『タリオ 復讐代行の2人』の2作品で主演を務め、連続テレビ小説では2015年の『まれ』に出演しており、今回が2度目の出演となる。
まとめ
ドラマが始まるのは、まだ少し先の2023年ですが、これから徐々にキャストも発表されていき、盛り上がっていくことでしょうね。
私は旅をするとき、必ずその場所で起こった歴史やそこで生きた人々のことを調べてから旅立つようにしています。そうすることで、訪れた場所をより楽しめるし、多くを学ぶことができるからです。
こうした実在の人物をモデルにしているドラマを見るときも同じで、その人物像や背景を知っているだけで世界観が拡がり、より楽しめるようになりますよね。
放送開始が楽しみです!