宝塚の至宝、礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第30回。
今回は『ロミオとジュリエット』を振り返ります。
2010年の星組公演が日本初演だったこのフレンチロックミュージカル『ロミオとジュリエット』も、いまや宝塚では何度も再演され、外部でも公演され、すっかりお馴染みの作品になりました。
初演では、しなやかなダンスと優しい空気をまき散らし、見事に「愛」という大きな役への抜擢に応えた研2のこっちゃん(礼真琴)でしたが、それから3年。
この再演では、演出の小池先生からふたたび大きな愛情のこもった「試練」を課せられることになりましたね。
「愛」への再挑戦、2番手・紅ゆずるとの役替わりで演じるロミオの親友「ベンヴォーリオ」、そして新人公演初主演「ロミオ」。
今回は2度目になる「愛」を演じたヴァージョンを振り返ってみたいと思います。
『ロミオとジュリエット』予備知識
あらすじ
こちらをご覧ください
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主な配役
ロミオ:柚希礼音(新人公演:礼真琴)
ジュリエット:夢咲ねね
ティボルト:紅ゆずる / 真風涼帆
キャピュレット卿:一樹千尋
ロレンス神父:英真なおき
モンタギュー卿:美稀千種
乳母:美城れん
ヴェローナ大公:十輝いりす
モンタギュー夫人:花愛瑞穂
キャピュレット夫人:音花ゆり
愛:鶴美舞夕 / 礼真琴
マーキューシオ:壱城あずさ / 天寿光希
パリス:壱城あずさ / 天寿光希
ピーター:真月咲
死:真風涼帆 / 麻央侑希
ジョン:輝咲玲央
ベンヴォーリオ:紅ゆずる / 礼真琴
礼真琴「愛」の巻
第1幕
序
堂々と独りでセリ上がってくるこっちゃん。
可愛らしかった初演の「愛」から、美しくなりましたね~。
そしてやはり、表情にも貫禄がつきました。
初々しさで踊り切った初演と比べると、地に足が付いて、表現者としての「愛」を感じます。
ただ … 一緒に踊る「死」がねぇ。。。
まおちゃん(麻央侑希)が演じているのですが、申し訳ないけれども、ひどい。
リフトもふらふら、ブレブレで、こっちゃん踊りづらそう。
まおちゃん、完全にこっちゃんのダンスにリードされている状態ですね。
こういうのを目の当たりにすると、いかに相手役との技量バランスが大切かを痛感させられます。
第1場 ヴェローナの広場
3年の経験は大きいな~と実感。
群衆の中に存在する「愛」の、その「存在感」の大きさったら。
そして、しつこいですけど … 美しい♡
第3場 キャピュレット家の内外
どんだけ腰が柔らかいの?ってくらいしなやかに反る体のラインの美しいこと!
カメラさんがあまり映してくれなくてイライラしましてしまいましたが。
こっちゃんが踊ってるときに、ジュリエットが上のテラスにいますが … そもそも、ねねちゃん(夢咲ねね)のキャラにジュリエットはどうも合わなかったから、こっちゃんにジュリエットやってもらいたい!と思っちゃいました。(笑)
ぜったい似合ったよ、この頃なら。
第7場 舞踏会
ダンスの美しさもさることながら、表情がとっても豊かになりましたね。
研2の頃はどこかぎこちない感じがありましたが、やはり場数を踏んでくるとこうも違うものかと感心します。
初演を振り返ったときに、「初演がベスト」と書いたと思いますが、こうして改めて再演を見てみると、甲乙つけがたくなってきました。(笑)
時がたって見返すと、色々な表情が見えてきて、面白いですね。
第12場 礼拝堂
ロミオとジュリエットが歌っているとき、祭壇の前で「死」に立ち向かっているこっちゃん、カッコ良すぎる!
「愛」と「死」がともに大きく両手を広げて威圧(?)し合うような振りがありますが、こっちゃんの力強い手の広げ方がいい!
ここのダンスは、とにかく力強くて、絶対に「死」に負けない気になる。(笑)
二人を支配しようとする「死」ですが、この雰囲気だけでいくと「愛」の圧勝。
ちょっと「死」のダンスに力がないので … もう少し頑張ってほしかったよ、まおちゃん。
ラスト決めのポーズも「よし、愛の勝ち!」って感じ。
これでは物語が成立しなくなります。。。
第2幕
第1場 礼拝堂~ヴェローナの各所
最初の少しだけ、スポットを浴びて踊って去っていきます。
初演の時はまだまだ表情の幼さを感じていましたが、優しい中にもキリリとした表情になり、成長を感じますね。
第7場 ジュリエットの寝室
スポットを浴びてのソロダンス、短い場面ですがこっちゃん堪能タイムですね。
初演のときにも書いた気がしますが … ジュリエットより確実に可愛いです♡
可愛さはごまかせないってことですよ。(笑)
男役のキレッキレダンスも大好きですが、こうしてドレスでしなやかに踊るこっちゃんも捨てがたい!!!
第12場 ヴェローナ~キャピュレット家霊廟
ロミオとジュリエットが死んでしまってから、みんなが集まり歌う場面。
ここは何度見ても心打たれます。
こっちゃん「愛」はテラスからその様子をずっと眺めていますが、ここはダンスもなく、表情や上半身の動きだけで表現しなくてはならないので難しいですね。
あまりカメラに映らなかったので、こっちゃんの成長した姿を実感するには至りませんでしたが、こっちゃんの周りには、なにか温かい空気が流れているような雰囲気がありました。
そして、ロミオとジュリエットが「愛」に見守られながら幸せそうに踊るラストシーン。
研2当時のこっちゃんは、まだ少々表情が硬く、見ていているこちらも肩の力が抜けないといった感じでしたが、3年の歳月はこっちゃんを成長させましたね。
二人を見守る「愛」の想いが、こっちゃんの表情や動きに乗ってしっかり伝わってきます。
でも残念なのは … やはり、まおちゃん。
まおちゃんファンの皆さま本当にごめんなさい、どうしても受け入れられない …(苦笑)
第16場 フィナーレD(フィナーレの男)
この「愛」ヴァージョン、唯一の男役!!!
しかもこのフィナーレ、カッコ良かったですよね~。
大好きです!
大階段では真ん中に十輝いりす、紅ゆずる、真風涼帆、そしてこっちゃんは上手の一番前に。
いきなりのバリバリ具合に、「愛」は誰だったっけ???となります。(笑)
そしてド金髪、大好物です♡
大階段を下りてからは、後列のセンターから上手側2番目。
ふたたび大階段でVに並ぶときには3列目上手端、とっても目立つ場所でライトも貰ってますね~素晴らしい!
こういう1本もののお芝居のフィナーレあるあるですが、役の化粧のままフィナーレに出てくるので、こっちゃん、真っ白で浮いてます。(笑)
「死」のまおちゃんもけっこうなもんですが、まおちゃんはゆーても男役なのでね。
こっちゃんは娘役のベース塗ってるもんだから、ま~そりゃ、しろい、しろい。
ってか、青白ささえ感じる。(笑)
ダンスは誰よりもキレッキレでカッコ良いんだけど。
ちえちゃんが登場してからは、後列のセンターだったり、上手側だったり色々ですが、基本、よく見える場所で踊ってくれているので、ありがたや~。
あ、でも、おっきいまーちゃん(十輝いりす)の隣は避けたかったよね。(笑)
ちえねね(柚希礼音&夢咲ねね)のデュエットダンスになる前に、男役たちに囲まれてちえちゃんが舞台上でジャケットを着替え、早変わりしますが、そのときお世話しているのがこっちゃんですね~。
こういう細かいところに萌える。
第18場 フィナーレF パレード(フィナーレの男)
前作からパレードの歌手の仲間入りしたこっちゃん。
今回はエトワールの後に音波みのり、早乙女わかばに挟まれ、「愛」として3人「娘」で階段降りです。
さすがに「ほんまもん」のカワイ子ちゃんに挟まれると若干大きさは感じますが、、、うん、可愛いから無問題!!
そして銀橋ですよ、銀橋。
銀橋でご挨拶できるようになるのはいつかな~なんてついこの前書いていた気がしますが、突然、扱い良くなりすぎて頭が追い付かない。(笑)
ちえちゃんから上手に4番目、組長さんよりも専科さんよりも内側に入りました~。
まとめ
スターさんの過去を振り返っていくと、ホント面白いですね。
バリバリ路線の男役さんだと、ずっと目立つ場所にいたように錯覚してしまいますが、意外と目立つポジションに上がってくるまでには時間がかかっているし、かと思えば、こうしてある時期を境にして急にポ~ンと上げられる。
そしてそれに比例して、顔つきや表情も自然になってきたりして。
あぁ、この1年がこっちゃんにとって分岐点だったんだな~、とあらためて感じました。
もうここからはポジション的にもグングン、アゲアゲで向かうところ敵なし!ですが …
いや~礼真琴の下級生時代、楽しい振り返りでしたね。
って、まだ研5なんですけど。(笑)
次回はロミジュリ、ベンヴォーリオ編を振り返りたいと思います。
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