礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第42回目は、北翔海莉&妃海風プレお披露目の全国ツアー『大海賊 -復讐のカリブ海-』を振り返ります。
こっちゃん(礼真琴)念願の海賊役です。
公演当時、配役がどうなるのか星組ファンの間で話題になっていたのを思い出します。
このキッドという役をこっちゃんにやってほしい!という声と、劇団の「礼真琴」の扱いから考えると違うかも、という声と。
ふたを開けてみれば、順当にこっちゃんがGET。
ここからこっちゃん、3番手時代がスタートしたわけですね。
『大海賊』の予備知識
あらすじ
17世紀のカリブ海を舞台に、復讐を誓い海賊になることを決意した男の愛と冒険の物語。
カリブ海のスペイン領サンタ・カタリーナ島総督の息子エミリオは、海賊エドガーの襲撃で両親を殺され、流れ着いた島でキッドたち海賊に命を助けられる。
エドガーへの復讐の為、エミリオは海賊になることを誓う。
5年後、海賊船アドベンチャー号の新船長となったエミリオは、ある日イギリス商船を襲い船に隠れていたイギリス貴族の娘エレーヌを捕らえる。
二人は急速に惹かれ合うが、住む世界が違うと感じたエミリオは彼女を解放する。
仲間がジャマイカ新総督に捕らえられたと聞き、エミリオは助けるためにジャマイカに向かうが、そこでエレーヌと再会する…。
主な配役
エミリオ(海賊):北翔海莉
エレーヌ(エドガーの妹):妃海風
イスメラルダ夫人(エミリオの母):万里柚美
ラッカム船長(海賊):美稀千種
エドガー(海賊):十輝いりす
聞き耳(海賊):壱城あずさ
マリア(エレーヌの姉):白妙なつ
ドクター(海賊):天寿光希
アン(ラッカム船長の娘):音波みのり
ペドロ・フェルナンデス(エミリオの父):大輝真琴
ウィリアム公爵:大輝真琴
ウミネコ(海賊):妃白ゆあ
イルマ(エレーヌの侍女):紫月音寧
拝み屋(海賊):夏樹れい
フレデリック(エドガーの部下):十碧れいや
エルザ(酒場の女):空乃みゆ
ロックウェル(エドガーの部下):麻央侑希
ネコザメ(海賊):飛河蘭
キッド(海賊):礼真琴
鉄砲玉(海賊):ひろ香祐
ネリー(酒場の女):真衣ひなの
ホセ(ペドロ総督の侍従):音咲いつき
エルマ(酒場の女):五條まりな
ハンナ(エレーヌの侍女):白鳥ゆりや
赤髪(海賊):凰羽みらい
ハリソン船長(イギリス商船の船長):天華えま
アイク(酒場の客):天希ほまれ
祝!礼真琴・あこがれの海賊ご就任♡
海賊大好き!「女・海賊になりたかった」こっちゃん、海賊就任おめでとう♡(笑)
ちえちゃん(柚希礼音)のさよなら公演『黒豹の如く』では、幕開きのほんの少しだけの海賊さんでしたが、今回は海賊としての通し役。
たまたま、とよこちゃん(涼紫央)のディナーショーが出てきたから振り返ったばかりですが、当時研3のこっちゃんが嬉しそうに
「わたし、宝塚に入る前から、海賊になりたい!!っていう夢があるんです♪」
と語っていたのがなんだかカワユ過ぎて、いまだ脳裏に焼き付いて離れません。

念願の海賊をいきいきと演じるこっちゃん、じっくり振り返ってみましょう!
いきなり音楽差し替え、雰囲気台無し
幕開き、みっちゃん(北翔海莉)とふうちゃん(妃海風)の場面が終わると、みっちゃんwith 海賊たちの勇ましい歌と踊りの場面になりますが …
著作権上の都合で音楽差し替え。
いきなり出鼻をくじかれ、チーンな気分に陥ります。
ショーとかの一部ならまだしも、芝居の中で使う音楽は、こういうのやめてもらいたい。
使える音楽をチョイスするか、お抱え作曲家でお願いできないものですかね~。
演出家のイメージとかこだわりとかがあるのは分かりますし、本来は生で観劇するのがいちばんなのもわかります。
が、こうして当たり前にメディアに残される時代になり、それを販売(DVD、BD、スカステ、オンデマンド etc)して利益を得ている以上、演出家もそこを慎重に考えるべきではないかと。
特に、お芝居の作品に出てくる音楽や歌というのは、芝居の一部であり、それが差し替えられてしまうと芝居の流れを止めてしまいます。
この『大海賊』でも、幕開きのワクワク感が一気に急降下。
フッとかハッとか、掛け声だけ差し込まれても、差し替えられた音楽に全くフィットしてないし。
あ~残念。
こっちゃんがね、凛々しいお顔立ちでキレッキレのダンスを踊り、すごくカッコイイんですよ、この幕開きの海賊たちの場面。
それゆえに画面に映る姿と、流れている音楽との違和感が半端ない。
ちょっとばかり血の気の多い海賊キッドくん
お花を抱えたアン(音波みのり)達かわい子ちゃんの歌の途中で合流するこっちゃんキッドたち海賊くん。
お顔の右半分に傷を入れた、ちょっと強面のこっちゃんキッド。
アンと仲睦まじくニコニコ絡んでいる姿にほっこり。
はるこちゃん(音波みのり)とは、下級生の頃からホント~によくご縁があります。
そしてこのあと、エミリオ(北翔海莉)が島に流れ着いたのを発見し、エミリオが海賊になる決意をするシーン。
こっちゃんキッド、イキがってる感じがやんちゃな海賊風、いい感じ。
そして、ちょいとばかり血の気が多い … 落ち着いて、キッド。(笑)
エミリオに嫉妬するキッドがカワイイ♡
しーらん演じる聞き耳(壱城あずさ)くんとじゃれ合うこっちゃんキッド、『黒豹の如く』でも常に一緒に行動していましたが、良いコンビですね。
この二人のじゃれ合い、見ていて微笑ましいい。
そして、女子たちにモテモテ、貴族出身のみっちゃんエミリオに嫉妬するこっちゃんキッドが、これまたカワイイ。
「カワイイ」のが正解かどうかはわかりませんが。(笑)
女子の口真似をしながら、しーらん聞き耳の肩に両手を添え、
「エミリオ、飲みに行かないかいっ♡」
いいね~。www
そして血の気の多いキッドくん、エミリオを挑発して歯向かわせ、コテンパンにしちゃううという…
で、みっちゃんエミリオが決意も新たに、自らの運命に立ち向かう意思を表明する流れ。
あるあるストーリー完璧です。www
海賊たちの訓練、ビジュアル先行かな?
へっぴり腰のみっちゃんエミリオと、海賊たちとのダンスを交えた訓練。
こっちゃんキッドのオラオラ感がカッコイイ~。
これ、ビジュアルの影響も大きいですね。
たぶん、お顔の傷が入っていなかったり、髪型がシンプルだったりしたら、こっちゃんの童顔では貫禄出てないだろうな、と。
かなり役を作り込んで、演技そのものも雰囲気は出していますが、半分はビジュアルで持って行ってるな~という気がします。
ま、芝居はビジュアルもひっくるめて完成するものなので、ある意味、これで正解。
新・船長選び、惨敗
キッドくん、人気ないな~(笑)
新船長にエミリオを推す声が大きく、反発したこっちゃんキッドがみっちゃんエミリオに突っかかっていきますが、海賊として成長した姿のみっちゃんエミリオと対峙すると、やっぱりこっちゃん、下級生だった。(笑)
貫禄が違い過ぎる~。
前半はみっちゃんが「へっぴり腰」のエミリオを演じてたから、こっちゃんキッドにも貫禄を見ることができましたが、海賊として立派になっちゃったみっちゃんエミリオにはとうてい敵いませんね。
こっちゃん、まだ研7… これが現実。
ナンバー2に指名され、みっちゃんエミリオの後ろで踊るこっちゃんキッド、いや~凛々しくてカッコ良いです!
そして海賊たちを引き連れてセンターに立つみっちゃんエミリオ、さすがの貫禄。
キッドくん、フラれる
はるこちゃんアンに唐突に求婚するこっちゃんキッド。
アンのエミリオへの思いに気付いて、あせって求婚したってことですよね?この展開。
それにしても、いきなり結婚を申し込むって…
ま、キッドのキャラ的にはそ~なるんでしょうね。
で、玉砕。www
こっちゃんキッドの歌声も、切ない。
作戦会議~最後の戦い
酒場で女と踊るこっちゃん、こういうのも板についてきましたね。
少々千鳥足の酔っ払い姿も。
そして最後の戦い、大立ち回り。
愛するはるこちゃんアンを殺され、すごい剣幕で突っかかっていくこっちゃんキッド。
でも命を落とします…。
これ、前から思ってたんですけど、キッドのラストをもっとわかりやすく描いてほしかったですよね~。
戦いの流れの中で、「死んじゃった … んだよね?たぶん、今の感じだと…」って推測するしかない。(苦笑)
戦いを終えたラストシーン、エミリオに対して、スポットで浮かび上がった海賊さんたち数人が語り掛ける場面にもいないから、「だよね、やっぱりそうだよね」と。
ま、主役以外ってそんなもんか。
まとめ
憧れの海賊さんになれて、いきいきとキッドを演じていたこっちゃん。
今回の公演のこっちゃんを観ていると、お芝居の役作りって「自分に合った」ビジュアル作りって大事だな~と改めて思いました。
役のイメージだけでビジュアルを作っても、その演者自身に似合っていなければ、きっと観る側はその「役」にも違和感を感じちゃうんだろうな、と。
逆に、その役に演者のキャラクターや芝居のスキルが追い付いていなくても、ビジュアルがフィットしていれば、それなりに納得できてしまう。
これって大事なことだな~と。
さて、次回は『大海賊』と一緒に全国ツアーで公演された岡田レビュー『Amour それは・・・』を振り返ります。
このレビューは、みっちゃんが宙組に所属していたときのトップスターだったタニちゃん(大和悠河)の、さよなら公演でしたね。
みっちゃんは月組時代、色々辛いことがあったとき、同じく当時月組に所属していた上級生のタニちゃんにとってもお世話になったと聞いたことがあります。
それもあってか、月組時代からずっとタニちゃんを慕っていたみたいですね。
なので宙組に異動して、タニちゃんトップを支えてきたみっちゃんにとっては、この『Amour それは・・・』は思い出深い作品だったことでしょうね。
そして!!
もちろん我らがこっちゃん、礼真琴&95期生にとっては思い出深い初舞台公演!!
4分でしたっけ?とにかく、いつもより長~い初舞台ロケットは、足上げ半端ないわ~と話題になりましたね。(笑)
95期の、成長した姿を存分に楽しみたいと思います♡
