3泊5日の短い旅にもかかわらず、5回にわたって紹介してきた今回の「嵐が丘とピーターラビットの舞台を訪ねて」ですが、ようやく最終回です。
旅の最終日は一路ロンドンへ。
ヒースロー空港からのフライトは夜なので、1日を有効に使うべく最終日もガッツリ観光の予定を組んでいました。
目的地はコッツウォルズ。
最終日の慌ただしさの中、さらにハプニングに見舞われ散々な1日となった顛末記をお楽しみください。(笑)
こんなはずじゃなかった …
最終日は早朝リーズを出発、まずはロンドンへ戻って荷物を パディントン駅に預け、そのままコッツウォルズを観光してから帰国の途に就く予定でした。
が、とことん最後までアクシデントから解放してくれないのがわが愛しの英国。(笑)
イギリスの鉄道には御用心
イギリス滞在最終日。
この日はリーズから朝7時の電車に乗って、予定通りの時間にロンドンに無事到着しました。
荷物を駅に預けたその足で、事前に予約しておいた電車に乗り換えコッツウォルズ地方のチッペナムへ向かいます。
お天気は快晴、太陽の日差しが心地よく、かなりウキウキしながら車窓に流れる風景を楽しみながら途中の駅スウィンドンに到着。
次の停車駅が目的地であるチッペナムです。
あと7~8分ほどでチッペナムに到着というところで、なぜか静かに電車が停車してしまいます。
もう、嫌な予感しかしません。(笑)
しばし停車したのち、聞こえてきた車掌さんの車内放送。
This train will take a different route than usual and will not pass through Chippenham and Bath ahead. Please go to Bristol and then change trains. We apologise for the late arrival.
こんな感じのアナウンスでした。
つまり、この列車は通常とは違うルートを進むから、この先のチッペナムとバースは通らないよと。
だから、チッペナムやバースに行きたい人は、ブリストルまで行って乗り換えてね、到着が遅くなるけどゴメンネってことなんです!!!
まじかぁ~~~~~!
あと数分でチッペナムなんですよ。
もう、ここで降ろしてくれっ!歩いて行くから!!って気分でしたね。(笑)
ただ、チッペナムを通ることができないということは、仮に歩いて行っても (笑)、ブリストルを経由して遠回りして行っても、結局のところチッペナムからそのままロンドンに戻る鉄道がないということなんですよね。
電車が動き出して、ブリストルの駅に到着したのはそれから1時間くらいですかね?
ちょっと覚えていませんが、かなりの無駄時間が過ぎていきました。
Bristolまで来たはいいけど、ブリストルの観光をする気分でもなく。
すっかりウキウキ気分を挫かれた sora は、もういいやっとなりまして(笑)、そのままロンドンに引き返すことにしました。
ブリストルの駅には、恐らく人気の観光地である Bath に向かいたかったであろう人たちが、ホームに溢れていました。
sora はとりあえずロンドンへ向かう電車を確認して、その電車の到着を待っているときに流れてきたアナウンスによると、どうやら雷の影響でルートを変更したようです。
どの辺りが雷に見舞われていたのかまでは分かりませんでしたが、sora は悪天候に遭遇していなかったので、貴重な晴天!を… な気分。
ほんとうに残念でした。
電車の中で過ごすしかないのか …
ロンドンに向かう電車の中では、なかばやけくそ気味に車窓越しに写真を撮りまくりました。(笑)
走る電車の車窓越しでも、意外ときれいに撮れてると思いませんか?
帰りはバース(Bath)の駅を経由しました。
バースはその名の通り「お風呂」の語源になった有名な場所。
sora はこのバースの雰囲気が大好きで、これまでに3回ほど訪れていますが、街全体がはちみつ色という印象。
とっても風情があって素敵な街です。
今も温泉が湧き続けているという Bath のミュージアム以外にも、ロイヤルクレッセントという歴史ある有名な建物(映画オリバー!の撮影でも有名になりました)もあり、sora はこの場所が大好き!
バースについては、また別の機会に紹介しますね。
それにしても、この日はリーズからロンドンまで、そしてロンドンからブリストルを経由してロンドンへ向かう間、ず~っと電車の中。
ホントもったいない。
そしてさらに災難は続くのです。
車窓に見える大好きなイギリスの田舎の風景を眺めながら、なんとか気を取り直し、このままロンドンに戻ってもロンドンでやりたいこともなかったので、どこかの町で途中下車してみようとガイドブックを開きました。
そこで目にとまったのが、往路では「次の駅がチッペナム♡」とワクワクしながら通過したスウィンドン。
よし、ここで降りてみよう!
そう思ってガイドブックを読み始めた途端、なんか示し合わせたかのように車内放送が。
「This train is passing through Swindon.」
はっ!?
もっかい言ってもらっていいですか!?
スィンドン、通過するって!?
なに、この、超絶フリーダムな英国鉄道。(笑)
日本だったらクレームの嵐が吹き荒れるレベルのことが次々と起こるのですが、ここはイギリス。
車掌さんもいつも通りの笑顔で、何もないかのように時間は過ぎていきました。
そして、スウィンドンの町も過ぎていきました。(笑)
ならば!
ロンドンに戻ったら、グリニッジへ遊びに行こうっじゃないか!
そうひらき直って車窓を眺めていると、こんなイギリスらしい風景が。
ホルスタインの放牧。
いいですね、一面に広がる緑と牛さんたち。
イギリスではこうして牛や羊、馬たちが広大な緑のじゅうたんの中で草をはむ姿をよく見かけます。
徐々にロンドンに近づいてきたころ、またもや予定変更を強いられます。
到着予定時刻が30分以上遅れていて、ロンドンに到着する頃にはグリニッジに行っている余裕もなくなるであろうことが判明。
17時にはヒースロー空港に到着しておきたいので、そこから逆算するとロンドンでの時間は1時間ほどじかなかったのです。
なんてこった。
久しぶりのロンドン観光
なんだかんだでやっとロンドンに戻ってきましたが、かなり中途半端な時間の到着。
あさ9時にリーズからロンドンに到着して、10時にロンドンを出て、それから結局ずっと電車の中で過ごし、ロンドンに戻ってきたのが15時半過ぎ。
何をしてるんでしょうね~、まったく。(笑)
この時間では、市内をちょっと歩くくらいしかできません。
特に買いたいものもなかったので、久しぶりにコテコテのロンドン観光でもしてみるか、となかばやけくそで街へ繰り出しました。
Tower of London ロンドン塔
まず訪れたのがロンドン塔です。
ここへ来るのは何度目でしょうね?何十回?(笑)
内部には2回くらいしか入ったことがありませんが、この周辺にはよく来ています。
ヘンリー6世、エドワード5世をはじめとしてたくさんの高位者がここで処刑されています。
ゆえに幽霊にまつわるお話がたくさんありますね。
この日は地元の学生らしき団体が来ていて、語り部の青年の歴史話を熱心に聞いていました。
sora もちょっとだけ隣で盗み聞きしたりして。(笑)
ロンドン塔の脇には広場がありますが、夏には市民たちがレジャーシートを広げて楽しむ姿がよく見られます。
そして、冬場にはここに臨時のスケートリンクが作られ、たくさんの人々がスケートを楽しんでいましたが、いまも続いているのかな?
Tower Bridge タワーブリッジ
あまりにも有名なこの橋。
ロンドン塔の脇のテラスから一望でき、この場所はいつも大勢の観光客が記念撮影の順番待ちしています。
sora も初ロンドンから何十回とここへ来て、何度となく記念撮影をしていますが、変わらない風景をバックに、自分の姿だけが時間の経過をハッキリ、クッキリ刻んでいるという切なさ。(笑)
このタワーブリッジですが、意外と「ロンドンブリッジ」と勘違いしてしまう人がいるようです。
「♪ロンドン橋落ちた」で歌われている橋は、このタワーブリッジではなく、もっと上流にあって近代的な造りの橋。
タワーブリッジのほうが美しく、ロンドンを象徴していることから、「ロンドン橋=タワーブリッジ」と思い込んでしまうことがあるようですね。
Big Ben ビッグ・ベン
そして最後に訪れたのがビッグベン。
もう、コテコテの観光地巡りですね。(笑)
この辺りは色々な角度から色々な風景を眺めるのが好き。
ここへ来るとついつい沢山シャッターを切ってしまします。
この日は晴天でしたが、おそらく直前までお天気が悪かったのではないかなと思います。
テムズ川の水の色は茶色く濁っていました。
でも、ビッグベンは絵になりますね、やっぱり。
ビッグベンに到着した時点で、あと15分くらいで空港へ向かう電車に乗るためにパディントンへ向かうタイミングになっていました。
それでも、なんだか名残惜しくてギリギリまでフォトタイム。
が、このときすぐに切り上げて、橋の向こう岸にある最寄りのウェストミンスター駅へ向かっていればよかったのですが …
規制線? なにごと!?
呑気にイギリスで暮らしていたときの思い出に浸りながら、ビッグベン周辺で写真を撮りまくっていたとき、すでに、橋の上では異変が起こっていたようです。
sora がいよいよ時間もギリギリになり、ウェストミンスター駅へ向かおうと川辺から橋の上に戻った時の光景。
ん?
なんだかちょっと人が少ない?
ってか、いない?
いつもはもっと観光客が往来しているはずの橋の上が、妙に閑散としていたのです。
で、ふと進行方向の右手をみると、おまわりさん。
え、通行止め!?
うそでしょ。
駅に行けなかったら困ります!!
橋に侵入してくる車も警察官が手前で静止して折り返させています。
ウェストミンスター駅は橋の向こう岸。
とりあえず向かってみますが、この先は通行できないと警察官に止められ …。
なんせ時間ギリギリ。
もぉ焦る、焦る。
そんなところに今度は空から轟音が聞こえてきました。
見上げると上空にはヘリコプターが近づいてきていました。
これはいったい何事!?
そうしている間に目の前では黄色いテープが張られ、完全に足止め状態。
さぁ、どうしよう。
ウェストミンスターからパディントンへ向かうことしか考えていなかったので、どの路線で向かえばいいのか慌てて近くにいる人をつかまえて尋ねます。
でも、みんな同じような状況に陥った観光客ばかりでらちがあかず。(苦笑)
とりあえず地図を見ると、最寄り駅がウォータールーであることが分かったので、手当たり次第に道を聞きながらなんとか駅にたどり着きます。
が、ここは複合駅なので、今度は地下鉄の入り口がわからず右往左往。
焦っていると何も見えないものですね、地下鉄の入り口は目の前にありました。(笑)
大慌てで改札へ向かいます。
でも、路線を確認しないまま来てしまったので、何線に乗ってどこで乗り換えていいのかさっぱり。
ここで初めてラッキーな誤算が発覚。
近くに立っていた駅員さんに聞くと、なんと目的地であるパディントンを通る Bakerloo ラインがこのウォータルーから利用できたのです!
これでなんとか間に合います。
パディントンに到着後、ダッシュで荷物を受け取りに走り、ヒースローへ向かう特急に飛び乗りました。
席についてホッとひと息。
すると、発車には数分あったはずの電車の扉が閉まります。
あれ?
電車が動き出して気づきました。
エクスプレスよりも1本前の、倍の時間をかけてヒースローへ向かう「普通電車」に乗ってしまったのです!
なんてこった。(笑)
空港まで15分で到着できる予定が30分かかりましたが、なんとか無事にヒースロー空港へ到着。
ちなみに、ロンドンで何が起きていたのかを知りたくて、空港に向かう電車の中でいろいろとググってみましたが、結局わかりませんでした。
空港よ、お前もか …
このとき、ちょうどANAの出発ターミナルが変更になったときで、ターミナル2からの出発でした。
初めてのターミナル … 嫌な予感しませんか?(笑)
そうなんです。
初めての利用なので、お店の場所や設備の使い勝手がわからない。
そうそう、こんなカフェがありました。
星組ファンなら撮りますよね~やっぱり。(笑)
で、そんなことをしながら、ゲートの位置関係もわかっていないにもかかわらず、またしてもギリギリまで買い物をして、そろそろ … と思ってモニターで搭乗ゲートを確認したら、なんとびっくり。
恐ろしく搭乗ゲートが遠い!!
搭乗ゲートまで「約15分」の表示に真っ青。
いちばん端っこじゃないか~い。
またしてもダッシュ!
ひたすらにダッシュ!!(笑)
汗だくになって飛行機に乗り込み、ホッとできたのもつかぬ間。
隣席の人が臭う …
そしてクレーマー …
最後の最後まで色々ありすぎた旅でした。
旅のまとめ
なんだかこうして旅を振り返ってみると、本当にハプニングやアクシデントだらけの旅だったんだな~と改めて思いました。
どの旅でも多少ならずともハプニングやアクシデント、トラブルはつきものですが、今回の旅はてんこ盛りでしたね。(笑)
念願だったハワースや湖水地方を短い期間で訪問しましたが、やはり、もう一度ゆっくり訪ねてみたいというのが本音です。
でも、いろいろ楽しかったな。