米倉涼子が「日曜日の初耳学」で語った事務所独立の理由

ずいぶん前の話になりますが、2022年が明けて間もない1月の3連休のど真ん中、日曜の夜に何気なく見ていた「日曜の初耳学」。
この番組では、林修先生がインタビュアになって時代のカリスマと1対1でトークを展開するのですが、この日のゲストは米倉涼子さんでした。
米倉さんと言えば、ドラマや舞台のみならず、バラエティなど多方面で大活躍しているわけですが、その成功の裏にあったのは彼女自身の「やりたいと思ったことを諦めない」「願い続ける」「行動あるのみ」という熱い生き方であることを、今回のインタビューで知ることができました。
米倉さんは2020年4月、長年所属してきたオスカープロモーションを退社し、自らの事務所を立ち上げ社長に就任しています。
林先生が「事務所に所属していればお芝居に集中できるのに、あえて事務所を独立した理由は?」と尋ねると、彼女はこう答えていました。
立たされている立場と、心がちぐはぐになっていた
10代でモデルデビューした彼女は、それまでずっとオスカープロモーションに所属してましたが、女優としての成功を重ねマスコミから「視聴率女王」ともてはやされる中で、事務所の中で自分の「存在意義」が大きくなりすぎてしまったことに違和感、居心地の悪さを感じるようになったようです。
様々な作品で多くの先輩俳優さんたちと話をしたりお芝居したりしていると、「自分はまだまだ経験が浅い」「基礎がない」と思わされることが多く、気が付けば「視聴率女優」と呼ばれることに押し倒されそうになっていた、と。
もっと小さな経験、やったことのない経験をして太くなりたいと語る彼女の言葉を聞きながら、以前、彼女のやりたい仕事と事務所の考えにずれがあるという話をどこかで読んだことを思い出しました。
事務所としてはエース女優の彼女への期待が大きくなるのは至極当然のことではありますが、何よりも、彼女自身の人生なのですから、もう少し、その「思い」に寄り添ったプロモートが必要だったように思います。
独立して、彼女の人生は変わったのか?

独立したことで、彼女の人生が大きく変わるのかはまだこれから答え合わせが続いていくのだと思いますが、少なくとも、独立したことで彼女自身の自分らしい生き方に近づけたのではないかと勝手に思います。
独立後に開催した自身のSHOWに、親交のあった鈴木京香さんを招いた米倉さん。そのときに鈴木さんから言われた言葉があったと言います。
やりたいと思ったことは、今やりなさい
これって実際には、なかなか難しいことですよね。でも、これを実行できる人間が成功への道を歩むのもまた事実のように思います。
大抵の人たちはやりたいと思うことがあっても、無意識に「現状維持」を好み、「やれない理由」を探してしまったりするものです。米倉さんはその点、ものすごいパワーを持った人ですね。
ミュージカル「CHICAGO」を見て、その舞台に立つことを願い、実際にブロードウェイの主演を手に入れてしまいました。
自ら「出たい!」とアピールし、2008年に日本版のCHICAGOに出演。そして2年後の2010年、ブロードウェイで主役を務めていた女優のアムラ=フェイ・ライトさんが日本に招聘され、共に舞台に取り組んだことがきっかけで、彼女はブロードウェイへの夢を抱きます。
もちろん、ブロードウェイへの道は決して簡単ではないこともわかっていたと思いますが、そこが彼女のすごいところ。
とにかく「これは絶対に人生の中でやり遂げたいことなんだ」と事務所にも伝え続け、そしてついには本当にオーディションにまでたどり着いてしまいました。
そしてさらに驚くことに、世界中のライバルとしのぎを削り、2012年、彼女は日本人として54年振りというブロードウェイでの主演、しかもロングランをやってのけました。
主役をやれるかも知れないと伝えられた時、すでに彼女は自分がやるつもりで練習していたと言います。
「絶対にやりたい!」というその思いは、失敗を決して恐れず進み続ける強さであり、「願いは叶う!」と念じ続ける執念のようなものなのかも知れませんね。
米倉涼子に学ぶ、自分らしく生きるためのヒント

今回、この記事を書こうと思ったのには理由があります。
それは、私自身が似たような思いを経験していたから。
周囲からの期待や、それによって置かれている立場と自分の心の中の思いとがいつもちぐはぐで、「わたしのやりたいことはこれじゃない!」という思いから逃れられないままずっと生きてきました。
そんなとき、たまたま見ていたテレビから心に響くフレーズがいくつも聞こえてきたのです。
そのひとつが先ほど紹介した、米倉さんが鈴木京香さんから言われたという「やりたいと思ったことは、今やりなさい」です。
それなりにやりたいことはやってきた私ですが、なぜだかこの言葉に妙に心が引っかかりました。
そしてその引っかかっていたものの答えが、米倉さんが話していたもう一つの言葉の中にありました。感動したのではなく、身につまされたといったほうが正しいかも知れません。
やりたいと思うのは100人、やるのは10人、やり続けられるのは1人
まさに、私のモヤモヤはこれだったのです。
持続力の欠如。多くのことに関心を持ち、やりたいと思うことを自由にやってきましたが、結局、器用貧乏なのです。
なんでも器用にこなせるがゆえに、あきらめも早い。
やりたいことをやる10人の中には入ることができても、やり続けられる1人にはなれないままの人生を歩んでいるのだと改めて思い知らされました。
やりたいことをやるだけでは決して成功へはたどり着くことができません。自分の限界を決めず、あきらめず、いつか手に入ると信じて努力し続ける強さが必要なのだということを、今回、米倉さんの生き方から学びました。
まとめ
皆さんは、自分の人生に満足できているでしょうか?やりたいことをやれているでしょうか?
人それぞれ「満足できる人生」は異なります。他者からどれだけ認められ、評価されても、自分自身が満足できなければ意味がないと私は思っています。
いくつになっても、自分らしい生き方を求めてリスタートはできるはず。
米倉さんのようなバイタリティ溢れる生き方は真似できなくとも、自分がいま何をしたいのか、どんな生き方をしたいのか、自分の気持ちとしっかり向き合いながら、歩んでいきたいものですね。
無限ではない時間の中で「自分らしく生きる」ことの大切さを考える、良いきっかけとなったように思います。
2022年、CHICAGOが再演されます!