
毎日使っている「円(えん)」には、実はたくさんの工夫がつまっています。たとえば、硬貨のふちのギザギザ、5円や50円の穴、紙幣の細かい模様。どれも“かっこよく見せるため”ではなく、「まちがえにくくする」「にせものを作りにくくする」ための大事なしかけです。
この記事では、難しい言葉をできるだけ使わずに、「円の名前の理由」「硬貨と紙幣の工夫」「お金の価値の考え方」を、身近な例で説明します。
なぜ日本のお金は「円(えん)」なの?
「円」は“まるい形”という意味です。むかしの日本のお金は、形や単位がいろいろあって、今のようにスッキリしていませんでした。
そこで、国としてお金のルールをまとめるときに、「まるい形のコイン」は見た目でも分かりやすく、世界でも使われやすかったため、「円」という名前が選ばれました。
つまり、「円」という名前は、みんなが分かりやすいように考えられた名前だったのです。
硬貨のふちのギザギザは、何のため?
10円や100円などの硬貨をよく見ると、ふちにギザギザがあります。これは飾りではありません。
主な理由は次の2つです。
・にせものを作りにくくするため
ギザギザの形まできれいに作るのは大変なので、いい加減なにせものはバレやすくなります。
・まちがえにくくするため
暗いところや、急いでいるときでも、指で触って区別しやすくなります。
「ギザギザ」は、ふだんの買い物を安全に、スムーズにするための工夫です。
5円と50円だけ穴があいているのはなぜ?
5円玉と50円玉には穴があります。これにも理由があります。
・見分けやすい
穴があると、目でも指でもすぐ分かります。
・お金を数える機械でも分かりやすい
自動販売機などの機械は、形や重さで硬貨を見分けます。穴があると、区別しやすくなります。
そして5円玉は「ごえん(ご縁)」と同じ音なので、神社でおさいせんに使われることが多い、という面白い話もあります。これは雑学として覚えやすいポイントです。
紙幣(お札)の細かい模様は、なぜあんなに細かい?
お札は、よく見るととても細かい線や模様がたくさんあります。これは「にせものを作りにくくするため」です。
もし模様が単純だと、コピー機やプリンターでそれっぽいものが作れてしまうかもしれません。だから、お札には次のような工夫があります。
・すかして見ると出てくる絵(すかし)
・光の当たり方で見え方が変わる部分
・小さすぎて肉眼では読みづらい文字や線
お札は「紙」ですが、ただの紙ではなく、「にせものを防ぐための工夫がたっぷり入った紙」なのです。
お金の価値は、どうやって決まるの?(いちばん大事な話)
ここが一番大切です。
お金は、金属や紙そのものが高いから価値がある、というより、「みんなが安心して使える」から価値があります。
たとえば、コンビニでもスーパーでも、自動販売機でも「円」が使えますよね。これは、社会の中で「円なら受け取っていい」とみんなが信じているからです。
この“信じられること”が、お金の力の中心です。
同じ1万円でも、買えるものが変わることがある
「1万円はいつでも1万円」ですが、買えるものの量は変わることがあります。
たとえば、昔は100円で買えたお菓子が、今は120円になっている、というようなことです。これは「注目するポイントが“金額”だけではない」という話につながります。
・数字は同じでも、買える量がちがうことがある
この考え方が分かると、ニュースで「物の値段が上がった」「生活が苦しい」と言われる理由も理解しやすくなります。
生活で役立つ:お札や硬貨が「変だな」と思ったら
ふだんは気にしなくて大丈夫ですが、もし「なんか変だな」と思ったら、次を見てみてください。
お札:
・光にすかして、すかしが自然に見えるか
・紙が変にツルツルしていないか
・線や文字がボヤけていないか
硬貨:
・明らかに軽すぎる/重すぎる感じがしないか
・ふちのギザギザが雑ではないか
不安なときは、むりに使わず、近くの大人やお店の人に相談するのが安全です。
まとめ
「円」という名前は、“まるい形で分かりやすい”ことから選ばれました。硬貨のギザギザや穴、お札の細かい模様は、まちがえにくくして、にせものを防ぐための工夫です。
そして、お金の価値の中心は「紙や金属」ではなく、「みんなが安心して使える」という信頼(しんらい)です。
次に硬貨を見たとき、ふちや穴を観察してみてください。いつものお金が、少し“すごい道具”に見えてきます。

