
スマホの地図も、教科書の地図も、たいてい「北が上」です。
だから私たちは、地図は北が上だと思い込みがちです。
でも実は、北が上なのは“便利だからそうしている”だけで、絶対の決まりではありません。
目的に合わせて、南が上の地図や、海を中心にした地図も作れます。
この記事では、①なぜ北が上になったのか、②北が上だと便利な理由、③旅行で迷いにくくなる地図の使い方を、やさしく説明します。
北が上は“約束”であって“自然の法律”ではない
空に「上の方向」があるわけではありません。
地球は丸いので、地球の外側に向かう方向はどこでも「上」です。
だから地図の上下は、基本的に人間が決めた“約束”です。
この事実だけでも、地図の見方が少し自由になります。
北が上になったのは〇〇が定着したから
地図の歴史をざっくり言うと、昔から必ず北が上だったわけではありません。
時代や地域によって、東が上、南が上など、いろいろな地図がありました。
ただ、航海や国の管理、教育などで「みんなが同じ向きで読む」必要が高まると、統一された向きが便利になります。
その中で北が上の地図が広く使われ、標準のように定着していきました。
つまり、「北が上」になったのは、北が上の地図が広く使われるようになり、それがそのまま定着したのではないかという説があるのです。
北が上だと方位磁石(コンパス)と相性がいい
定着するにはそれなりの理由があるわけですが、実用面で分かりやすい理由の一つが「コンパスとの相性」です。
方位磁石は「北」を示します。
地図が北を上にしてあると、地図を実際の景色に合わせるのが簡単になります。
例えば、地図を手に持って、コンパスで北を合わせると、地図の上が現実の北とそろいます。
すると、地図の右側が東、左側が西、下が南になり、方向感覚が作りやすくなります。
“北が上”は、現実の方向と合わせやすいので、迷子を減らすのに向いています。
北が上だと分かりにくい地図もある:目的で変えてOK
地図は「正しく描くこと」だけが目的ではありません。
分かりやすく伝えることも重要です。
例えば、ある地域で「海沿いの道」を紹介したいなら、海を下に置くより、海を上に置いたほうがイメージしやすい場合があります。
また、長い縦の地形(南北に長い半島など)を大きく見せたいなら、向きを変えるほうが読みやすいこともあります。
つまり、地図は“読む人のための道具”なので、目的が変われば向きが変わっても良いのです。
旅行で役立つ:地図で迷いにくくなる3つのコツ
ここからは実用編です。
旅行や街歩きで迷いにくくなる方法を3つに絞ります。
まず「大きい目印」を決める
駅、大通り、川、海、山など、動かない大きな目印を1つ決めます。
街は細い道を追うほど迷いやすいので、まず大枠をつかむのが大事です。
自分の進む方向を“言葉で言える”ようにする
「なんとなくこっち」ではなく、「駅から北に2本、東に1本」のように言葉にすると、頭の中の地図が安定します。
スマホ地図でも、進行方向に合わせて地図が回転する設定があるため、便利ですが、回転しすぎると“方角の感覚”が育ちにくいことがあります。
迷いやすい人は、北固定の表示にして練習すると、方向の理解が深まりやすいです。
迷ったら「最後に確実だった場所」に戻る
迷い続けると、現在地の誤差がどんどん増えます。
「あの交差点までは確実」
という地点に一度戻ると、状況がリセットされて解決しやすくなります。
これは地図読みの基本で、急がば回れです。
地図は“世界観”を作る
地図は情報ですが、同時に“見方”も作ります。
北が上の地図に慣れると、北が「上」、南が「下」という感覚が当たり前になります。
でもそれは自然の真理ではなく、長く使われた約束の結果です。
この視点を持つと、海外の地図、昔の地図、観光地の案内図などが、少し面白く見えてきます。
まとめ
地図で北が上なのは、絶対ルールではなく、広く使われて便利だったため定着した約束です。
コンパスと合わせやすいなど実用的な理由がありますが、目的によって向きを変えた地図も成立します。
旅行で迷いにくくするには、大きい目印、方向を言葉にする、確実地点に戻る、の3つが効果的です。
地図は“見る道具”であると同時に、“考え方”も作る道具です。
次に地図を見るときは、「なぜこの向き?」と一度だけ考えてみてください。


