宝塚の至宝、礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第20回。
今回は、『ダンサ セレナータ』を振り返ります。
私はこの作品と2008年の再演『ブエノスアイレスの風』が、頭の中でごっちゃになる時があります。
ちえねね(柚希礼音&夢咲ねね)による正塚タンゴワールド。
『ブエノスアイレスの風』はありちゃん(暁千星)も星組に異動になる直前に再々演していますが、ちえちゃんの再演のときは、当時2番手だった柚希礼音と、月組から組替えしてきたばかりの嫁候補 夢咲ねねの「暗黙のコンビお披露目公演」でしたね。
当時はちえちゃんのスパルタ指導にずいぶん苦しんだらしいねねちゃんですが、この『ダンサ セレナータ』では、いろんな意味で貫禄を身に付け、ちょっぴり成長した姿を見せてくれました。
そして、こっちゃん(礼真琴)はこのとき研4。
本公演では、まだ通し役というわけにはいきませんが、新人公演ではこの公演から星組にやって来たちえちゃんの同期生、まーちゃん(十輝いりす)の役を演じています。
この新人公演、以前録画していたようなので(忘れてたけど … 笑)、併せて振り返ってみようと思います。
『ダンサ セレナータ』予備知識
あらすじ
今は廃墟となり取り壊しが決まったクラブに、かつてここでトップダンサーとして踊っていたイサアクが現れます。
そして華やかなステージ、音楽、人々のざわめき、踊りにすべてをかけていた記憶が蘇っていきます。
かつてのクラブ「ルア アズール」のステージ。
そこではイサアクを中心としたダンスショーがおこなわれていました。
ショーは大盛況で幕を閉じますが、イサアクは納得できていない様子を見せます。
とはいえパートナーのアンジェリータは何度も振りの変更を求めるイサアクを相手にしませんでした。
ある日イサアクは、酔っ払った兵士に絡まれていた植民地出身の兄妹mアンジェロとモニカを助けます。
数日後、その妹モニカがダンサーのオーディションを受ける友人に付き添ってクラブにやって来ました。
たまたまモニカの踊る姿を見たイサアクは、彼女にダンサーになるよう勧誘します。
モニカは戸惑いながらも「友人も一緒に採用してくれるなら」と条件をつけて、イサアクの誘いを受諾しました。
その頃、兄のアンジェロは祖国の独立を後押しするため、本国で頻発する反政府運動を組織化すべく、革命を目指す反政府運動のメンバーと密かに会合を行っていました。
しかし、その会合の様子を国家防衛警察(秘密警察)のホアキンらが密かに探っていたため、アンジェロはしばらくして拘束されてしまいます。
一方、モニカはダンサーとなりクラブで踊っていました。
あるときショーの途中でアンジェリータが転倒し、怪我を負ってしまいます。
代役としてモニカが選ばれ、一緒に踊ることになったイサアクは、これまでにない気持ちの高まりを覚え、できるだけ長く彼女と踊り続けたいとの思いを強く持つようになっていきます。
祖国の独立を願い、いずれは国へ帰るつもりでいたモニカをイサアクは引き留めようとするのですが、間もなくしてモニカは秘密警察に連行されてしまいます。
果たして二人の行く末は・・・。
主な配役
イサアク:柚希 礼音
モニカ:夢咲 ねね
ローザ:万里 柚美
フェルナンド:美稀 千種
ジョゼ:涼 紫央
アマリア:毬乃 ゆい
老人/クラウディオ:美城 れん
アンジェロ:十輝 いりす(新人公演:礼 真琴)
マヌエラ/エヴァ:花愛 瑞穂
イザベル:音花 ゆり
ニコラウ:鶴美 舞夕
ホアキン:紅 ゆずる
ジルベルト:碧海 りま
アンジェリータ:白華 れみ
カミーロ:壱城 あずさ
アルベルト:如月 蓮
イネス:南風 里名
テレーザ:稀鳥 まりや
カレル:天寿 光希
パトリシア:音波 みのり
サラ:優香 りこ
ルシア:愛水 せれ奈
カタリーナ:妃白 ゆあ
ルイス:真風 涼帆
クリスティナ:紫月 音寧
ミージア:夢妃 杏瑠
ジョアン:十碧 れいや
レベッカ:珠華 ゆふ
リタ:早乙女 わかば
モウリーニョ:漣 レイラ
サルヴァドール:麻央 侑希
マテウス:飛河 蘭
ミゲル:礼 真琴
アントニオ:ひろ香 祐
カロリーナ:綺咲 愛里
配役は「ミゲル」よりも「ダンサー男」
配役一覧に「ミゲル:礼真琴」を見つけ、いよいよ通し役ですか!との期待も虚しく… ミゲルとして登場するのは1場面のみ。
むしろ「ダンサー男」が通し役ですね。
第2場 クラブのステージ(ダンサー男)
こっちゃんは黄色のジャケットを着ています。
しーらん(壱城あずさ)を筆頭に全部で4人くらい黄色いジャケットを着ているので紛らわしいのですが、だいたい下手の後方で踊ってます。
途中は奥のほうで、踊らずに立っていたりもします。
ここのダンスはスピード感が半端なく、完全にちえちゃん仕様ですね。
こっちゃんは後ろの方ではありますが、バリバリ余裕で踊ってます!
第4場 居酒屋(酒場の兵士 ミゲル)
唯一の「ミゲル」登場シーン。
十碧れいやくん、ヒーロー(ひろ香祐)と3人で、酔っ払い兵士頑張ってます。
周りがみんなガタイが良すぎて、こっちゃん、子ども。(笑)
一生懸命悪態ついて絡んでいますが、ちょっとまだ迫力がね。
立ち向かっていく相手が巨大なまーちゃんだから余計に・・・。
ヒーローはなんだか95期、音楽学校の文化祭を彷彿とさせる、ただ「がなってる」だけの芝居にみえちゃったのが残念。
そしてこっちゃん、憧れのちえちゃんに殴りかかってかるーくかわされております。(笑)
第5場 クラブ(ダンサー男)
白シャツに濃いベージュのベストを着ているのがこっちゃんのようですが、ほとんどカメラに映らず、最後の方でようやく上手後方にチラリと。
第7場 クラブ(ダンサー男)
ちえちゃんを中心に、黒いスーツに赤シャツで踊りまくるダンサーズ、かっこいい!!
こっちゃんはちえちゃん登場前までは下手の端で踊っていますが、そのあとセンターに移動、ちえちゃんを含めて4人だけで踊るメンバーに!
柚希礼音、真風涼帆、鶴美舞夕、そして礼真琴。
4人で踊るのは数小節だけですが、嬉しい♡
その後はずっとちえちゃんの後ろでバリッバリ、キレッキレのダンスを見せてくれているこっちゃんです。
が、周りにダンディな大人の色気漂いすぎて… やっぱり幼い。
う~ん、身長がさほど高くなくて、しかも童顔ってほんと男役としては損しちゃいますね。
ダンスは素晴らしいのに。
第8場 取調室(ダンサー男)
取り調べ中に後ろでシルエットのように2組くらいのダンサーが踊っていますが、きっとそこにこっちゃんがいると思われます。
真っ暗なので分かるはずもなく…。
第9場 クラブ(ダンサー男)
ほとんど映りませんが、最後列の上手側がこっちゃんと思われます。
ダンスが終わって、前の方でお芝居が進んでいるときに、後ろの方でボタン色っぽいドレスの娘役さんとお話ししてます。
前髪が少しパーマかかっている感じ?
第10場 病室 ~ 第11場 ホテル(ダンサー男)
暗闇の中で踊ってるので、こっちゃんを認識するのは不可能でした…。
第19場 クラブ(ダンサー男)
もっと簡単にこっちゃんを見つけられると思っていたら、前半ほぼ不明。(笑)
一度だけ、ゆりかちゃん(真風涼帆)の下手後方にチラリとお顔が見えましたが、まともにこっちゃんのダンスが見られたのはもっとあと。
ほとんど終わりがけ、ちえちゃんもいなくなってちょっと薄暗い中で皆が踊っている場面で、センター付近2列目にこっちゃん発見!
すぐに場面が終わってしまうので、束の間のこっちゃんタイムですが、とりあえずキレッキレ具合は楽しめます♡
新人公演:アンジェロ(本役:十輝いりす)
登場シーンは、出てきて去るだけという雰囲気で見せる場面ですが、目力が弱いですね。
でも、髪型とかお化粧とか工夫してるな~という感じ。
妹のモニカ(早乙女わかば)とのバランスが良くないのかな~、こっちゃんの方が弟に見えちゃうんですよね~。
でも、全体的にこっちゃんのセリフ回し、活舌、声色がめちゃめちゃ心地良いです。
そのせいか「さわやかなお兄さん風」に見えてしまって、心の闇が見えにくくなっちゃったかな~という気はしますが。
取り調べでつるし上げられてる時のこっちゃん、いい表情してます。
そして拷問を受けたあとのこっちゃんは迫真の演技!口の周りに血のりついてて、痛そ~。
でも、今思えば新人公演で大役をもらったこの役が「打たれ役者」のスタートだったんだな。(笑)
この当時、新公ながらにすでに迫真の演技を見せていたこっちゃん。
さすがでございますな。
偶然にも先日、スカニュの過去映像でこの新人公演についてこっちゃん、ぽこちゃん(十碧れいや)、まおくん(麻央侑希)のトークが再放送されていましたが、こっちゃんが「歌わない、踊らない、芝居だけというのは難しい」というような話をしていました。
でも、総合的にそれなりに及第点だったし、なによりもセリフ回しが心地よく、新人公演としては良い出来だったのではないでしょうか。
雰囲気が幼いのは、まだ、仕方ないですね。
まとめ
前回の『オーシャンズ11』が、個人的には違和感たっぷりではあったものの、それなりに「突然の」大役だったので、そのあとがこれではちょっと物足りない感じでしたね~。
役が付いたと言っても、あえて「役名」がなくても成立するような役だったわけで。
ダンサーとしても特に目立つポジションというわけでもなかったし。
そしてゆりかちゃん主演の新人公演の並びでは、ご挨拶する場面でフレームアウトするくらいセンターから遠い端のほうに立っているこっちゃんが新鮮でした。(笑)
次回は、ショー『Celebrity』を振り返ります。
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