この記事は2023年12月16日に投稿した記事の再掲載です
星組の話題作『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~』の稽古場情報が流れ、いよいよ!とワクワクモードに入っているさなか、劇団からまたしても「とんでもない発表」がありました。
公演日程の変更前倒し。
ただでさえチケット入手困難なこの星組公演、そして花組はトップコンビのサヨナラ公演です。
チケット抽選販売、一般販売をしてからの「公演中止」はあまりにもファン、チケット購入者をバカにしています。
宙組東京公演の無策なチケット販売にも憤りを感じていましたが、結局、また同じことをしているお粗末さ。
本当にこの劇団、救いようがない…。
今回対象になった中止公演のチケットは持っていないけど、モヤモヤとかのレベルではなく、もはやムカムカ、イライラが募っています。
宝塚歌劇の舞台を30年以上愛し、時代ごとのスターさんに憧れ、日々、努力を重ねて夢の舞台を生み出してくれる生徒さんたちに自らの夢を預けてきたからこそ、舞台裏で起きている劇団経営陣のあれやこれやに怒りが込み上げてきます。
なぜいつも「判断力」が鈍いのか
振り返ってみれば9月30日、宙組公演初日の翌日にタカラジェンヌの死が報じられ、そこからの劇団の動きや対応は驚くほどに世間ズレの連続でした。
時系列をだとっていくと、ますますこの劇団のどーしようもない本質が浮き彫りになりますね。
9月30日、宙組現役生の死が報じられる
とにかく信じがたい衝撃的な報道でした。
転落死した25歳の女性が「タカラジェンヌ」であることが、宝塚署の発表として最初の報道で伝えられたのにもかなり驚きました。
その報道の直後から、この日の公演を「休演していた宙組生」と年齢が一致していたことで、ファンの間に不安が広がりました。
そして、その生徒さんのご実家が営まれているお店に翌日以降の「臨時休業」のお知らせが掲載されている、という情報がヅカ友から寄せられたのたのも、この日だったと記憶しています。
現役生徒が、しかも出演している公演中に自らの命を絶つという、劇団にとっては何をおいても最優先で対応しなければならない状況の中で、劇団は信じがたい動きを見せました。
さすがに宙組公演は翌日10/1から中止になりましたが、バウホールで予定されていた『宝塚舞踊会』は公演を強行しました。
コロナ禍でここ数年の開催が見送られ、久しぶりの開催でした。
しかも1日限りの公演です。
この日のために出演者が稽古に励んできたのも理解します。
でも、この公演を実施するべきではなかったと個人的には思っています。
ましてや出演者の中にはご遺族もいらっしゃいました。
ご本人の思いは測り知れませんが、いろいろな思いを抱え苦しまれたことでしょう。
自分が休演すれば他の出演者たちに迷惑が掛かってしまう、との思いも当然あったと思います。
ご遺族への配慮のかけらもないのか、、、
劇団はなぜ、このとき公演自体の「中止」を決断しなかったのか、未だに「?」が残ります。
今回の公演日程見直しにより中止公演が出て怒っているのに、中止すべきだったと思うのは矛盾しているようではありますが、このときとはまったくもって背景が異なります。
宝塚舞踊会の開演に先立ち、当時の木場理事長が挨拶をされたと報道で知りました。
そして、多くのヅカファンの報告でそのコメント内容も目にしました。
公演実施の理由は「生徒たちが頑張って稽古してきた、それを発表する場だから公演を実施させていただきたい」というような内容だったかと思います。
実際に聞いていないので、伝え聞く中で意訳になってしまったかも知れません。
ただ、このコメントが事実であるならば、お金を払って見に来てくれるお客様に対しての配慮ではなく、劇団都合の公演強行でしかありません。
ひとりの劇団員がどれほどの思いで「自らの人生を終わらせる」ことを選択するに至ってしまったのか、ことの重大さを理解しているとは到底思えませんでした。
それは、当時ホームページに掲載された文章にも表れていましたよね。
いまはしらっと消されていて読むことはできませんが、記憶をたどれば「歌劇団生徒の急逝が報道されました」というような他人事を語るかのような文面だったと思います。
あれを読んだ時の脱力感。
その後もずっとファンを、そして生徒たちを失望させ続け、気づけば世間を敵に回し続けているかのごとく。
これが現実。
宙組東京公演のチケットを売り切る
芹香斗亜&春乃さくらの宝塚大劇場お披露目公演は、わずか初日から2日間の公演ののち、中止となりました。
でも当初の発表は「全日程の中止」ではなく、一定期間という発表。
その後、大阪、神戸、京都の新聞・通信社が加盟している「大阪芸能記者会」による記者会見開催要請に応じる形で、当時の木場理事長が単独記者会見を開き、10月22日(日)まで休止期間を延長することが発表されました。
この段階でもまだ、全日程の中止は決断されていませんでした。
残念ながら、世間では「いや、もうやれないでしょう」という見方で占められていたにも関わらず。
そして公演未定期間のチケットを握りしめたファンは、モヤモヤしながら払い戻しにも応じてもらえず、交通機関やホテルも中途半端にキャンセルできず、、、。
劇団都合で公演未定になっているのですから、その期間も「キャンセル希望」には応じる必要があると思います。
さらに驚いたことには、東京公演も先行きが見えていない状況の中で売り切ったことです。
第1抽選は9月末に実施済みだったから仕方ないにしても、第2抽選は事件後10/1~3がエントリー期間で、結果照会は10/6~7でした。
さらに先着順にいたっては、最初の記者会見で大劇場の公演中止延期を発表した後の12/8~9でした。
個人的には東京公演も実施できるとは思えず、この時期のチケット販売にはドン引き。
なぜ劇団は「見合わせ」ということをしないのでしょうね?
変な話、チケット販売をいったん見合わせて、公演実施の見通しがたってから販売したって、なんなら全公演当日券でもたぶん劇場は一定数埋まります。
もちろん、劇場へ行ってチケット買うのに並ぶのはしんどい。(昔は前売り日にずらりと行列し、各スターさんの会では「並び」に協力した人から良席を配分していたなんてこともありました)
ま、出演者も発表しないままチケット販売をする「どーせ買うんでしょ?」という王様劇団ですから(また雪組全ツがその洗礼…)、公演予定がわからないチケット販売も平気なのでしょうけれど。。。
で、結局大劇場のみならず、引っ張るだけ引っ張って東京公演も全日程が中止されました。
でも、ここまでこの問題が大きくなって、まだまだ長引いくであろう状況を招いているのは、完全に劇団自身が撒き散らしている「負の種」が原因です。
ヘラヘラ、ニヤニヤしながら見当違いな回答を並べ立てた某劇団職員の記者会見、ご遺族の思いにまったく寄り添っていない、むしろ批判を展開したかのような調査結果の公表と劇団幹部たちの記者会見、、、
そして外部調査チームの関係者疑惑、劇団員への聞き取り調査自体への疑問、劇団の情報発信への不信、公演に関する決定・発表のグダグダ。
どうしたもんか。
労基が入っても見通しが甘い
11/14に今後の方針が示されましたが、その時にはすでに発表済みの前半公演はそのままに、後半から公演期間や回数の見直しを行うというものでした。
そして11月22日に西宮労働基準監督署が立ち入り調査。
その段階で、おそらく正月公演以降の公演日程にも変更が生じることは避けられなかったのだと思います。
そして2度目の立ち入りで確定、今回の発表に至ったのでしょう。
公演日程を変更するにはもちろん、様々なところに影響が出るため調整に時間がかかったのかも知れません。
ただ、ただ、ですよ。
少なくとも大劇場は自前なのですから、劇団の「見通し」さえちゃんとしていれば、こんなお粗末なグダグダにはなっていないと思うのです。
この段階でのお正月公演以降の日程見直しにより、複数の公演中止日が発生しています。
星組の大劇場チケットの第1抽選は11/10~12、結果照会が11/15~16、そして第2抽選が11/19~21、結果照会が11/24~25でした。
少なくとも、労基が立ち入ってから2日間の猶予があった第2抽選の結果発表は止めることができたはず。
どうして購入者に結果として迷惑がかかる範囲を最小限に留めるための判断、努力をしないのでしょうね。
抽選ならまだしも、その後11/26~27先着順方式では本当に大変な努力をしてチケットをゲットされた人もいたと思うのです。
そのチケットが中止対象の公演だったなんて、他人事では済まされないくらい悲しいし、怒り心頭です。
幸か不幸か soraさんは、今回の星組大劇場は1枚もチケットを手にできていないので、公演中止による影響はなかったのですが、いや~なんだか腹が立っています。
こっちゃん(礼真琴)が休養期間を経て舞台に帰ってくる、そして話題の作品。
ファンはほんとーーーーーに楽しみにしているのです。
お正月公演を楽しみにされていた人にとっては公演2週間前になって突然の「公演中止」。
スカステの中継ももちろん中止になって落胆。
その他の公演だって、中止になった公演チケットをやっとの思いで手にした人にとっては、どこに思いをぶつければいいの!?って感じではないかと。
花組だってれいちゃん(柚香光)とまどかちゃん(星風まどか)の大切な「サヨナラ公演」です。
初日が変わり、そしてれいちゃんの「お誕生日貸切」も中止となっていましたね。
花組については第1抽選が終わっている段階なので、SSが当たって歓喜した人たちも、公演中止でどん底に落とされたりしていることでしょう、、、。
なんで早い段階での英断ができないのかな。
組織にそれができる人間がいないのは、本当に不幸です。
おわりに
劇団の甘い判断、後手後手の対応、観客を無視した強引な手法にイライラは止まりませんが、今回のできごとの唯一の光は、目に見える形での「働き方改革」が始まったということでしょうか。
ただし、それはこれかっらも大好きな宝塚歌劇の舞台を魅せてくれるであろう生徒さんへの思いであって、今回の完全なる劇団都合による「チケット販売後の強引な日程変更」に対しては、ハッキリと異議を唱えたいです。
それは、これまでにもファンの宝塚愛に甘えた「王様のふるまい」をしてきた劇団に対する蓄積された怒りでもあります。
相も変わらず出演者の発表をしないままにチケットを販売を開始するのもやめていただきたい。
今回の「働き方改革」によって、劇団内部の構造にも変化をもたらすのでしょうか。
いくら表向き、公演日数を減らしたり、お稽古期間を長くしたりしたところで、内部構造や経営・運営陣の意識も変わらなければ改革は実現しません。
宝塚歌劇団が世離れした「竜宮城」ではなく、現実世界に存在するいち「企業」であることを我々ファンもしっかりと肝に銘じ、なんでも「生徒さんのためだから」と受け入れるのではなく、時には厳しい目でその未来を見守り、共に歩いて行きたいものですね。
この記事は2024年2月4日に投稿した記事の再掲載です 前回の『1789-バスティーユの恋人たち』では、奇跡的に3公演も劇場で観ることができましたが、今回はムラも東京も撃沈。 配信に頼るしかない状況に […]
今朝、何気なくXを開くと、トレンドの一番下のほうに「ヅカオタ」という文字が。 ヅカオタ? この文字を見ると、条件反射的に「またなにかヅカオタの暴走が話題に上っていたりする?」って思ってしまう。 これも […]
2025年のスケジュールが発表されましたね。 お正月公演は順当に宙組が務め、舞台設備工事期間を挟んで雪組、星組、花組と従来の公演並びです。 舞台設備工事、補強かな? え、レミゼとかやれる舞台にしてくれ […]
宝塚の至宝、礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第39回。 今回は紅ゆずる主演の全国ツアー『風と共に去りぬ』を振り返ります。 この公演は、とことん全国ツアー公演に縁がなかったさゆみちゃん(紅ゆずる)の全国ツ […]
礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第29回。 中日・台湾公演の3本立ての最後の1本、『Étoile de TAKARAZUKA』を振り返ります。 基本的には大劇場&東京で公演されたヴァージョンと同じですが […]