宝塚の至宝、礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第39回。
今回は紅ゆずる主演の全国ツアー『風と共に去りぬ』を振り返ります。
この公演は、とことん全国ツアー公演に縁がなかったさゆみちゃん(紅ゆずる)の全国ツアー初主演にして、全ツへの参加自体が初だったと記憶しています。
最初で最後!?
そして体調を崩してしまい、色々な意味で辛い思いをされた公演でもありましたね。
そしてこっちゃんは、アシュレ … ではなく、スカーレット!!
配役が発表された際、抵抗なく「うん、見てみたい!!」と思いつつ、ちょっと心配だったのが、丸顔にあの髪型はどうなの???(笑)
その心配は … う~んポスターみる限り、ひとまず横顔はOK!
残念ながら生での観劇は叶いませんでしたが、スカステ放送当時に観た感想は… やっぱりちょっと似合ってないな~。
久しぶりに見るので、また、印象が変わるかも知れません。
『風と共に去りぬ』予備知識
あらすじ
ときは南北戦争の真っ只中。
成り行きで結婚した夫が病死して未亡人となったスカーレットが、南部の街アトランタへやってきます。
そこで社会のはみ出し者レット・バトラーと再会。
ある日、陸軍病院のバザーでダンスの相手を競売する催しが行われますが、そこでレットはスカーレットに法外な値をつけて入札します。
夫の喪中に嫌気がさしていたスカーレットは、周囲の反対をよそにその申し出を受けてしまうのでした。
ある日、スカーレットが想いを寄せるアシュレが戦地から休暇で帰ってきました。
スカーレットは体の弱いアシュレの妻メラニーの目を盗んでアシュレに自分の気持ちを告げますが、アシュレはスカーレットに「メラニーを頼む」と言い残し、ふたたび戦地へ。
戦火は日ごと拡がり、ついにアトランタにも北軍が迫っていました。
砲撃のさなか、アシュレの子を宿していたメラニーが倒れ、アシュレからメラニーを任されたスカーレットは「恋敵」でもあるメラニーへの複雑な思いを抱えつつ、アシュレとの約束を果たそうと決意します。
アトランタが戦火に包まれる中、スカーレットはレット・バトラーに頼み込み、メラニーを連れて馬車で故郷のタラへ向かうことに。
しかしタラまであと少し、というところでレッドは馬車を止め、いまや敗北寸前の南軍に志願するため、スカーレットたちを残し、戦地へ引き返してしまいます。
タラに辿り着いたスカーレットは愛する故郷の変わり果てた姿に絶句。
両親亡き今、タラの主人は自分であると悲しみを堪えて強い決意するのでした。
やがて南部が負けて戦争が終わり、スカーレットは戦地から帰ってきたアシュレらと共に荒れたタラの農園を必死に耕していました。
しかし農園にかけられた税金は高く、スカーレットはお金のために、レット・バトラーと結婚することに。
北部と商売を始めたレットとスカーレットは、アトランタの新居に南部と北部の人たちを招いてパーティーを開きます。
北部と南部の若者たちはスカーレットを新しい本物のアメリカ人だと称賛するが、一方で、南部の大人たちはスカーレットには「南部の誇りがない」と、目の敵にするのでした。
そんな中、スカーレットとアシュレが抱き合っていたという噂が広まり、レットは嫉妬に狂います。
酒に溺れ、ついには、酔ったはずみでスカーレットを階段から突き落としてしまいました。
幸いにもスカーレットは一命を取り留めましたが、レットは自らのスカーレットへの激しい愛を恐れるようになっていたのです。
やがて、体調がすぐれなかったメラニーが亡くなります。
愛する妻の死に、どんどん腑抜けになっていくアシュレの姿を見たスカーレットは、自分が本当に愛していたのはレットなのだと気が付くのでした。
スカーレットは初めてその本心をレット・バトラーに告げますが、時すでに遅し。
レットはひとり、旅立って行くのでした。
主な配役
レット・バトラー:紅ゆずる
スカーレット・オハラ:礼真琴
アシュレ・ウィルクス:華形ひかる
マミー:美城れん
ミード夫人:万里柚美
ミード博士:美稀千種
ピティパット:毬乃ゆい
ルネ:如月蓮
ベル・ワットリング:天寿光希
メラニー・ハミルトン:音波みのり
ワイティング夫人:大輝真琴
メイベル:妃白ゆあ
ピーター:輝咲玲央
リンダ:紫月音寧
スカーレットII:夢妃杏瑠
メリーウェザー夫人: 珠華ゆふ
ジョージ:漣レイラ
エルシング夫人:毬愛まゆ
プリシー/令嬢:紫りら
マリリン:真衣ひなの
ベティ:逢月あかり
フィル/青年:音咲いつき
チャーリー:紫藤りゅう
ファニー:白鳥ゆりや
令嬢:華鳥礼良
スタンレー:桃堂純
司会者/青年:凰羽みらい
ウィリー:天華えま
夫人:澪乃桜季
駅員:湊璃飛
青年:夕渚りょう
令嬢:小桜ほのか
何やらせても礼真琴はできちゃうよね
この『風と共に去りぬ』という作品は、どう頑張って脚色してもスカーレットが主役。
バトラー編とは名ばかりで、スカーレットの出番ばっかり。(笑)
原作がスカーレットの物語だから仕方ないのですが、今回、改めて見てそう思いました。
しかも、さゆみちゃん(紅ゆずる)がバトラー役者じゃないから、余計にこっちゃんスカーレットに重きが置かれちゃうと言いますか。
さゆみちゃん、気の毒なくらい任じゃない…。
もちろん、こっちゃんもパーフェクトとは言いませんが、そこそここなせちゃっている分、二人のアンバランスさが気になりました。
好き嫌いはあると思いますが、私はいしちゃん(轟悠)のレットでこっちゃんスカーレットを見てみたかったな~。
紅ゆずるにレットをやらせたかったというより、劇団は礼真琴にスカーレットをやらせたかっただけ?とか思っちゃいました。
さゆみちゃんなりの解釈で熱演ではあるんですけど、響かない…。
任じゃない役をどうにかこうにか魅せる力も必要ですが、ここまでかけ離れてしまうと…
気の毒としか言いようがないですね~。
さて、こっちゃん。
こっちゃんにもね、突っ込みどころはありますよ。(笑)
ビジュアルのこと
幕開きのスカーレット定番スタイルは、やっぱり髪型が似合ってないな~。
ポスターはそれほどじゃなかったけど、やはり動くスカーレットを見ると、この髪型は似合ってないですね。
お顔の輪郭が丸いから、そもそもが、このスタイルは難しい。
せめて生え際を出しちゃったほうが良かったような…。
でも、そのあとに出てくる前髪スタイルは同じで、後ろをまとめているスタイルはすごく似合っていてカワイイんですよね~。
ってことは、顔の周りにフサフサの髪があると丸顔が強調されちゃうってこと!?
でもタラの場面の髪型は、髪下ろしているけどこっちゃんの輪郭でも違和感なく似合ってるんだよな~。(笑)
歌とか声色とか
幕開きの歌のキー、もう少し上でもよくないですかね?
低すぎる。
過去にも、男役スカーレットのときはこれくらいのキーだった気もしますが、こっちゃんならもうちょっと高いキーで歌えると思うんですよね、もったいない。
いきなり幕切れの話になりますが、♪『明日になれば』は… やっぱりいいですね~♡
できれば2番までフルコーラスで歌って欲しい。
お芝居も迫真の演技で。
ただ、セリフについては全体的に言えることなのですが、声色を作っているからか、ところどころ頭のてっぺんに響いちゃって…。
男役さんが女役やる時って、どうしてもキー上げて台詞を言うから仕方ないことなんですけど、気になりだすと台詞のたびにキーン。
いつもリピートしちゃう場面
メラニーが亡くなって、悲しみに暮れるアシュレ。
スカーレットがバトラーの前を通り過ぎてアシュレの元に歩み寄る場面。
自分の前を素通りしてアシュレの元に歩み寄るスカーレットに絶望し、立ち尽くすレット。
そして静かに去っていくあのシーンが、いつも何か響くものがあり、ジーンとします。
これまでにも歴代の『風と共に去りぬ』をたくさん見てきましたが、この場面は誰が演じたヴァージョンでも変わらず、大好き!
なんでしょう、人の気持ちの「不確かさ」とか見えない「奥深さ」とか、なんかいろんなことをあの場面で一気に感じちゃうんです。
任じゃないと思ったさゆみちゃんバトラーではありますが、それでもやはり芝居心はしっかり伝わってくるものですね。
今回もリピートしてしまいました。
こっちゃんのカワイイところ
バトラーに別れを告げられて、泣いて許しを請う場面。
「レット、私はあなたを愛しています!」
「レットお願いです、私の言うことを信じて下さい!」
ひざまづいて必死で許しを請うスカーレットに対し、レットが「信じているよ」と振り返った瞬間のこっちゃんスカーレットの笑顔。
なんてキュートな♡
子どもみたいに笑うのね。
この一瞬の笑顔、好き~♡
でもレットに「だが、もう遅い」と言われちゃうスカーレット。
そして泣きながら「そんなことおっしゃらないで!」
「あ~!どう言ったらあなたに分かってもらえるのかしらぁ~~~」
ほんと、こっちゃんスカーレット、子供みたい。(笑)
そりゃ、レットに言われちゃいますよね。
「スカーレット、そういう風にきみは子どもなんだよ。」
つまり、これは役作り大成功ってことかな。www
スカーレットがロケットにいる不思議
これ、全国ツアーならではですよね。(笑)
下手から5番目がなんと、さっきまでスカーレットを熱演していた礼真琴氏。
しかも、ひっそりと混じってるんじゃないですよ。
バッチリ「こっちゃん」スマイル、ハイビームで飛びまくってます。(笑)
更にはスカーレットのお化粧、一人だけちょっと白浮きしてて目立つのよね、これがまた。
スカーレットって歌もほとんどないし、ましてや踊らない作品だから、これは間違いなくこっちゃんに「踊らせてあげなきゃ!」の心遣いですよね~。
いや~まさかスカーレットがロケットガールやってるなんて、気づかない人もいたでしょうね、当時は。
だってそのあと♪「Night&Day」でさゆみちゃんと出てくるし。
Night&Day
この頃の全国ツアーは階段が5段しかなかったから、ちょっと残念。
これはやっぱり大階段で見たい!
それにしても、こっちゃん普通にカワイイですよね~。
髪型も片方が短くなったおかっぱちゃんがよく似合います♡
ダンスはバッチリ、こっちゃんがリードしてる感じでしたけど。www
さゆみちゃん好きだけど、やっぱりこれは柚希礼音&礼真琴で見てみたかったな~。
今日はさゆみちゃんファンにボコボコにされそう。(笑)
いや、ほんとにさゆみちゃん好きなんですよ、念のため。
まとめ
普通になんでもできちゃう礼真琴。
これは幼いころから子役として芸が身についているからでしょうか。
それともやっぱり才能の塊なの!?
よくわかりませんが…
いつの間にやら常にライトを浴びて、真ん中で堂々とお芝居をするスターさんになっていることに感動しますね。
でも、こっちゃんの可愛らしさはずっとそのまま。
言うことなし。(笑)
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