宝塚の至宝、礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第22回。
今回は全国ツアー公演『琥珀色の雨にぬれて』です。
この作品は、花組の高汐巴&若葉ひろみの初演を映像で見て、その後、新トップコンビ 高汐巴&秋篠美帆で上演された全国ツアーでの再演を劇場で観劇、その世界観に惹き込まれて大好きになった思い出があります。
主題歌や音楽がとっても心地良いですよね。
その後も花組、星組、雪組、そしてもうすぐ月組でも上演されますが、再演が繰り返されてきたのも納得です。
私はペイさん以外、この柚希礼音&夢咲ねねコンビの星組を劇場で観劇しましたが、作品との出会いや劇場での初見がともにペイさん(高汐巴)だったので、ちえちゃん(柚希礼音)で再演となっときは「ん?イメージ違いすぎやしませんか」と思ったものです。(笑)
さて、『激情』以来2度目の全ツ参加だった今回のこっちゃんは、かつて若手スターだったころに蘭寿とむも演じた役、ローラン。
こっちゃんの演じるジゴロ、さて、いかに。
『琥珀色の雨にぬれて』予備知識
あらすじ
1922年、秋のある朝。
パリのフォンテンヌブローの森を散策していたクロード・ドゥ・ベルナール公爵は、神秘的な美しさをもった女性、シャロンと出会います。
大勢の紳士淑女たちを相手に自由に振舞う彼女の姿に一瞬にして惹きつけられてしまうクロード。
そこでジゴロのルイ・バランタンに声をかけられ、シャロンの正体を聞かされます。
シャロンは絵や写真のモデルをしたり、客の前でドレスを着て広告塔を務めたりする、いわゆるマヌカンでした。
ルイ自身も密かにシャロンに想いを寄せる一人で、公爵であるクロードに対し、シャロンとは生きる世界が違うと忠告します。
しかしクロードは心のありどころは同じはずだと反論、同じ女性に恋をした二人の間には奇妙な友情が生まれ、どちらがシャロンの心を射止めるか、正々堂々と勝負することを誓い合うのでした。
同じころ、クロードの姉ソフィーの邸ではミッシェル・ドゥ・プレール伯爵がクロードの帰りを待っていました。
ミシェルはクロードに民間航空事業を起こす計画を持ち掛けます。
またミシェルとともに、妹でクロードのフィアンセでもあるフランソワーズも邸を訪れていました。
姉のソフィーはフランソワーズと早く結婚して身を固めるように勧めますが、朝の散策で出会ったシャロンに心を奪われたままのクロードは言葉を濁します。
ある夜、パリの高級クラブ「フルール」に、銀行家のジョルジュ・ドゥ・ボーモ伯爵に伴われてシャロンがやって来ます。
そこで酔っ払い客に絡まれたシャロンをたまたま居合わせたクロードが助けると、シャロンは「お礼に」とクロードに口づけをするのでした。
いつもと違うシャロンの様子を見たルイは、シャロンがクロードに恋をしていることを察します。
そしてその様子をクロードのフィアンセであるフランソワーズも目撃してしまいます。
数日後、クロードはフランソワーズからマダムのエヴァからの伝言として、シャロンがボーモン伯爵に連れられ豪華列車で南仏ニースへ旅立つという知らせを受けとりました。
こともあろうに、フィアンセであるフランソワーズにこの伝言が託されてしまった運命のいたずらにクロードは動揺しますが、それ以上にシャロンへの想いが溢れてしまうクロード。
ついに彼は、シャロンと同じ列車でニースに向かう決意をするのですが ―
はたして二人の運命は。
主な配役
クロード・ドゥ・ベルナール公爵:柚希 礼音
シャロン・カザティ:夢咲 ねね
ルイ・バランタン:十輝 いりす
フランソワーズ・ドゥ・プレール:音波 みのり
ソフィー:万里 柚美
シモーヌ:毬乃 ゆい
エヴァ:花愛 瑞穂
ミッシェル・ドゥ・プレール伯爵:鶴美 舞夕
シャルル・ドゥ・ノアーユ子爵:壱城 あずさ
セルジュ:海 隼人
アルベール:天寿 光希
イヴォンヌ:優香 りこ
アルマン:真月 咲
ポワレ:千寿 はる
カトリーヌ 紫月 音寧
エレーヌ:若夏 あやめ
ジャンヌ:夢妃 杏瑠
ジョルジュ・ドゥ・ボーモン伯爵:十碧 れいや
コルベール:凰姿 有羽
エマ 空乃:みゆ
テレーズ:毬愛 まゆ
ピエール:麻央 侑希
フレデリーク:翔馬 樹音
ローラン:礼 真琴
マオ:妃海 風
ポール:凰津 りさ
小間使い:逢月 あかり
アンリ:紫藤 りゅう
ジュヌヴィエーヴ:五條 まりな
ギィ:拓斗 れい
ジル:華鳥 礼良
マルグリット:貴遠 すず
こっちゃん、大人の階段をのぼるの巻
第1場 プロローグ(プロローグの紳士)
はい、大好物の 黒燕尾!
幕開きからヨダレが出るほど眼福です。
で、こっちゃんはどこにいるのかと目を凝らしましたが、カメラに映っている範囲では見つからず、途中で見つけて4回巻き戻してようやく幕開きのこっちゃん発見!
幕開きの場面は最後列上手端だと思います。
薄暗くてぱっと見わかりませんが、その後の場面からコマ送りで戻ると、間違いないかなと。
そのあとは出たり入ったり、色々なポジションで踊っていますが比較的わかりやすいです。
ちえねね(柚希礼音&夢咲ねね)が衣装替えして出てきたときは、ちょうどちえちゃんの後ろにフレームイン!
掌を斜め前にかざして歩く独特な振り付けが印象に残りますね。
大人っぽい雰囲気のオープニングなので、こっちゃんはちょっと背伸び気味かな?
第5場 ジゴロ(ローラン)
ジゴロにしては童顔ですが、こっちゃん、妙に色っぽい ですね~。
少しばかり台詞をもらっていますが、それなりに雰囲気は頑張って作ってると思います。
ダンスもキレッキレの中にしなやかさがあって セクシー♡
こっちゃん、大人の階段上ってます。
第6場 騎士クロード(ローラン)
ルイ(十輝いりす)を中心に途中から5組のデュエットになりますが、こっちゃんはグリーンのドレスの女性と組んで後列下手で踊っています。
ダンスが終わると、少しだけセリフもあります。
ちょっと「精一杯大人ぶってます」って感じですけど。(笑)
この場面は、そのあともずっとグリーンのドレスの女性と一緒に後ろでお芝居しているので、ちょこちょこと、こっちゃんの小芝居みるのも楽しいかも知れません。
第8場 青列車 [A]青列車で行こう(ローラン)
上手の方にいるのかな?
さっぱり、発見できませんでした~
第8場 青列車 [B]サロン車(ローラン)
濃いグレーのスーツに同系色のネクタイといういで立ち。
ピンスポで彼女との「ひとことだけ」のお芝居がありますが、スーツ姿も似合っていて素敵!
前方で主人公たちのお芝居が続いている間も動く背景としてずっと歌い踊っていて、最前列下手端にいるのでわかりやすいです。
第8場 青列車 [C]幻想(幻想の紳士)
特定できなかったのですが、見える範囲ではいなかったので、最後列の上手センター寄りがそうかな~?と。
単なるカンです。
ターンのクルクル~って感じがこっちゃんぽい?と、それだけです。(笑)
第9場 アラベスク(ローラン)
え、この場面、いましたか?
と思いながらこの場面のラストまでとりあえず見てみて、やっぱりいなかったのですが、もう一度だけ見てみよう!と巻き戻してみたら・・・
いました、いました、どしょっぱなに奥のホテルのカウンターで何やらフロントマンと話している男の人が。
たぶん、雰囲気からいってこれがこっちゃんですね。
そしてすぐに下手から女性が出てきて合流、あっという間に下手に消えて行きました。(笑)
第11場 一年後 [A]団欒(ダンサー男)
まおちゃん(麻央侑希)中心のダンス場面で、後ろの3組の真ん中でこっちゃんが踊っています。
ちょっとコミカルなダンスシーンで、女にひっぱたかれたり、手足に頬をすりすりしてみたり。
こういうカワイイこっちゃんを見ると、うん、まだ、こっちだなと思っちゃいますね。(笑)
第13場 心変わり(客の男)
この場面のはじめ、クロード(柚希礼音)とシャロン(夢咲ねね)が二人で話をするシーンでドリンク(リキュール)が出されますが、このドリンク、なんと本物。
いや、もちろんお酒ではなく、色的にはウーロン茶かな?と思いますが。(笑)
二人ともちょっと口に含んでますね。
9月の公演だったので、水分補給がてら本物使ってたんですかね?
それとも、演出のこだわり?
初演とか他の再演作品、見直してないのでわかりませんが、だいたい小道具さんが用意していることが多い宝塚の舞台で、リアルな「消えもの」が出るのはめずらしいですね。
たまに演出で本気で口に入れてるのも、かつては見たことがありましたが。
で、肝心なこっちゃんですが。
二人のシーンが終わり、フランソワーズ(音波みのり)がやって来るときに、下手からステージ奥に設定されている列車に消えていく、後姿のみ。(笑)
しかも後姿だからカンでこっちゃんを探すしかないというね。
でも、たぶんソフト帽被って手をポッケに突っ込み、一人で歩いて行くのがこっちゃんではないかと思います。
肩で風切る感じが、なんとも礼真琴っぽい。
まとめ
正直、ジゴロってほどジゴロ感はありませんが、研4の礼真琴、ちょっとだけ大人の階段を上りました!って感じですかね。
スーツ姿も板についてきました。
ほっぺは・・・まだまだ、ですがね。(笑)
この作品、月組の前トップコンビで見てみたかったな~と思った作品です。
れいこちゃん(月城かなと)のトレンチコート姿が、なんとも想像するだけでゾクゾクします。(笑)
さて、次回は同時上演された全国ツアー版のショー『Celebrity』をお届けします。
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