宝塚の至宝、礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第8回。
今回は2010年に公演された、こっちゃん(礼真琴)研2のときの出演作品『愛と青春の旅立ち』を振り返ってみたいと思います。
この作品の原作は、1982年に公開されたリチャード・ギア主演のアメリカ映画で、アカデミー助演男優賞や、主題歌がアカデミー歌曲賞を受賞した、日本でも大ヒットした青春映画です。
私の記憶にある限りは、版権の関係でテレビ放送されていないため、比較的新しい礼真琴ファンの方はこの作品を観たことがない方も多いかも知れませんね。
当時、男役さんたちの紺色の軍の制服や、卒業式でのシンプルな白い軍服、そして何と言ってもフィナーレ大階段の軍服風の黒燕尾と、パレードの白い軍服!!とにかく素敵でホレボレしたのをよく覚えています。
作品としては、りかちん(凰稀かなめ)の鬼軍曹っぷりがなんともいい味出してましたね~!大真面目に怒鳴りまくるりかちん、なんだか笑えた。(笑)
そしてこの作品での礼真琴の立ち位置はと言うと、まだ、いわゆる「その他大勢」です。
フィナーレもロケットメンバー、かろうじてパレードのときにダブルトリオに食い込んだぐらいでしたが、新人公演では如月蓮さん演じる士官候補生のウォルターを演じました。
因みにこの作品の新人公演でキキちゃん(芹香斗亜)が主演のザック(柚希礼音)を演じ、ゆりかちゃん(真風涼帆)が2番手、鬼軍曹を演じていました。
キキちゃんにとってはこれが新人公演初主演作です。
『愛と青春の旅立ち』予備知識
あらすじ
幼くして母親を亡くしたザッカリー・メイヨー少年は、軍人としてフィリピンに駐在する父バイロンに引き取られ、劣悪な環境の中で孤独な少年時代を過ごしました。
やがてバイロンとともに母国アメリカへ帰国したザックは大学を卒業しますが、生活が変わることはありませんでした。
やがてザックは、海軍士官となってジェット機を操縦することを夢見て海軍士官学校への入学を決意し、父バイロンに伝えますが、ザックが厳しい訓練に耐えられるはずもないとまったく相手にしてくれません。
それでもザックは希望を胸に、ひとり旅立って行くのでした。
ザックが入学したポート・レーニエ海軍士官学校では、鬼教官と恐れられているフォーリー軍曹が、無能な人間をDOR(自主退学)させることこそが自らの使命とばかりに待ち構えていました。
フォーリー軍曹は、士官候補生たちに訓練に臨む心得を説きつつ、未来のエリート士官をゲットしようと士官候補生に近づいてくる女性たちに気を付けろと忠告します。
士官学校の厳しい規律と過酷な訓練を強いられることになった士官候補生たち。
その中でもザックは障害物訓練で優秀な成績を収め、校長からも高い評価を得ることに。
しかしフォーリー軍曹は、ザックが軍人に不可欠な集団行動や、仲間への思いやりの精神に欠けていること見抜いていました。
そんな中、訓練に励む士官訓練生たちの慰安と、海軍の広報を兼ねたパーティが開かれることに。
そこに現れた、近くの製紙工場で働くポーラに軽い気持ちで近づくザックでしたが、彼女の飾らない人柄に触れ、次第に心惹かれていきます。
訓練は日に日に厳しさを増し、耐えかねた仲間たちが次々と退学していく中で、ジェット機に乗る夢を叶えるため、仲間たちとともに厳しい指導に立ち向かっていくザック。
悲しい仲間との別れを経験しながらも、友情や様々な愛の力に支えられ、やがて卒業の日を迎えます。
主な配役
ザッカリー・メイヨー:柚希 礼音
ポーラ:夢咲 ねね
フォーリー軍曹:凰稀 かなめ
校長:磯野 千尋
バイロン:英真 なおき
ポーラの母:万里 柚美
シドの父:にしき 愛
ダーリー軍曹:美稀 千種
ペリマン:涼 紫央
シドの母:毬乃 ゆい
カーティス軍曹:美城 れん
シーガーの父 / マーク:天霧 真世
ミセス ラファエル:花愛 瑞穂
バーニー:音花 ゆり
ミック:鶴美 舞夕
デラセラ:夢乃 聖夏
カウボーイ:水輝 涼
スーザン:妃咲 せあら
女兵士:華苑 みゆう
シド:紅 ゆずる
ムーア:碧海 りま
リネット:白華 れみ
アル:壱城 あずさ
イーサン:美弥 るりか
ウォルター :如月 蓮 (新人公演:礼 真琴)
シーガーの母:白妙 なつ
少年ザック:稀鳥 まりや
シーガー:音波 みのり
ペリマンの妻:優香 りこ
エディー:真風 涼帆
礼真琴の出番は、ちと少なめ …
こっちゃんの役は、いちおう士官候補生ではありますが、役名のないその他大勢で、15人まとめて「プリーブ」という役どころです。
同じ役どころでみっきー(天寿光希)やキキちゃんも入っていました。
第3場 ポート・レーニエ海軍士官養成学校(リクルーター)
フォーリー軍曹に命令されて、リクルーターたちがラインに沿って横一列に並ばされますが、一番上手端がこっちゃんだと思われます。
基本的に、この場面のカメラワークは役名の付いている人たちとフォーリー軍曹とのやり取りなので、ほとんどこっちゃんは映りませんが、ちょいちょい引き映像で全体が映ります。
衣装はベージュと茶色っぽいストライプのシャツに、薄い黄色のベストを着ていますね。
この場面の最後、場面転換のときにちえちゃん(柚希礼音)とともみん(夢乃聖夏)がスポットで抜かれますが、後ろにいるこっちゃんが二人の間に一瞬映ります。
本当に一瞬ですが、この場面で唯一、表情まで見られる瞬間なのでお見逃しなきよう!
第7場 格納庫 / 格闘技訓練
中央の舞台みたいなセリでお芝居が進んでいて、その両サイドで士官候補生たちが椅子に座っているのですが、こっちゃんは上手側に座っている中のひとりで、みんなが中央に向いて座っている中ひとりだけ客席に向いて座ってちょっとうなだれたお芝居をしているのがこっちゃんですね。
ちょっとだけ目立つ演出、石田先生、ありがとう。(笑)
第8場 障害物訓練
士官候補生たちの歌で始まりますが、前場からの流れで歌い出すため、こっちゃんガッツリ見守れます。
歌い始める前から、みんながフォーリー軍曹への敵意を表現する動きをしていますが、こっちゃん、なぜか キレッキレな動き でツボりました。(笑)
いちばん上手端にいます。
その後の訓練が始まると、みんなが走りまくって入り乱れるので見失いました~。
運動神経抜群のこっちゃん、ぜったい生き生きと走り回っているはず!と目を凝らしましたが、挫折。(笑)
最後にシーガーのはるこちゃん(音波みのり)が壁を越えられずに苦心しているのを応援するときは、上手の奥にいるのがこっちゃんぽかったです。
第9場 社交委員会のパーティー
パーティ会場のどこかにはいるはずですが、暗闇でさっぱり。
この場面、軍の制服を着ていてカッコいいので、こっちゃんの制服姿を見てみたかったな~。
第10場 乗れ、ジェットに
後半のダンスシーンに登場します。
動きが激し過ぎて最初は分からなかったのですが、5~6回ひたすら繰り返して見ていたらようやく。(笑)
真ん中の列、下手端にいました!
そして、途中で何人かずつ分かれて踊るところは、上手から下手に向けて滑り込んでくる2人がたぶん、まおちゃん(麻央侑希)とこっちゃん。
そのあと全員で踊るところはまた下手の真ん中の列、端っこですね。
第19場 シドのDOR
シーガーの壁登りを下手側で応援してる?
そして、壁を乗り越えた後のフォーリー軍曹と校長のお芝居中に後ろにこっちゃんの横顔が映り込んでます。
一瞬でしたが近くで観られると妙に嬉しいですね~。(笑)
ステキな横顔♡
シドのDOR場面では、下手で見守っているのがこっちゃんと思われます。
第22場A 卒業式
上手端に「軍服に着られている」礼真琴さんらしき新米士官様。(笑)
引きでしか見られないので定かではありませんが、おそらく、こっちゃんだと思われます。
第24場A フィナーレB(ロケット)
なんだかとても派手な白青黄の横シマお衣装に、金髪鬘+羽根つき帽子といういでたちのロケット。
こっちゃんを見分けるのは至難の業です。
ってか、何度も見直してみましたが、さっぱりわかりませんでした~。
なのに、なぜかヒーロー(ひろ香祐)だけはわかるという奇跡。
でもないか。
彼女は分かりやすすぎる…(笑)
こっちゃんには、この後の 軍服風の黒燕尾 に食い込んで欲しかったな~
第24場E フィナーレF(パレード)
真風涼帆、壱城あずさ、美弥るりかの3人の階段降りのときに、こっちゃんが 白い軍服姿 で下手側に降りてきます。
そして、紅ゆずる、白華れみ、夢乃聖夏に歌い継がれたときにご挨拶している姿が映っていました!
お芝居の時はなんか「軍服に着られてる」とか言っっちゃいましたけど・・・
ゴメンナサイ、訂正します!!
やばい、カッコイイ!!(笑)
ご挨拶のあとはそのままパレードの士官として下手ダブルトリオをしています。
因みに、この後に続く公演でも、こっちゃんのパレード・ダブルトリオは何回か続きます。
他のメンバーは入れ変わるけど安定の礼真琴。
まとめ
今回の作品では、じわじわとポジションを上げつつある研2の礼真琴、と言った感じでしたね。
久しぶりに観て思い出しましたが、この公演、エトワールがなんとアメリカ国歌!でした。
レアですね~。
そしてフォーリー軍曹の台詞が、けっこうリアルにヤバイ。
いまそのままの台詞で再演は厳しいのではないかな??と思うような露骨な台詞がいっぱいあって、ちょっとヒヤヒヤしました。(苦笑)
でも、ちえ・ねね・りか のトリオ が大好きだった私にとって、やっぱりこの凰稀かなめ在りし日の星組はよかったな~と改めて思います。
3人ともが高身長で見栄えも良かったしね。
いや、こっちゃんをディスってるわけじゃないですよ、大好き!こっちゃん!!(笑)
さて、次回は紅ゆずる主演でバウホールと青年館で上演された『メイちゃんの執事』を振り返りたいと思います。
お楽しみに。
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