この記事は2023年6月25日に掲載した記事の再掲載です
きのうは忙しい1日でした。
朝7時ごろの新幹線で東京を出発。
まずは11時から、大劇場で星組公演『1789-バスティーユの恋人たち-』を観劇。
その後映画館に場所を移し、16時からの月組公演『DEATH TAKES A HOLIDAY』のライブ中継を観劇。
20時の新幹線で新大阪を出発、帰宅できたのは23時ごろでした。
そして移動に観劇に「ひたすら座りっぱなし」だったから、全身がカチコチ。(苦笑)
今回はまず、星組公演の感想を。
期待通りの星組パフォーマンス
公演期間が半分になってしまったのが、本当に残念。
星組生たちの魂込めたパフォーマンスが素晴らしかったです。
全体的に「歌唱」の進化を感じました。
こっちゃん(礼真琴)の歌声は言わずもがなですが、他のキャストひとり一人のパフォーマンスも素晴らしかったし、全体のコーラスも然り。
ありちゃん(暁千星)、きわみくん(極美慎)、ぴーちゃん(天華えま)の革命家たちの歌声も、それぞれに芯があって聞きごたえたっぷり。
そして、こっちゃんも交えた4人の歌声の重なりが、妙に心地よかった♡
それぞれの声質が良いハーモニーを生み出していたと言いますか。
でもって、やっぱり星組のダンスシーンは見応えありますね。
こっちゃん(礼真琴)のダンスを見ていて改めて思ったのですが、こっちゃんって「ジャニーズ系」の雰囲気を持っているタイプですよね。
特にこっちゃんロナン、現代に生きていたら Snow Man とかに入っていても違和感なさそう。(笑)
全身を自在に使ったキレッキレのダンスは見ていて気持ちがいい!
やっぱり礼真琴の隣りには舞空瞳が似合う
二人の並び、やっぱりいいですね♡
とにもかくにも、絵面が美しい。(笑)
こっちゃんの少年っぽさと、なこちゃんのキュートなかわいらしさ。
このコンビを生み出したプロデューサー、なのか、劇団幹部なのか、阪急幹部なのか、誰だか知りませんが(笑)、とにかくそのセンスにありがとう、だわ。
コンビの相性ってホント重要。
この二人にはぜひ、添い遂げていただきたいものです。
歌声の重なりも美しく。
なこちゃん、決して歌が「得意」な娘役ではありませんが、努力の人。
今回のオランプでも、心情の込もった素晴らしい歌声を響かせ、作品に華を添えていました。
こっちゃんが何でも平均以上にできてしまうトップさんであるがゆえに、相手役として求められるハードルも高くなってしまう大変さはあると思いますが、ちゃんと食らいついていっているのが舞空瞳のすごいところ。
こっちゃんも、下級生としてじゃなく、一人の役者としてなこちゃんを認め、育て、ともに歩んでいる感覚なのではないのかな?なんて勝手に想像しています。
何度も鳥肌が立った
今回の公演では、リアルに何度も鳥肌が立つという経験をしました。
最初の鳥肌は、小桜ほのかちゃん演じるソレーヌの歌でしたね。
他にもロナン率いる民衆たちのパーカッションとか、人権宣言やクライマックスなんかもヤバかった。
まだ他にも鳥肌シーンはあったのですが、ほんと、自然にゾクゾクゾク~って鳥肌が立つ経験は普段の観劇ではあまりないので、自分でもびっくりでしたねぇ。
舞台から放たれる魂がビシバシ伝わってきた証拠。
ほのかちゃんのソレーヌはとにかく適役でした!
個人的には、この役、みほちゃん(有沙瞳)で観てみたいと思っていたのですが、実際に観劇してみたら、ほのかちゃんのソレーヌが素晴らしすぎた。
歌声がとにかく素晴らしい!!!
博多座のミーマイは、やっぱりほのかちゃんがマリアだね、と確信しました。(笑)
民衆たちのパーカッション
これはやっぱり「ナマ」の舞台で見ないと、あの迫力は伝わらないだろうな~と思いました。
画面を通じてでは伝わり切らない「魂」の響き。
きわみロベス・ピエールが引っ張るリズムからの、こっちゃんロナンが引っ張る魂の響き。
最初のきわみくんの気迫ビシバシに、ゾクゾクッ。
静まり返った劇場内に、一糸乱れぬリズムと響き渡る音。
そしてロナン登場。
きたぁーーーって感じでしたね。
少年の面影を残すこっちゃんロナンが、革命への熱い眼差しで踏み鳴らす足音、手打音。
もぉね、ゾクゾクMaxです!
民衆たちが刻むリズムや音は、迫りくる革命の足音。
そして、この激動の時代を生き抜いたフランスの人々の「明日への希望」でもあるんだな、と。
鬼気迫るといった表現が的確かはわかりませんが、そんな迫力のある場面です。
舞台が壊れるーーーってくらいの「地」を踏みしめる音。
客席に座っているときに感じた、地鳴りのようなお腹の底から響いてくるあの感覚、、、
病み付きになりそう。(笑)
瀬央ゆりあ、美しきアルトワ伯
なおちゃん(瀬央ゆりあ)、なんですか、あの妖しい美しさ。
ただ、ただ、美しきアルトワ伯。
国王の弟君で、革命後には「シャルル10世」として、王位にも就いたアルトワ伯。
この記事は2023年5月19日に掲載した記事の再掲載です 『1789-バスティーユの恋人たち-』に登場する実在の人物を紹介するシリーズ。 今回は「シャルル・アルトワ」にスポットを当ててみたいと思います。 『1789-バスティーユの恋人[…]
なおちゃんアルトワ伯からは、そんな高貴な身分の雰囲気がプンプン漂ってきますよね。
でも嫌味がない。
でもふと思ったんですけど、この作品のアルトワ伯と、実際のアルトワ伯のイメージって、なんか微妙に重ならず。
確かに「自分勝手でワガママなおぼっちゃま」ではあったようですが、歴史上のアルトワ伯って「人懐っこい」っていう描写がちょいちょいでてくるんですよね。
革命後、王位に就いてからは「王権神授説」に基づいた統治をおこなって国民の反発を食らい、パリ市民による七月革命で王位を追われるくらいなので、これが「私は神だ」に繋がるんでしょうけど。
「王権は神から付与されたものであり、王は神に対してのみ責任を負う。
また王権は、人民はもとよりローマ教皇や神聖ローマ皇帝も含めた神以外の何人によっても拘束されることがなく、国王のなすことに対しては人民はなんら反抗できない」とする政治思想。
ハンサムな伯爵であったことは間違いなく、その辺りは違和感なし。
肖像画を見ても、甘いアスクのアルトワさん、女性にモテそうですよね。
なおちゃんアルトワ伯は、近づきがたい美しさ。
そして言っていること、やってることは、決して共感できないのに、なぜか嫌味がない。
観客としては、「演じる役者の個性」を透かして見ちゃうからでしょうかね。
なおちゃんアルトワ伯、とにかく「美しい」です。
何回、言うんよ?って話ですけど。(笑)
客席を使った演出は作品を盛り上げる
こっちゃんロナンとなこちゃんオランプがバスティーユから逃げてくるときに、上手花道から銀橋下まで、少しだけ客席降りしますが、、、これだけでも「逃げてる」感が増しますね。
改めて、舞台演出って緻密に計算されているんだな~と感心。
ときには、演出家のある種の偏った「こだわり」に閉口することもあるにはありますがね。(苦笑)
そして2幕の民衆たち。
開演と同時に客席の両サイド扉が開け放たれ、デムーラン、ロベスピエールを先頭に列をなして登場する姿は、後光が差しておりました。
扉が開いた瞬間、きわみくんロベスピエールをガン見しましたが(笑)、美しすぎてクラクラしました。
そして二人に続く民衆たちが、センターブロック両サイドの通路を舞台に向かって歩いていく後ろ姿は・・・ゾクゾク鳥肌タイムでした♡
なんだろうな、あのゾクゾク感。
A席で観劇していたので、全体的に「みんなの背中を見送る」シチュエーションで。
それがまたよかったかなぁ~♡
自らの人生を手に入れるために革命に身を投じる人々の「背中」は、言葉よりも多くを語ってくれるのです。
あの光景は必然的に目に焼き付いてしまいました。
凛々しく、そして勇ましい眼差しで、まっすぐに前を見据えて歩いていく革命家や民衆たちのあの姿、、、
想像の遥か斜め上を超えていきました。
今回、センター近くのA席だったから見られた光景でもあります。
大劇場の千秋楽、東京公演、あと2回の観劇チャンスが残されていますが、少しずつ座席が前進していくので、今回のような背後から全体を見渡せる機会はないのです。
前方席で観られるのは嬉しいのですが、扉が開いた瞬間の神がかったロベス・ピエールやデムーラン、まっすぐ前を見据えて歩みを進める革命家たち、舞台に向かって進む民衆たちの「人生を語る背中」・・・
あの光景をもう一度観て見たかったな~なんて、ちょっと贅沢にも思っているのでありました。
フィナーレはちょっと消化不良かな
作品自体が壮大なので、フィナーレまで「充実」とまではいかないのかな。
今回はちょっと消化不良。
まず、衣装のセンスが個人的には残念。
作品の世界観とどうしてもズレを感じてしまいます。
なぜにショッキングピンク!?
しかも、歌唱指導のなおちゃんから男役群舞まで。
なおちゃんの銀橋はまぁそれとしても、男役たちの群舞の衣装はもうちょっとどうにかして欲しかった。
娘役たちに囲まれて踊るこっちゃんが、そのままジャケットを着替えて男役群舞に合流しますが、黒×ショッキングピンク、そして胸元の装飾が、、、どうにも品がなく。
なんでこんな衣装になっちゃったの?(苦笑)
デュエット・ダンスの衣装は打って変わって地味すぎやしませんか?(笑)
パレードのトップ2人の浮きまくっている青とピンクも、なんかな~だし。
嫌いな色ではないけれど、フィナーレ全体として衣装の世界観がわからない・・・。
今回のフィナーレナで唯一好みだったのはロケットの衣装かな。
デザイン自体も可愛いし、羽根が少しくすんだピンクなのが可愛い。
その他いろいろ
ありちゃんデムーランの婚約者リュシルを演じたうたちゃん(詩ちづる)ですが、やはり「華」不足は否めませんね。
舞台上での存在感がとにかく薄い。
「赤と黒」でも大役をこなした彼女ですが、なぜか印象に残らない。
彼女の素顔は可愛らしくて大好きなのですが、、、舞台に上がると途端に「無個性」状態。
「個性がないのが個性です」は通用しないのが舞台の世界。
スポンサーもついて、バウのヒロインにも抜擢されて、これから活躍が期待される娘役さんの筆頭株である彼女。
頑張って!としか言えませんが、、、頑張ってどうにかなるものでもないのが気になるところです。
それはそうと、今回はぴーちゃん(天華えま)活躍の場がたくさんあって嬉しい!
少しウェーブがかった黒髪もよく似合っていて、舞台上で生き生きとダントンを演じている様子が伝わってきます。
ありちゃんに代替わりしたときには、ありちゃんとぴーちゃん「こと・なお」のような関係性で星組を引っ張っていくのかな?
きわみくんの成長っぷりにも目を見張るものが。
やっぱり人って「立場」が育ててくれるもんなんだな~。
スターとしての階段を上っていくには「責任」が伴うわけで、それを自覚した瞬間に一気に成長していきます。
立ち姿も堂々としていて、歌声も骨太になりましたね。
これからの星組、これなら大丈夫!と思わせてくれました。
劇団、ようやく育ったところで他組に組替えさせんなよっ!!(苦笑)
まとめ
ここ最近は東京公演しか観劇していなかったので、3年以上ぶりの大劇場でしたが、やっぱりムラの雰囲気は独特なものがあります。
客席の雰囲気や、劇場スタッフの雰囲気すら東京とは違いますよね。
あ、あと、これは劇場っていうか地域的になのかも知れませんが、関西のほうが脱・マスクが進んでいるな~と。
劇場内や、電車に乗っていて、それをすごく感じました。
こうして少しずつ日常生活が戻っていく一方で、「次の公演は観られるだろうか?」と心配な気持ちは変わることなく続いているという・・・
「これがマイ楽になるかも」の気持ちで観劇している自分に気づき、複雑な思いになりますね。
さて、次の観劇は千秋楽です。
あと1週間の大劇場公演、すでに瞳きらりさんの全日程休演が発表されているのため、星組の皆さんが全員揃って千秋楽を迎えることは叶いませんが、休演者が追加にならないで完走できるよう祈りつつ、千秋楽の観劇を楽しみに過ごしたいと思います!
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