礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第25回。
今回は、こっちゃんがトップとして主演した『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』の前編にあたる、2012年に上演された『めぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~』です。
この公演は久しぶりの3本立て(和物ショー、お芝居、レビュー)で、のちにお芝居だけを入れ替えて台湾公演に持っていく予定であったため、「やっつけですか?」な印象でした。(笑)
正直なところ、作品自体にさほど魅力は感じませんでしたが、出演者たち独自の個性に助けられそれなりに楽しい作品に仕上がったのかな、と。
そして礼真琴氏。
第1シリーズには登場していなかった ルーチェ という当時のこっちゃん(礼真琴)の雰囲気にピッタリなあて書きをもらい、この辺りから扱いも一気に良くなって、さらに出世街道をばく進し始めました。
新人公演では現・組長のみきちぐさん(美稀千種)の役でお勉強。
因みにこっちゃんが本公演で演じたルーチェくん、新人公演ではなおちゃん(瀬央ゆりあ)が演じました。
『めぐり会いは再び 2nd』予備知識
あらすじ
今より少し遠い昔、ドラントとシルヴィアの結婚式を翌日に控え、フォスフォール村はすっかり祝祭ムードに包まれていました。
村の領主でシルヴィアの父であるオルゴン伯爵の屋敷では、ドラントの従者ブルギニョンたちが式の余興準備に追われています。
1年前の星祭りの日に開かれた「花婿選び」で紆余曲折の末に結ばれたドラントとシルヴィアでしたが、お互いがひねくれ者の二人ゆえ、最近では顔を合わせれば喧嘩ばかり。
そんな二人の噂を耳にした役者のクラウスは、所属していた劇団が解散したために食事にも事欠く現状を打開しようと妙案を思いつくのでした。
その夜、また些細なことで喧嘩になり結婚に不安を抱いているドラントとシルヴィアの前に、突然、クラウス・フォン・ヴィッテルハイムというシルヴィアの婚約者を名乗る騎士が現れます。
思わぬライバルの登場に動揺を隠しきれないドラントは、シルビアに憎まれ口をたたいてしまいました。
シルヴィアを愛しているのに素直になれないドラントを見かねたブルギニョンは、劇作家エルモクラートの力を借り、屋敷の人々を巻き込んでひと芝居打つことにします。
果たして、ひねくれ者のドラントとシルヴィアは互いに本当の想いを打ち明け、ハッピーエンドを迎えることができるのでしょうか…。
主な配役
ドラント・ヴェスペール:柚希礼音
シルヴィア・ド・オルゴン:夢咲ねね
ブルギニョン:紅ゆずる
エルモクラート・オズウェル:真風涼帆
オルゴン伯爵:英真なおき
ラルゴ伯爵夫人:万里柚美
フォーマルハウト:美稀千種(新人公演:礼真琴)
エレクトラ:毬乃ゆい
カノープス:美城れん
クラウス:十輝いりす
スピカ:花愛瑞穂
リゲル:音花ゆり
グルー:鶴美舞夕
カストル:壱城あずさ
シリウス:如月蓮
ブラン:白妙なつ
ユリウス:天寿光希
レオニード:音波みのり
ミラ:優香りこ
アルクトゥス:真月咲
アリア:夢妃杏瑠
コクマ:十碧れいや
ハダル:珠華ゆふ
コレット:早乙女わかば
レウルス:漣レイラ
ルナール:麻央侑希
デネボラ:飛河蘭
ルーチェ:礼真琴
可愛いルーチェくん初登場
ルーチェ君、実はかなりのもうけ役。
というか、こっちゃんを売り出すために、礼真琴の個性にあわせて小柳先生が書き下ろしたこの作品の「キーマン」としか言いようがない役です。
単に主人公の弟、ではなくね。
第1章 序
「おかえりなさいませ、ルーチェ様。」
「久々ですね~ユリウス!」
上手花道からボストンバックを手に出てくるルーチェ君。
可愛らしい声にいきなりノックアウト。(笑)
そして三つ編み~~~♡
結婚式のために帰宅したルーチェくん、ユリウス(天寿光希)様との再会から出番が始まります。
なんだか感慨深いですね~。
ルーチェくんとユリウスはそのまま銀橋で、前作品のストーリーテラーの役割を担います。
ちょっぴり幼い口調の可愛らしいルーチェくん、ほんと、当時の「礼真琴」にピッタリのキャラクターですよね。
銀橋を渡り終える直前、ユリウスが先に花道に去っていくときに、ユリウスに待ってよ~とばかりに発する「ねぇ、ねぇ~」が可愛すぎる♡
銀橋を端から端まで渡ってずっと台詞を言わせてもらっているこっちゃん、いきなりの 出世です!
第2章 マスカレード ~ 第3章 二人の婚約者
皆の話に天の声で割って入り、ルーチェくん登場。
どんだけ目立つ扱いなんだって感じで、当時も礼真琴の存在に注視したものですが、とにかく目立ちます。
そして姉上シルヴィア(夢咲ねね)と腕を抱き合い、片足ピョンッのポーズがカワイイ。
ドラント(柚希礼音)とも堂々と台詞を交わすこっちゃん。
子どもっぽい言い回しがこれまたよく似あっていて、キュンキュンしますね~♡
金髪の髪型もフィットしていて、いつも気になっていたぷっくりほっぺも全然気にならずイイ感じ。
なによりも、瞳がキラ✨キラ✨していて美しい、15歳のルーチェくんです。
他の人たちの芝居の間も、後ろで表情をころころ変えながら、可愛い姿を見せています。
第4章 真実の愛
前場面が終わって皆がはけ、ルーチェ君も一緒にはけるかと思いきや・・・「キーマン」ですから、はけません。
前面で進んでいる話を、セットの柱の陰でこっそり(ちゃんとピンスポットもらって)隠れて聞いているという設定。
おいしすぎる。
柱に両手を回して抱き着いているこっちゃん、カワイイ。
そして、ひとしきり登場人物たちの裏話を聞き終えたルーチェ君、「恋人と喧嘩をして愛を信じられなかったばっかりに、姉上たちの諍いを助長してしまった」と、大反省。
このルーチェくんの恋人が、のちの第3シリーズでなこちゃん(舞空瞳)が演じたアンジェリークちゃんね。
第5章 決闘(デュエル)
決闘を後ろで見ながら、ときどき踊ってます。
表情を見ているのが楽しいです。
第6場 ヴェスベール(夜明け)
物語の終盤、過去に出演していた登場人物(退団や組替えでいなくなった人たち)から、その相手役だった女性たちに手紙が届き、ユリウス(天寿光希)がその人たちになり切って手紙を読み上げるシーンがあります。
ルーチェくんにも(この舞台では登場しない「喧嘩中」だった)恋人のアンジェリークからの手紙と花も届きます。
アンジェリークからの手紙を、他の人たちと同様にユリウス(天寿光希)が読み上げるのですが、他の登場人物とちがって、舞台には登場していない架空の人物のため、ものすごい変な声で代読。
当時はアンジェリークは幻の存在だったので、みっきー相変わらず面白いわ~ってだけだったのですが、いまとなっては なこちゃんのアンジェリークが頭に浮かぶので、そのギャップがすごすぎます。(笑)
最後に、嬉しそうにアンジェリークからのレターカードを見直すこっちゃん。
大丈夫、あなた達の未来は繋がっている!!
まとめ
とってもキュートで可愛らしい15歳のルーチェ君、とっても懐かしかったです♡
いつも物語の中心にいるもうけ役、こっちゃんの個性にフィットしていて「礼真琴」の存在感をアピールできた作品でしたね。
そもそも、はじめから小柳先生はこっちゃんで「ルーチェ&アンジェリーク」の続編を作ろうと企んでたとしか思えなくなってきました。(笑)
小柳先生の野望、叶ったり。
次回は、『Étoile de TAKARAZUKA』を振り返ります。
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