礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第80回目は、宝塚剣豪秘録『柳生忍法帖』を振り返ります。
こっちゃんが、ヤギュウ・ジュウベイ??
え、本当にあの柳生十兵衛をこっちゃん(礼真琴)がやるの!?
という感じでしたね、上演作品が発表になったときは。
作品自体をそんなに詳細に知っていたわけではありませんが、にしても、柳生十兵衛といえば映画の千葉真一さんや、テレビドラマの村上弘明さんのイメージが強すぎて、こっちゃんとなかなか結び付かなかったのです。
今やwikiの演劇欄にも「礼真琴」の名前が入っていますが、、、なんか違和感ある。(笑)
そして完全に余談ですが、、、
柳生十兵衛のwikiページを読み、十兵衛さんの本名が「三厳(みつよし)」ということを初めて知りました。
どーでもいい情報かと思いますが…。(笑)
宝塚剣豪秘録『柳生忍法帖』予備知識
あらすじ
ときは寛永年間、暴政を敷く会津藩主・加藤明成を見限り出奔した家老・堀主水の一族に、復讐の手が迫ってい。
明成は堀主水の断罪だけでなく、幕府公認の縁切寺・東慶寺に匿われた、堀家一族の女たちをも武力をもって攫おうとする。
しかし、男の都合に振り回された生涯を送り、女の最後の避難場所として東慶寺を庇護してきた天樹院(豊臣秀頼の妻であった千姫)には許しがたい行為。
天樹院は、「女の手で誅を下さねば」と心に誓い、同じく敵討ちを誓う女たちの指南役として、密かに一人の武芸者を招聘する。
それが隻眼の天才剣士、柳生十兵衛であった。
十兵衛は、将軍家剣術指南役の嫡男でありながら、城での勤めを嫌い、剣術修行に明け暮れていた。
女たちを託された十兵衛は、死闘を繰り広げながら会津へと向かう。
そこで待ち受けていたの、藩を牛耳る謎の男・芦名銅伯と、銅伯の娘で明成の側室ゆら。
果たして十兵衛と女たちは、凶悪な敵を打ち倒すことが出来るのか…。
主な配役
柳生十兵衛:礼真琴
ゆら:舞空瞳
芦名銅伯:愛月ひかる
堀主水:美稀千種
千姫(天樹院):白妙なつ
沢庵和尚:天寿光
お圭:音波みのり
吉田修理:大輝真琴
加藤明成:輝咲玲央
お品:紫月音寧
お沙和:夢妃杏瑠
具足丈之進:漣レイラ
司馬一眼房:ひろ香祐
さくら:紫りら
漆戸虹七郎:瀬央ゆりあ
お鳥:音咲いつき
柳生宗矩:朝水りょう
鷲ノ巣廉助:綺城ひか理
稲葉十三郎:彩葉玲央
天秀尼:有沙瞳
平賀孫兵衛:天華えま
お笛:澪乃桜季
多賀井又八郎:夕渚りょう
真鍋小兵衛:天希ほまれ
金丸半作:湊璃飛
お蝶:華雪りら
お千絵:小桜ほのか
板倉不伝:天路そら
木村助九郎:遥斗勇帆
出淵平兵衛:蒼舞 咲歩
紙屋の妻:七星美妃
庄田喜左衛門:朱紫令真
田鶴:二條華
村田与三:希沙薫
香炉銀四郎:極美慎
狭川新左衛門:煌えりせ
大道寺鉄斎:碧海さりお
間宮主馬:颯香凜
紙屋五郎右衛門:夕陽真輝
台月尼:彩園ひな
多聞坊:天飛華音
明玉尼:紅咲梨乃
雲林坊:咲城けい
薬師坊:奏碧タケル
天丸の姉:都優奈
喜四郎:鳳真斗愛
お浜:澄華あまね
おとね:水乃ゆり
天丸:瑠璃花夏
十乗坊:紘希柚葉
地丸:星咲希
嘯竹坊:羽玲有華
心華坊:碧音斗和
風丸:綾音美蘭
竜王坊:御剣海
「隻眼の剣豪」柳生十兵衛
こっちゃんの開演アナウンスって、公演によって声色やトーンが七変化して楽しいですね。
これまで何十人ものスターさんの開演アナウンスを聞いてきましたが、こっちゃんほど七変化する人は少ない気がします。
それぞれに特徴あるスターさんの開演アナウンスを聞くことができるのも、宝塚の楽しみのひとつではないでしょうか。
個性的な十兵衛さん
銀橋のセンターに、あぐらをかいて登場するこっちゃん十兵衛。
だみ声に少々コメディタッチのセリフ回し。
でも歌い出したらけっこうな美声なんだな、これがまた。(笑)
The 宝塚あるある。www
ビジュアルはポスターのまんま、いやポスターの美しさよりも、舞台に乗ったときのほうが少々やさぐれ感が出ていて、それが意外とお似合い。
幕開きではなく、物語のきっかけとなるシーンを見せてからの流れで出演者総出の剣舞。
柳生十兵衛と堀家一族の女たち、ゆら(舞空瞳)と芦名銅伯(愛月ひかる)の関係性、そして七本槍と呼ばれる男たちの存在など、物語のはしりから、これから展開されるストーリーを妄想しながらワクワク感が高まります。
限られた時間内で物語を語らねばならないための演出家の工夫を感じますね。
役作りは良かったけど。
とはいうものの…
こっちゃん十兵衛、この作品をリピートしたいかというと、個人的にはいまいちだったかな~ってかんじ。
結論として、作品自体にあまり興味が持てなかったです。
でも、こっちゃんならではの十兵衛さんの役作りは「あり」だったと思います。
原作や映画、ドラマについては、抜き出しで知っているだけで、まともに全編を観たことがないので、世で言うところの「柳生十兵衛」のイメージと比較はできませんが、ちょっぴり愛嬌のあるコミカルな人間像+男くさが見事にマッチしていましたね。
ただ、作品の主題やそこで巻き起こるエピソードが、あまりしっくりこなくて、ただ「出演者」を見たくて観ている感覚。
そういえば、この作品は映像でも2~3回しか観てなかったかも。
ゆらの唐突すぎる愛の告白
たしかにこっちゃん十兵衛は魅力にあふれた男です。
でも、あれだけ独特な環境の中で育ってきたゆらが、父上に逆らってまで十兵衛についていく心の動きが全く見えず、「えっ?どうした?」な感じ。(笑)
でもって十兵衛も、ゆらをすぐに受け止めている不思議。
この辺りはそれぞれの心の動きを、何らかの形でもう少し描いてほしかったかな~と思います。
とはいえ、物語の軸が色恋物語ではないので、なかなか難しいのかな。
なこちゃん(舞空瞳)の花魁姿は可愛らしかったですね。
個性豊かな七本槍
なおちゃん(瀬央ゆりあ)、キリリと和服とかつらが似合いますね~。
ほかの七本槍たちがそれぞれに個性的すぎるのもありますが、スタンダードな二枚目感が漂います。(笑)
ぴーちゃん(天華えま)は、あっというまにやられちゃって姿を消し… きわみくん(極美慎)のポジションが、星組内で確固たるものになって来たのを感じた公演でしたね。
愛月ひかるの存在感
こっちゃん体制で、上級生2番手として支えてくれたあいちゃんのサヨナラ公演。
良くも悪しくも、とにかく貫禄と存在感の大きさが印象的なあいちゃん。
今回も個性的な難しい2役を、説得力たっぷりに演じていましたね。
なこちゃん演じるゆなに憑依して、二人が声を重ねて一緒に長台詞を話す場面では、どちらかが台詞を噛まないか、心配になりました~。(笑)
まとめ
好きな作品と、あまり関心を持てなかった作品と、振り返りの熱量が違いすぎる件。(笑)
な~んか今回はあまりにも語ることがなさ過ぎました。。。
ということで、
次回は岡田先生のロマンチック・レビュー、ダンディズムシリーズ第3弾、『モアー・ダンディズム!』を振り返ります。
