昨日は勇み足気味に星組大劇場公演、次回作の『記憶にございません!』の原作映画を鑑賞して配役予想を楽しんでみましたが、本日はその前の別箱『BIG FISH』の予習をしようと、朝っぱらから映画を見ました。
作品が発表になった時には、耳年増状態で「これ、誰が主演?パパ?息子?」って思ったのですが、映画を見てみると、明確に「パパ」が主役ですね。
宝塚のトップスターが演じるようなタイプの主役ではありませんが、うん、なるほど、素敵なメッセージを秘めた作品なんだな、と思いました。
なんというか、映画を見ればその答えがわかるというメッセージではなく、見る人々の心の中にそれぞれ自分にしかわからない答えがあるんだろうな、と。
「BIG FISH」という作品について
原作はアメリカの作家、ダニエル・ウォレス氏の小説『ビッグフィッシュ – 父と息子のものがたり』という作品で、映画化されたのは約20年前の2003年。
映画に疎い sora さんは、当時この作品のことをま~ったく知りませんでしたが、日本でミュージカルが上演されることになって、出演者に元月組トップスター霧矢大夢、元星組トップ娘役の夢咲ねねが名を連ねたことで、なんとなく「ミュージカル作品」として認識。
そして今回、こっちゃん(礼真琴)主演で上演することになって、はじめて作品について調べてみました。
この作品の監督はティム・バートンという方なのですが、企画された当初は「あの」スティーヴン・スピルバーグが監督する予定だったそうです。
2002年に公開された『マイノリティ・リポート』を取り終えてからこちらの作品に取り掛かるスケジュールで、スピルバーグ監督は実際に父親役を演じたアルバート・フィニーではなく、ジャック・ニコルソンを主演に想定していたのだとか。
でも、脚本の手直しが進む中で納得がいかなかったのか、この作品から手を引くことになり、その代わりにスピルバーグ監督は『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を担当することに。
その後、プロデューサーは『リトル・ダンサー』等で知られるスティーブン・ダルドリー監督に白羽の矢を立てますが、またしても頓挫。
最終的にようやくバートン監督で着地したという、なんとも紆余曲折を経た作品なんですね。
父親が「おとぎ話」のように息子や周囲の人々に語り続ける物語は、自分ではどうにもできなかったであろう自分の人生の闇部分、戦争や生活苦など時代の闇に飲み込まれざるを得なかったエドワードの人生を「面白おかしく脚色した物語」。
でも息子は、父親がなぜ「嘘」をついてまで、自分や周囲の人々を「おとぎ(ホラ)話」で楽しませようとするのか理解に苦しみます。
現実世界とファンタジーワールドが交互に描かれているので、自分がいまどこにいるのかを見失いそうになったり、自分なりにその独特な世界観の中を行き来しながら「人生」の不思議を妄想してみたり、楽しさはあるものの、個人的には率直に言って「難解」である印象を持ちました。
タイトルである「ビッグ・フィッシュ」というのは、アメリカ英語のスラング「fish story」からくる「誇張された自慢話」「ホラ話」を意味します。
釣り人が自分の釣った魚について大袈裟に誇張して自慢話をする、というのが由来になっているそうですが、一方で「a big fish」というスラングには「大した人物」という意味があり、この作品の解釈を混乱させます。← sora さんだけなのか?(笑)
いや、この作品における「BIG FISH」には様々な解釈があって然り。
映画を見終わっても、この作品の持つ明確なメッセージを理解することができなかったというのが正直なところです。
冒頭に記したように「なにか素敵なメッセージ」であることはズシリと胸に突き刺さるのですが、それが何かを説明しようとしても、明確に語れるだけのロジックが浮かばない。
ただ、言えることは、、、
この作品を見た人それぞれの「人生」。
そこにはそれぞれの「BIG FISH(おとぎ話)」があり、どんなホラ話で人生を彩りながら歩んでいくのか、どんな最期に向かって物語を紡いでいくのか、、、
そして家族とは。
人生を「楽しみながら」生きるということの意味を考えるきっかけにはなった気がします。
礼真琴が舞台で語る「人生」に期待!
さて。
そんな『BIG FISH』を、我らが星組トップスター礼真琴がどう演じるのか。
ミュージカル版は、2013年にアメリカ、シカゴで初演され、その後にブロードウェイへ進出、日本へは2017年に初上陸しています。
日本版のダイジェストを見ても、な~んかイメージが膨らまないな~と思っていたら、ブロードウェイ版のダイジェストがありました。
うん、なるほど、こちらのほうがイメージ湧きますね。
これなら「宝塚で上演してみようじゃないかっ!」って思うのも納得。
日本版のダイジェスト、切り抜き方が下手すぎない?
ま、役者ありきの編集なんでしょうけれど、、、「観てみたい」というプロモーションではない。
実際、星組での上演が決まってから日本版のプロモーション映像を見て、え、これ?
こっちゃん主演で、星組がこれ、やるの?って。(苦笑)
ブロードウェイ版を観てみたら、ようやく「なるほどね」と。
ということで、
今から星組さん「チケットまったく取れる気がしない」のですが、気持ちだけは今から客席に座ってお待ちかね。(笑)
こっちゃんの『BIG FISH』チームと、ありちゃん(暁千星)の『夜明けの光芒』チームと、どのように振り分けられるかを見てからしか配役も予想できませんが、、、
でも、予想してみたいから、するよね。(笑)
さすがにメインどころだけにしておきますが。
メインキャストの4人は?
エドワード・ブルーム
若い頃から楽天的で人を幸せにする事が大好きで、自らの人生を巧みに語って聞く人を魅了するのが得意だったが、作り話ばかりする父親に反発心を抱く息子からは距離を置かれてしまう。
礼真琴
最初は「このおじさんを、こっちゃんが?」と思いましたが、彼の人生を辿るように「おとぎ話(昔話)」が進んで行くので、物語の軸は青年時代のエドワードって感じですかね。
ただ、エドワードの現在と過去を行ったり来たりするので、どんな演出になるのか興味深い。
こっちゃんの大きな武器のひとつである「思いを歌に乗せる」「歌で感情を表現する」という能力が、この作品でどのように発揮されるのか、期待しかありませんっ!
そして、こっちゃんがエドワードの晩年⇔青年&壮年期という幅広い年齢を、どのように魅せてくれるのか、乞うご期待!ですね。
ウィル・ブルーム
エドワードの息子で、身重の妻ジョセフィーンと暮らすジャーナリスト。父とは疎遠になっている。
天飛華音
これね、星組の勢力図から言えば普通に「極美慎」でもありよね、って思うんですけど、、、
それじゃ面白くないでしょ?(笑)
そして、個人的には 礼真琴×極美慎 という父子関係がどうもしっくりこなくて。
星組の体制を考えたら、そろそろかのんくん辺りを本気で引っ張り上げないとあかんでしょ、というのも感じてるし。
いや、星組のというよりは、宝塚全体のスターバランスを考えると「番手スターの組替え要員」としても育てておく必要があるよね、と。
星組はこの下につんちゃん(稀惺かずと)が控えているので、ありちゃん(暁千星)との間に挟まっているきわみくん、かのんくん、いずれかは近々に異動もあるんじゃないですかね。
ということで、かのんくんを成長させるための足掛かりとしては、この作品、もってこいなのではないかと。
こっちゃんとの学年差も「父子」を演じるには程よい距離感だし、こっちゃんの近くでしっかりとお勉強できるチャンスかと。
ずっと頼りなさげだったきわみくんが、ポジションを与えられて責任を自覚した途端に急成長を見せたと同じように、かのんくんにもそれを期待します。
サンドラ・ブルーム
エドワードの最愛の妻。
小桜ほのか
この配役は悩みますね。
でも、うたちゃん(詩ちづる)ではないと思う。
あまりにも役柄が合わなさすぎる。
こっちゃんとは『赤と黒』のマチルドでも組んでいるし、うたちゃんはありちゃんチームのヒロイン・エステラだと予想。
なので、いろいろ総合的に考えると、ここは幅広い年齢を演じられる実力派であるほのかちゃんが適任かと。
二人の「声」のハーモニーが聞きたい、というのもある。
ジョセフィーン・ブルーム
ウィルの妻で身重。
乙華菜乃
今回、新人公演ヒロインを射止めたなのちゃん。
かちゃ(凪七瑠海)の主演で回った全国ツアーでも、マルガリータに抜擢されていましたよね。
かつて宙組で大和悠河のお披露目公演としてこの作品が上演されたとき、マルガリータを演じたのが超・歌姫の和音美桜、全国ツアーではのちに花組へ組替えしてじきに退団してしまいましたが、期待されていたあまちゃき(天咲千華)でした。
なので、今回の全ツでなのちゃんがマルガリータに抜擢されたとき、劇団としてはこれから育てたい娘役なんだな~と理解しました。
そしてやっぱり話題作『RRR』のヒロインときたので、この勢いで抜擢!じゃないかと予想。
今の星組は次世代の娘役たちをとっかえひっかえ絶賛育成中って感じなので、誰が抜擢されてもおかしくないとは思いますがね。
その他のキャスト
この作品には、他にも目立つ役が沢山あります。
息子ウィルの少年時代は、日本版初演で鈴木福くんが演じていましたね。
プロモーションしか観ていないけど、すんごい可愛かった♡
宝塚では小柄な娘役さんとかがやるのかな?
そうなると、sora さんがことあるごとに(しつこく … 笑)推している、期待の歌姫、茉莉奈ふみちゃん辺り?
そして、エドワードの学生時代の同級生ドン・プライス。
昔は何をやってもさえなかったドンですが、よりによってエドワードが出会う前に最愛のサンドラの婚約者になっていたという顛末。
日本版では藤井隆がコメディセンスたっぷりに演じていたようですが、、、出番はどれくらいあるのかな?
映画を見る限りではさほど出番があるようには思えないのですが、サンドラとの出会いには欠かせない人物なので、それなりのポジションの男役さんがやりそう。
エドワードのおとぎ話の中の小さな町で出会う、ジェニー(ジェニファー)・ヒルも重要な役どころ。
少女時代に出会うのが最初ですが、ときが流れてエドワードと再会した彼女は、いつしかエドワードを愛するようになります。
エドワードの心の中には最愛の妻サンドラでいっぱいなので、その想いは届かず、、、これも色々と「おとぎ話」に繋がっているというキーパーソン。
なんとなくイメージ的には水乃ゆりちゃんとか、瑠璃花夏ちゃん辺りかな?
さらにインパクトの強い登場人物としては、サーカス団のエーモス・キャロウェイ団長ですかね。
雰囲気だけなら『赤と黒』でいうところのジェロニモさんみたいな。
宝塚版のありちゃんジェロニモはカッコ良かったけど、フランス版のジェロニモさんと、このエーモス団長の雰囲気がダブりました。(笑)
この団長には隠された真実が。
もう一人、インパクト強すぎる登場人物が。
巨人のカールくん。
この人、ホント大巨人。
舞台版を観ても、ちゃーんと大巨人が再現されていて、この役を演じる人は高所恐怖症だと無理だよな、と。(笑)
転ばないように気を付けて~ってね。
まだ他にもとにかくたくさんバラエティに富んだ登場人物が出てくるのですが、宝塚版独自の演出が加えられるのも楽しみ。
まとめ
平日はとにかく自分の時間がとれない日々が続いているので、この連休中に星組公演の予習を一気にしてみましたが、いやはや、どれもこれも楽しみすぎる。
ありちゃん主演の『夜明けの光芒』も、sora さんが宝塚沼にハマるきっかけを作ってくれたウタコさん(剣幸)が、かつて月組トップだった頃に演じたディケンズ作品(大いなる遺産)だから、ものすごーく興味があります。
これはまた、次の機会に予習してみます。
ひとまず『RRR』の東京公演。
チケットないから日比谷界隈を徘徊するだけですが(笑)、千秋楽の配信を観ることを楽しみに日々を過ごしたいと思います!