礼真琴の舞台を振り返るシリーズ第61回目は、星組第2回の台湾公演より『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』を振り返ります。
第1回の台湾公演では、かわいらしい娘役で花を添えていたこっちゃん(礼真琴)。
ほぼ主演娘のような役でしたね …(笑)
当時は研5の終わりくらいでしたが、あれから5年半、着実に経験を積み重ね、立派な2番手スターになっての台湾凱旋!
『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 』予備知識
あらすじ
かつて魔界の軍勢が人類を滅亡させようと人間界に押し寄せた戦い、「窮暮之戰」があった。
人々は神仙から教えを乞うて「神誨魔械」と呼ばれる強力な武器群を造り、魔神たちを魔界に追い返すことに成功し、萬興の国に平和が訪れる。
しかし窮暮之戰の影響で、 萬興の国の真ん中に不毛の荒野が誕生し、萬興の国を東西に分けてしまった。
その不毛の荒野には魔物や食人族が住むようになり、その荒野は「鬼歿之地」と呼ばれるようになる。
不毛の荒野の影響で、東西の二つの国に分かれ、その東の国と西の国に住むようになった人々は昔のように東西を行き来することが不可能になってしまう。
そして、萬興の東西はそれぞれを「東離」と「西幽」という新たな国が生まれ、それ以降、その国独自の人間の歴史を作っていくのだった。
「窮暮之戰」より二百年後、「神誨魔械」は護印師と呼ばれる者によって監視・守護されていた。
そんなある日、「東離」に神誨魔械を狙う謎の賊徒「玄鬼衆」が現れる。
西から「東離」にやってきた謎の男・殤不患と、煙管を吹かす東の謎の男・凜雪鴉は、「玄鬼衆」の野望を打ち砕くために共に戦うことになった。
主な配役
凜雪鴉(リンセツア):紅ゆずる
丹翡(タンヒ):綺咲愛里
捲殘雲(ケンサンウン):礼真琴
捲殘雲の母:万里柚美
廉耆(レンキ):美稀千種
殤不患(ショウフカン):七海ひろき
傀儡師[座長]:如月蓮
傀儡師:白妙なつ
蔑天骸(ベツテンガイ):天寿光希
殘凶(ザンキョウ):大輝真琴
狩雲霄(シュウンショウ):輝咲玲央
傀儡師:瀬稀ゆりと
傀儡師:紫月音寧
刑亥(ケイガイ):夢妃杏瑠
殺無生(セツムショウ):麻央侑希
傀儡師:ひろ香祐
傀儡師:紫りら
傀儡師:音咲いつき
捲殘雲の父:拓斗れい
丹衡(タンコウ):桃堂純
傀儡師:彩葉玲央
獵魅(リョウミ):有沙瞳
凋命(チョウメイ):天華えま
捲殘雲(ケンサンウン)、ヤンチャな子
とにかく登場人物の名前が難しくて読めないし、覚えられない。(笑)
こっちゃんの演じるケンサンウンは、公式の説明によれば槍(鉾)の達人。
この公演は皆さんビジュアルをかなり原作に寄せていましたが、こっちゃんも例外ではなく、フィギュアが動き出したか!?くらいのビジュアルでしたね。
アニメヴァージョンはちょいとイメージが異なっていましたが。
でも、こうして並べてみたら、こっちゃんは「少女漫画」のお顔立ちですね。(笑)
やっぱりタカラヅカって感じ。
捲殘雲くんは、狩雲霄(輝咲玲央)に憧れている舎弟くん。
自分の腕に相応しいだけの名声を手に入れようと躍起になっていて、凜雪鴉(紅ゆずる)に招かれた狩雲霄に、強引についてきちゃったヤンチャな子。
この解説だけで、なんかこっちゃんに似合いそう!と思ってしまいました。(笑)
Thunderbolt Fantasy
サンウン登場!
メインキャストの中で最初に登場するのが、こっちゃんサンウン。
原作は見たことがないのですが、もともとが人形演劇ということなので、こっちゃんの大げさ芝居が程よくマッチしている感じ。
そして台湾のお客さんはいつも熱い!
そして日本から追いかけて行ったお客さんもここぞとばかりに便乗して、上演中の熱い声援!(笑)
こっちゃんサンウンが名乗りをあげると、ヒュ~~~~の掛け声と拍手喝采。
これ浴びると、気持ちいいでしょうね~。
最近は宝塚でもコンサート並みの盛り上がりをみせるライブが増えてきたので、今のスターさん達は比較的「歓声」を浴び慣れているかも知れませんが、古くからのファンとしては、戸惑いもあります…。
ま、生徒さんたちが楽しそうなので、ヨシとしますが。(苦笑)
話が逸れましたが、こっちゃんのお歌、麗しき。
短いナンバーですが、完璧な安定感の美声を堪能です♡
やんちゃ坊主がお似合い
母親に見つからないように、燈篭の陰に隠れてわちゃわちゃしているこっちゃんサンウン。
そしてシュウンショウ(輝咲玲央)兄貴にくっついて、ヘラヘラしているこっちゃんサンウン。
妙にはまってます。www
でもって、ショウフカン(七海ひろき)殿の前に現れて、槍を振り回し、なんだか少々空回り気味に「ケン・サンウンの槍は、ここにありぃ~~~~!」と見栄を切る。
そして客席から沸き起こる拍手と歓声。
ひとりジャニーズな感じ!?。
と思ったら、コメディーかいっ。(笑)
このすっとぼけた(失礼!)感じがこっちゃんのキャラに似合っててカワイイ♡
ショウフカン殿に相手にされず、口をとんがらがせてフカン殿の胸をツンツンつつくのがまたキュートでツボる~。
でさ、思ったんですけど。
戦いの合間にこっちゃんサンウン「切っても切ってもキリがないぜ!」とか言ってますけど、あなた、切ってませんよね?
槍だから。(笑)
ピンクライト、やばいでしょ(笑)
丹翡(タンヒ / 綺咲愛里)を見たこっちゃんサンウン、いきなりピンクライトに照らされて「なんてかわいい人だぁ~」と。
場末のキャバクラじゃあるまいし、このピンクライトはなんすか?(笑)
かっこいい登場人物がいっぱいの中、完全に少女漫画のコメディー担当、礼真琴。
最後のズッコケたときの脚の上がり方が垂直!
さすが、ダンサーのズッコケ方。www
この作品は歌が少ない
ストーリーにのめり込んで見ているとあまり気づかないのですが、この作品って「歌」が少ないですよね。
幕開きのところでこっちゃんが歌い、その後こっちゃんの歌声が聞けるのは中盤で主要メンバーが歌い継ぐところまでなくて。
しかも歌い継ぎだから短いし。
ま、さゆみちゃん(紅ゆずる)もほとんど歌ってない作品なので、登場シーンで歌をもらったこっちゃんは、十分「歌う」ことに配慮されてるのかっ。
もっぱらコメディ担当のこっちゃん、もう少し歌が聞きたいな~。
チャラ男、フラれる
あーちゃん(綺咲愛里)タンヒに思いを寄せるチャラ男サンウンくん。
剣術の指南してあげてるのに、頑なに拒まれて可哀想。(笑)
そして調子に乗りすぎて平手打ち食らうという…
チャラ男サンウンくん、この先、もう少し器用な大人に成長することを願います。(笑)
ショウフカン殿、男前。
この作品が決まって配役が発表されたときに、ショウフカンが2番手役なのに、なんでこっちゃんじゃないの?と思ったのですが、間違いなくかいちゃん(七海ひろき)が適役でしたね。
これはこっちゃんの役じゃないわ。
かいちゃんの懐の深さで役が成り立ってる感じがヒシヒシ…。
かいちゃんの懐でこっちゃん、ノビノビ。
ショウフカン、カッコ良すぎ
いろいろな真実が明るみになり、リンセツア(紅ゆずる)の真実を知り、自身の行動を悔やむあーちゃんタンヒにかいちゃんショウフカンが放つひと言がカッコイイ。
「正しいがゆえに騙される奴は大勢いる。
騙されたことを悔やんでもいいが・・・
正しくあろうとしたことは、悔やむんじゃない。」
惚れてまうやろ。(笑)
チャラ男の名誉挽回!
師匠の裏の真実を知って絶望したこっちゃんサンウン。
自分は師匠と縁を切って正義の道を進む決心をします。
そして、同じく真実を知り失意のドン底、あーちゃんタンヒを助け出す「元・チャラ男」サンウンくん。
これぞ名誉挽回!
あーちゃんタンヒと手を取り合って、いざ、出陣!
チャラくても、やんちゃでも、こっちゃんサンウン、カッコい~ぞぉ♡
男になったね、サンウン!
師匠と対峙するこっちゃんサンウン。
「本物の誇りとは、命と引き換えに手に入れる … あんたはそう言ったな!
だからこそ、いつかは誇り高く死んでいくためにも、恥じるような生き方をしちゃいけないんだ!」
こっちゃんサンウン、まっすぐ過ぎて、純粋な青年!
小柳先生、さすがです。
こっちゃんにこの役を配したのは大正解。
血気盛んでありながら、正義を貫こうとする若者の姿が、す~っと入ってきますね。
さゆみちゃんのリンセツア、かいちゃんのショウフカンもそうですが、演出家ってこういう配役の手腕も問われますよね。
ときどき「どーした!!??」っていう配役もありますがね。(笑)
いつの間に、息子できた?(笑)
あーちゃんタンヒとめでたく結ばれるこっちゃんサンウン。
代々受け継がれてきた剣術を身に付ける必要があると言われ「剣より槍が性に合う」と及び腰のサンウン。
「あなた、息子の前でもそんな弱音を吐くつもり!?」
えっ!?
いつの間に!?(笑)
すっと戦っていましたよね、今まで。。。
舞台の物語とは、そういうもんですね。(笑)
めでたし、めでたし。
こっちゃん、ぜったいあーちゃんの尻に敷かれるな。www
まとめ
この作品の主演以外のもうけ役と言えばショウフカンですが、こっちゃんのケンサンウンも上手に目立たせていましたね。
そしてキーマンとなる人物がたくさん登場するので、生徒さんたちの活躍の場がそれぞれにあって、作品選びもナイスな感じ。
さゆみちゃんは前回の台湾公演でも、つかみどころのない不思議な雰囲気を持っていましたが、今回は独特のキャラがピッタリハマっていて、これはさゆみちゃんしかできないわ~と思わせてくれました。
さて、次回は引き続き台湾公演から『Killer Rouge/星秀☆煌紅』を振り返りたいと思います。
