真風涼帆サヨナラ公演『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』の千秋楽、素敵なラストデイでしたね。
ライブ配信でお茶の間観劇でしたが、温かな、ハートフルな千秋楽に胸が熱くなりました。
2006年の初舞台から17年間、ほんとうにお疲れさまでした!
ゆりかちゃん(真風涼帆)のラストステージを観ながら、個人的にもこの17年間を振り返り、懐かしい思い出がたくさん蘇ってきました。
『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』
ダークグレーのスタンダードスーツの男役たちが、こんなにたくさん集まって踊るのって観たことない気がする。(笑)
シンプルすぎてインパクトありました。www
そしてあらためて、ゆりかちゃんにはスーツが似合うな~と。
時代的にダブルスーツってのが、また味がありました。
個人的には、スーツはシングルのほうが好みですけど、、、ま、カッコ良ければそれでよし。(笑)
1幕もので良かったのでは?
正直な感想としては、これを2幕ものでやるってどうなんだろう?って感じ。
ストーリー展開にメリハリがなく、盛り上がりに欠けていたかな、と。
そして、漂うごちゃまぜ感。
作品としては最後まで惹き込まれることなく、完全に「残念」な印象でした。
これであればもっとシンプルなエピソードに絞って1幕ものにまとめ、ショーかレビューの二本立てにしたほうが良かったのでは?
ゆりかちゃんのスーツ姿は十分に堪能できましたが、ちょっと消化不良です。(苦笑)
髪型はナチュラル派
初日映像を見た時から気になっていたジェームズ・ボンドの髪型、、、生え際の書き足し。
これはオリジナルに寄せた演出なんですかね?
不自然な生え際に違和感があって、せっかくのゆりかちゃんのカッコ良さが・・・
そういえば、先日の花組公演『舞姫』のほのかちゃん(聖乃あすか)の生え際も強烈で驚きましたが(苦笑)、ゆりかちゃんのこのこだわりも、ちょっと受け入れられなかったなぁ。
せめてサヨナラショーではナチュラルにして欲しかった~なんて思ってしまいました。
本公演を終えてサヨナラショーまでの間に、生え際をいじるような時間はないのでしょうけれども、、、あのヘアスタイルが「ラスト」だったのは、ちょっぴり残念でした。(苦笑)
ナチュラルな真風涼帆のスタイルを見たかったな。。。
桜木みなとの立ち位置
キキちゃん(芹香斗亜)の存在感は言わずもがなでしたが、気になったのはずんちゃんの立ち位置。
役柄として目立ってはいたし、ミシェルがずんちゃんに適役だったのかも知れませんが、全体的な立ち位置的にはもえこちゃん(瑠風輝)が演じたルネ・マティスのほうがおいしい。
今回の公演を見ていて、役柄の印象もあるのかも知れませんが率直に「ずんちゃん、抜かされるかも」と感じてしまいました。
ずんちゃんファンの皆さまにはゴメンナサイ!なのですが、もしかしたら・・・ないかも、と。
あまりにもずんちゃんミシェルが発するインパクトが弱すぎて、目立つ役なのに印象に残らない。。。
逆に、もえこちゃんの存在感がビシバシ。
体格の大きさ、くっきりしたお顔立ちのせいも多少、あるかも知れないけど、途中で、真風涼帆・芹香斗亜・瑠風輝 の 1.2.3 と錯覚してしまうくらいでした。
これまで95期並びを夢見るあまり、あまりこの現実を見ていなかったな~と。
キキちゃんは超短期で卒業するのかな?と思っていましたが、実は5~6作の任期を全うして、もえこちゃんに引き継ぐのか?とふと考えてしまいました。
同期のマイティー(水美舞斗)やなおちゃん(瀬央ゆりあ)と同じように、専科への異動か、卒業か、、、という選択を迫られる立ち位置なのかも知れないなぁ…と。
ただ、マイティーやなおちゃんは同期生トップの存在があっての専科異動でもあるので、状況が違うのも事実。
キキちゃん体制になったとき、その答えも明確になるのでしょうか。
「女優」潤花 → 春乃さくら
潤花ちゃん、輝いていましたね。
お歌は最後まで「要・努力」でしたが、それも彼女の個性のひとつとして受け入れてしまいます。(笑)
彼女は下級生の頃から、宝塚の娘役というよりテレビや映画の女優さんといった雰囲気を持っているな~と思っていたのですが、最後までその印象は変わりませんでした。
抜群のスタイルでどんな衣装も着こなし、主役の隣りで、自らの光も放ちながら主役をもキラキラと輝かせる太陽のような潤花ちゃん。
ゆりかちゃんの相手役として卒業することを選択した彼女思いは、デルフィーヌとしてボンドの隣りに立つ姿を見て、なんとなくわかるような気がしました。
真風涼帆という存在に出会ったことが、「私のすべて」と思えたんだろうな~と。
そして、キキちゃんの相手役として娘役トップに就任するさくらちゃん(春乃さくら)。
彼女もどちらかというと、女優さんタイプかと。
さくらちゃんはシンプルな雰囲気で、潤花ちゃんのような大輪の花をイメージするようなタイプではないけれど、しっかりお芝居ができて、歌声も美しい彼女。
キキちゃんの隣りで、どんな女優さんぶりを発揮するのか、楽しみですっ!
真風涼帆さよならショー
素敵な温かい、さよならショーでしたね。
いつもは何気なく「懐かしいな~」と思いながら、スターさんのさよならショーを見ているのですが、今回、ふと思ったことがあります。
組が違えど同じ作品が思い出になる
『オーシャンズ11』のナンバーを何曲か歌っていましたが、ゆりかちゃんにとっては星組・宙組で出演した思い出の作品。
新人公演での主演作でもありますし、キキちゃんとは星組、宙組両方で共演しているので二人の思い入れも相当深いのではないかと思います。
それだけに見ていてジーンとするわけですが、、、
宙組のオーシャンズには出演していないるりちゃん(紫藤りゅう)が、すっしーさん(寿つかさ)たち退団同期と一緒にオーシャンズのナンバーを歌っている姿を見てさらにジーン。
色々な組で「再演」されている作品が沢山ありますが、同じ組で同じときに出演していなくても、こうして同じ作品のナンバーが共通の「思い出」になるっていいな~って。
ふとね、そんなことを感じました。
Never Say Goodbye の思い出
そして、、、
「元」宙組&和央ようかファンにとって、ゆりかちゃんの初舞台公演『Never Say Goodbye』には、たぶん、ゆりかちゃんに匹敵するくらいの、ファンとしての思い入れがあります。(笑)
2006年当時、色々な思いを抱えながら大劇場や東京公演に通い詰めた思い出の公演。
まさか、そのときの初舞台生が、タカラジェンヌとしての思い出の締めくくりを「あの歌」で・・・。
ゆりかちゃんが歩んできた17年のときを振り返るのと同じように、自分自身の「あれからの時間」が走馬灯のようによみがえってきて、号泣。(苦笑)
ちょっとね、不思議な感覚でした。
そして、当時の公演に出演していたのは寿つかさ、真風涼帆、松風輝の3人だけっていうのも、、、なんか時の流れを実感しますねぇ。
しかも、初舞台生だった二人を除けば、あの作品の出演者である最後のひとり、すっしーさんも退団。
ゆりかちゃんの「さよならショー」は、sora さんのヅカ・ファン後半の17年間を一緒に振り返る不思議な時間になりました。
「ONE HEART」はもう、まじ、号泣でした。(笑)
思い出、、、こんな共有の仕方もあるんだなぁ。
真風涼帆と芹香斗亜
2005年、音楽学校の予科・本科で出会い、ゆりかちゃんが初舞台を踏んで星組に配属になった翌年、その星組で初舞台を踏んでそのまま星組生となったキキちゃん。
キキちゃんが花組へ組替えになるまでの5年間、星組で一緒に下級生時代を過ごした二人。
その3年後にゆりかちゃんが宙組へ組替え。
そして更に3年の時を経て、ゆりかちゃんのトップ就任とともにキキちゃんが2番手として宙組へ組替え、ふたたび同じ組で同じ時を刻み始めましたね。
ゆりかちゃんとキキちゃん。
ゆりかちゃんも度々口にしていますが、組替えを経験している二人にとって「宝塚人生で一番長く一緒に舞台を作ってきた」という関係性。
ゆえに、カーテンコールでの二人の大粒の涙には、二人にしかわからない深い「想い」があったのでしょうね。
久し振りにあんなに大号泣の、感動的な「引継ぎ」を見せていただきました。
キキちゃんにとっては長い長い2番手時代を経て、辛い道のりでもあったと思いますが、ある意味、こうして「想いのこもった」ゆりかちゃんからのバトンを受け取るための時間だったのかな。
そう思えば「すべてに意味があった」と。
真風涼帆と潤花
前にもどこかで書いた記憶がありますが、ゆりかちゃん、潤花ちゃんを迎えたことで新たな魅力が増しましたよね。
今日の公演を見ていて、ご挨拶を見ていて、それを改めて感じました。
もちろん、まどか(星風まどか)ちゃんの可愛らしさも、トップスター真風涼帆には必要な存在だったと思います。
でも、どういう理由だったのかはわかりませんがまどかちゃんが花組へスライドして、ゆりかちゃんが潤花ちゃんを迎えたこの人事は最高にナイスな判断だった気がします。
天真爛漫で、とびっきり明るくぶっ飛んでいる(笑)潤花ちゃんに振り回されながら、やれやれ、、、といった風に、でも、とても嬉しそうな笑顔を見せているゆりかちゃんが、とっても魅力的。
ゆりかちゃんの新たな魅力を引き出したのは潤花ちゃんだったと思います。
そして、最後のごあいさつで堂々と言い切った潤花ちゃんに感動でしたね。
「何があってもゆりかさんの味方です!」
潤花ちゃん、短い期間ではあったけど、ゆりかちゃんの色々な姿を近くで見つめてきたんだな~と、胸が熱くなりました。
その潤花ちゃんの思いを茶化すことなく、真正面から受け止めていたゆりかちゃんにも。
うん、本当にいいコンビでした。
最後まで「笑い」もたくさんで・・・(笑)
ライブ配信に合わせた運営ルール作りを
コロナ禍がエンタメ界に残したポジティブな遺産が、この「ライブ配信」だと思います。
宝塚でも、これまではチケットが手に入らなかった公演は、DVDやブルーレイを買って観るか、スカステで放送されるまで1年以上待たなければ観られませんでした。
ライブ配信が開始されたことによって、贔屓の組だけでなく、気軽に「すべての公演」を観られるようになったのは、ほんとうにありがたい。
ディナーショーやミュージックサロンも然り。
これだけ社会がデジタル化されていて、逆に、なぜコロナ禍になるまでライブ配信というアイデアが実行されていなかったのかと。(笑)
新しい文化は、こうして時代ごとに巻き起こる社会問題がきっかけとなって、生み出されていくものなのでしょうね。
ただ、今回の配信を見ていて、とっても気になったことをひとつ。
1幕が終わり、幕間休憩前のゆりかちゃんのアナウンスが流れた直後に始まった、劇場アナウンス。
「お客様のお呼び出しを申し上げます」
いやな予感がしました。
まさか、そのままフルネームをアナウンスしませんよね?
あ。
しちゃいました、よね。(苦笑)
全世界に「お呼び出し」フルネーム配信しちゃいましたよね…。
自分が劇場にいて聞いているアナウンスであれば気にも留めず、あぁ、緊急の伝言があるんだろうな、、、で済む話なのですが、ライブ配信では配慮が必要ですよね。
劇場にいる人だけじゃなく全国(今回は全世界?)にフルネームが配信されちゃうわけですから。
あと数秒待てば配信画像も音声も劇場中継から切り替わるのに、なぜ中継が繋がっている終演直後に呼び出し放送をしちゃったのかな、と。
仮に呼び出しに緊急性があったとしても「数秒」待てば良いだけです。
たぶん、これまで通りのマニュアル、アナウンス対応だったのだとは思うのですが、もし自分の名前がフルネームで呼び出されている音声が配信に乗ってしまたら、そーとー嫌だな、と。
ライブ配信が当たり前に行われるようになり、今後もさらに広がっていくであろう中で、それに合わせた「配信対象公演」時における「劇場の運営マニュアル」の再考も必要なのではないでしょうかね。
些細なことが大きな問題になる前に、些細なことへの配慮に目を向けて欲しいものです。
まとめ
あと数時間で、公式ホームページからトップスター真風涼帆の名前が消え、芹香斗亜へと更新されます。
この瞬間って、トップさんの退団の度に寂しく感じますよね。
こうして宝塚歌劇は110年の時を刻んできたわけで。
さて、次に「この日」を迎えるのは、、、

