黄金の95期。
舞台に勢ぞろいする神7の並びを客席から拝みたい!という夢は、完全に消え去りました。
トップスター礼真琴、月城かなと、柚香光、専科スター水美舞斗、瀬央ゆりあ、そして2番手スター朝美絢、桜木みなと。
神7が同じ舞台に並ぶ「最初で最後のチャンス」と思っていた4月の「110周年記念式典」、そして秋に予定されていた10年に1度の恒例行事「宝塚歌劇大運動会」も中止になりました。
いまの宝塚歌劇団の置かれている現状からすれば、致し方のないこととは思いつつ、なんだか色々込み上げる思いが…ね。
激動の1年を振り返る
まさかこんな複雑な思いを抱きながら、2023年の暮れを過ごすことになるなんて、誰が想像していたでしょうか。
本来なら、いまごろは4年ぶりのタカラヅカ・スペシャルが華やかに開催され、礼真琴・月城かなと・柚香光、そして水美舞斗、瀬央ゆりあ、朝美絢の95期6人が舞台に勢揃いし、その姿に酔いしれ、まだまだ夢心地💕だったのに。
そして来る2024年、110周年記念の幕開けお正月公演にワクワクし、春の式典や大運動会のチケット争奪戦に向けソワソワしていたはず。
演出家のパワハラ(セクハラ)退団が序章だった
ちょうど1年ほど前、演出家・原田諒氏によるパワハラ(セクハラ)問題が報道され、宝塚界隈は「少しだけ」賑やかになりました。
公演中に上演作品の演出家が退団するという異常事態。
でもあの時にはまだ、1年後に宝塚歌劇団の存続をも揺るがす事態に発展していくなんて、思いもしなかったですね。
そして年明け。
当時の宙組トップスターであった真風涼帆による「相手役へのパワハラ」報道が出ましたが、にわかに信じがたく個人的には一笑して終わるレベル感。
もちろん事実関係はわかりませんが。
でも、まどかちゃんの違和感ある専科への異動→花組という流れを考えると、もしかして「なにか」はあったのかな、、、とはちょっとだけ思ったり。
当時、退団イベントであるコンサートの公演期間中だったゆりかちゃん(真風涼帆)が、ステージ上でこの件に言及して話題にもなりましたね。
潤花ちゃんの底抜けの明るさに救われたのでは?という印象もありました。
そして立て続けに出てきたのが「ヘアアイロン事件」。
これが事実なら傷害事件レベルでは?、、、と、これもまたにわかに信じがたかったのが本音です。
今となってはそうとも言い切れないのが現実。
それでも当時はなんとなくこの騒ぎも沈静化していくもんだと思っていましたよね。
キキちゃん(芹香斗亜)とジュリちゃん(天彩峰里)の不仲説を耳にはしていたものの、星担の sora さんにはあまり関心がなかったといいますか。(苦笑)
で、原田氏の手記が出たりもありましたね。
その後は文春砲もしばらくは静かだった気がしますが、、、
9月末。
宙組公演は完全に止まり、他組にも大きく波及し、そこからは毎週のように報道されるようになり、そして報道されるような(揚げ足を取られても仕方のないような)劇団のふるまいが続き、内部告発も歯止めなく続き、労基も動き、OGも語り始め、この先の公演は中止や変更が行われ、イベントも全面中止、、、
つまりは、劇団存続の危機。
3年間続いたコロナ禍よりも深刻な事態
コロナ禍初期には何か月も Entertainment が止まり、出演者、エンタメ関係者、そしてファンにとっても苦しい時間が続きました。
公演が再開されても感染者が出るたびに公演は止まり、その度にチケット払い戻し。
あの頃はとにかく「誰も責めることのできないジレンマ」を抱えていたように思います。
でも、社会というのはその時代の環境を逆手にとって、どんどん発展していくものです。
コロナ禍で人と人とが対面できない中で「zoom」や「teams」、「skyp」などのオンラインツールがどんどん発展し、日本中、世界中のどこにいても人と繋がることが容易くなりました。
そしてエンタメ界ではその延長線上に、最大の産物といっても過言ではない「ライブ配信」という観劇スタイルが確立!
これまでなかなか観劇する機会のなかった贔屓の組以外の公演も、リアルタイムで気軽に自宅で楽しめるようになり、観劇回数は格段に増しました。
とはいえ、もちろん生観劇で得られる高揚感と感動は格別。
ようやく3年もの長きに渡ったコロナ禍の制限が解かれ、日常が戻りつつある中で起こった宝塚歌劇団クライシス。
今回の件によって公演がストップしたり、信用の失墜も含めれば、劇団の損失はコロナ禍の何倍もの痛手になっていると思われます。
そしてつい先日、突然発表された「チケット販売後の公演中止」による、劇団の姿勢に対するファンの失望。
この件については、花組東京公演まではニュースとして発表になりましたが、その後、しらっと月組公演の初日変更していること、そのアナウンスがなかったことも残念でしたね。
劇団は「まだ詳細な日程を発表していなかったから」と取材に回答していたようですが、初日、千秋楽の日付は発表済みだったわけで、初日を変更するというのはやはりニュースとして発信して欲しいと個人的には思いました。
特にトップさんの退団公演ですから、ファンはみな早くからその日程に合わせて仕事を休む調整したり、ホテルを予約したりしているものです。
いったん発表したスケジュールを修正するのならば、公演ページにしらーっと追記して済ませるのではなく、ニュースで知らせて欲しいです。
ただでさえファンは急な公演中止発表で混乱しているわけで、これだけ批判が集まっているにもかかわらず、劇団はどうしてこうも「丁寧な対応」ということに意識が及ばないのでしょうか。
ニュースに「月組大劇場公演の初日を変更し、新人公演は中止致します」の一文を出すことが、そんなに難しいことですか?と思ってしましますね。
ほんとうに謎。
計画通りにはいかなかった95期の「時代」
華やかに110周年の記念行事が催されるはずだった2024年。
まさかの試練の始まり。
でも、きっと宝塚歌劇団がこの先も続いていくためには、いま、変わる必要があったということなのでしょう。
周年行事に向けて周到な準備を
かつて、100周年の「顔」にするために、星組トップスターの柚希礼音を「スーパースター」に作り上げるべくお膳立てに奔走した宝塚歌劇団。
前任のトップスター安蘭けいとの学年差がありながらも、順当に2番手としての地位を得、そのままトップスターに昇格しました。
トップになりたての頃のちえちゃん(柚希礼音)は、正直いろいろ「大丈夫なの?」という声が大半でした。
それでも着実に経験を重ね、組子たちとの距離感に悩んだ時期をなんとか乗り越え、後半は見事劇団の期待に応える「スーパースター」の立ち位置を築きあげました。
100周年の「顔」として、上級生トップ蘭寿とむ、壮一帆のふたりを脇にしてセンターに立つことにも違和感がないくらいに成長しました。
あ、おしゃべりしだすと「ちえちゃん・・・」って感じでしたが。(笑)
とにかく劇団は柚希礼音という「ひとり勝ち」スターを100周年まで引っ張って、見事にその役割を果たさせました。
そしてこのとき、10年後の周年行事を担うべく劇団が着々と準備を始めていたのが、95期スター軍団化。
コロナ禍の危機を支えた95期人気
宝塚110年の歴史の中では、ブームもあれば不遇の時代もあります。
劇団が周到に準備と調整をしながら、ついに令和時代、95期から最初のトップスターが誕生したのが2019年の星組でした。
トップスターに就任したのは類まれな才能を持ったスーパーマン、礼真琴。
そして少し遅れて花組の柚香光がトップスターに就任。
いよいよ110周年に向けて、劇団の思惑通り95期の時代が幕を開けたわけですが、その途端に世の中は長い長いコロナ禍に突入。
若きトップスターたちはお披露目公演からコロナで公演中止や公演延期に見舞われました。
あの時にはまさか3年も続くとは思いませんでしたが、結局、すでに退団を発表した柚香光、月城かなとにとっては、ほぼ「コロナ禍」しか知らないトップスターになってしまいましたね。
れいこちゃん(月城かなと)は結果として、一度もトップスターとしてタカスペに出演せずに卒業を迎えることになりましたし。
そして劇団が110周年の「顔」として慰留してきたであろう礼真琴。
こっちゃん(礼真琴)の2024年退団があるのか、ないのか、ファンとしてはいろいろ思うところがありますが、、、
コロナ禍が劇団の閑散期じゃなくて良かったですよね。
劇団が企んでいたであろう華やかな「95期時代」とは少々異なる結果だったかも知れませんが、なんだかんだ95期の神7人気が屋台骨を支えることになっていた気がします。
2024年、95期の動きはいかに
来年は花組の柚香光、月組の月城かなと、95期トップスターが続けざまに卒業していきます。
95期の中で最速でトップスターに就任した星組の礼真琴の進退は、、、。
110周年行事の全面中止が発表されたいま、こっちゃんの後半退団が現実味を帯びてきた気もしています。
ただ、問題は93期生たちの動向です。
咲ちゃん(彩風咲奈)は「これが退団イベントじゃなくて何なの?」というようなコンサートが控えていますが、このようなゴタゴタの中で果たして退団発表があるのでしょうか?と。
宙組のトップスター人事がどのように進んで行くのかも気になります。
ま、ただ、今回のグラフが劇団の「答え」ではあるんだと思います。
つまり、続投。
名指しでいろいろ言われているキキちゃん(芹香斗亜)ではありますが、公演中止の中でもビジュアルを出してくるということは、そういうことなんだろうな、と。
個人的には言われているようなパワハラをそのままに受け止めてはいませんが、「そのつもりがなかった」としても、やはり現役下級生から告発じみたことが起きてしまっている以上は、組のイメージを背負うトップスターとして何かしらのアクション(けじめ)は必要であると思っている派です。
このまま何のアクションもないままに宙組公演の舞台に立つというのは、避けた方がいい気がしています。
劇団はパワハラに対して再調査をする方向のようですし、その結果、このままキキちゃんを舞台に復帰させるのであれば、舞台に立つご本人はもちろん、観る側にも余計な思いを抱かせることのないよう問題解決に最善を尽くしてあげて欲しいですね。
93期生の動向によっては、95期の新トップ誕生にも影響を及ぼします。
れいちゃん、れいこちゃんに代わり、雪宙で2番手に控えている95期が2024年にトップに就任することはあるのか?
そう考えると、なんだかこっちゃんだけステイって、、、もはや「気の毒」だとさえ思えてくる。(苦笑)
こっちゃんの宝塚での舞台はまだまだ見てみたい気もするけど、なんか複雑。
こっちゃんの卒業は果たして。。。
でもって専科の95期もどうなるんだろう?
マイティのトップスターへのチャンスは残されているんだろうか?
なおちゃんはいつまで宝塚に居てくれるんだろうか?
きのう、久しぶりにさゆみちゃん(紅ゆずる)のサヨナラ映像を観ていて、こっちゃんとなおちゃんが退団者5人を挟んで立っているのがね、、、なんか時の流れを感じました。
そしてさゆみちゃんの姿がこっちゃんの「卒業の日」にダブって見えてしまい・・・あぁ、もうすぐだな、と。
そして、何よりも2番手時代のやせ細った体で、たぶん不安しかなかった心細さを抱え、それでも全力でさゆみちゃんを送り出しているこっちゃんの姿が愛おしくて。
その後トップスターとして背負ったコロナ禍、度重なる休演、体を酷使して星組を支えてきた試練を知っているだけに、泣けたぁ。。。
宝塚の礼真琴。
もう、それにこだわらないから、こっちゃん、自由にはばたいて!って気持ちになりましたねぇ。。。
120周年は平穏無事でありますように
近年まれにみるスター軍団95期の時代は、着々と終わりへと向かっています。
正直、ピークを見ることなく、なんとなく終わっていくような気がして寂しい思いもありますが、ま、それも時代の巡りあわせですかね。
この110周年の記念すべき年に、すべての行事を中止せざるを得ない劇団の危機。
10年後、120周年を無事に迎えることができたときには、「あのときの改革があったから今があるんだよね」と盛大に記念行事を開催できるといいですね。
その時の「顔」はやはり、星組の超・御曹司なのかな。
人生80年時代。
たぶんまだ10年後なら sora さんも余裕で観られるとは思いますが(笑)、貴重な110周年の周年行事をこんな形でスキップすることになり本当に残念でなりません。
働き方改革という名のもとに、新人公演やタカスペなどの貴重な機会も失われていくことに対する危惧もあります。
劇団も今は早急な対応が求められる中で、あれも、これもになっていると思いますが、少しずつ取捨選択をしながらエンタメとしての「宝塚歌劇」の在り方を整えていって欲しいですね。
まとめ
宝塚歌劇の舞台が観られなくなったわけではないのに、楽しみにしていたイベントごとが全面中止と言われると、想像以上にショックが大きい。
コロナ禍で散々我慢してきた挙句に、コロナ禍が明けたらそれよりももっと身動きの取れない状態になっている皮肉。
次から次へと表ざたになる劇団内部の醜聞。
大御所イケコまで・・・。
花組公演は果たして無事に幕を開けられるのか、ファンのみならず心配になります。
集合日が遅れたのはやはり報道のせいなのか?とかね。
宝塚ファンが心置きなく歌劇を楽しめる日々が早く戻ってきますように。